笑顔の向こうに (2018):映画短評
笑顔の向こうに (2018)主演・高杉真宙だから許される世界観
歯科技工士といえば、『ハッシュ!』で片岡礼子が演じた孤独な女のイメージがあまりに強かったが、そこは日本歯科医師会が全面協力の本作。プロのお仕事として、偏見なく、しっかり描いている。彼らは直接、患者(ときには医師とも)と会うことがないといわれるだけに、丹古母鬼馬二演じる老人の義歯をめぐる噛み合わせと人間関係を絡めたエピソードは、多少強引な展開ながら納得。基本、いい人しか登場しない展開には不満が残り、世間一般のキラキラムービーと比べても、まったく狙いのないラブストーリーなど、主演が眩しいほどの清潔感・透明感を放つ高杉真宙だから許される世界観も、なかなか興味深い。
この短評にはネタバレを含んでいます