ベルリン・シンドローム (2016):映画短評
ベルリン・シンドローム (2016)旧東ベルリン地区を舞台にした悪夢の監禁サスペンス
異国の地を旅するバックパッカーの若い女性が、現地の親切なイケメン男性と恋に落ちたところ、相手の家に監禁され虐待を受ける…というストーリーそのものはありがちだが、本作は極限状態に置かれたヒロインによる心理的な葛藤や決死の脱出と並行して、女性に対して歪んだ愛情と被害妄想を持つ犯人の心の闇に迫っていく点が見どころだと言えよう。
知らぬ間に気が付いたら監禁されていた、という状況はとても説得力があるし、主人公2人の一触即発な駆け引きもかなりリアルに描かれている。ただ、両者の深層心理がいまひとつ杓子定規だし、旧東ベルリン地区という特異な舞台設定も十分に生かし切れていないように思う。
この短評にはネタバレを含んでいます