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トライベッカ映画祭で主演二人が失踪して話題となったキューバから亡命した若者を描いた映画とは?

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ルーシー・マロイ監督
ルーシー・マロイ監督

 昨年のトライベッカ映画祭で主演俳優二人が失踪して話題となったキューバ作品『ウナ・ノーチェ(原題) / Una Noche』について、ルーシー・マロイ監督が語った。

 本作は、キューバの都市、ハバナの貧困層の家庭で暮らすエリオ(ハビエル・ヌネス・フロリアン)とラウル(ダニエル・アレチャガ)が、窃盗容疑で警察から逃れるために、自由を求めてマイアミに逃亡することを計画し、エリオの姉リラ(アナリン・デ・ラ・ルア・デ・ラ・トーレ)を巻き込んで、3人で海を渡る無謀な旅に出るというもの。ルーシー・マロイがメガホンを取った。

 トライベッカ映画祭で失踪した主演二人、ハビエルとアナリンについて「彼らは映画祭へ行くためのビザをキューバのアメリカ領事館で取得したの。渡米してから映画祭に向かうはずだったけれど、彼ら二人がショッピングに行ったまま帰ってこないと、2時間後にプロデューサーから電話で伝えられた。彼らはダミーのスーツケースを部屋に置いていたため、結局、最初から亡命する計画だったことが後でわかったの」と当時を振り返った。

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 ルーシーは後にこの主演二人と接触して、真相を知ることになる。「(失踪後に)彼らはアナリンの叔父の家を訪ね、その叔父から弁護士を紹介してもらい、その弁護士を通してキューバの政治亡命者としてビザを申請していたの。1年ほど前に彼らとマイアミで会った時、彼らには多くの仕事の機会が与えられ、彼らがその機会を利用する決意をしたことがわかったわ」と語った。さらにルーシーは「二人は映画では姉弟の設定だったけれど、実生活ではカップルになって、今では二人の間に双子の子どもができたの」と衝撃の事実を明かした。

 彼女がキューバで映画製作を決意した理由は「初めて(観光目的で)キューバを訪れたのが2002年で、しばらくキューバに住んだ後、一度アメリカに戻り、それからは毎年キューバを訪れていたの。最初は能天気な休暇スポットだと思っていたキューバに対する表面的な認識が、のちに覆され、キューバの現実を観察することになったの」ときっかけを述べた。

 最後に彼女はキャスティングについては、道端にチラシを貼って、ストリートに居た俳優経験の無い人たちを雇ったことを明かした。映画は、キューバの現実に着眼点を置き、現実に行き詰まった若者を見事に描いている。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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