天本 伸一郎

天本 伸一郎

略歴: キネマ旬報社に約20年所属し、映画雑誌「キネマ旬報」やムック本および単行本などの編集に携わった後、シネマトゥデイに所属。同社退社後にフリーの編集者&ライターとなり、本の企画・編集や各種記事の取材・執筆などを行っています。

近況: 編集を担当させていただいた、全国巡回の展覧会『富野由悠季の世界』の図録が、キネマ旬報社にて好評発売中です。展覧会『富野由悠季の世界』は、延期された2会場の新たな日程も決まり、次回は静岡県立美術館にて9月19日から開催です。なお、図録は、会場以外でも、キネマ旬報社のオンラインショップや書店注文にて、購入可能です。

天本 伸一郎 さんの映画短評

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  • マスカレード・ホテル
    皆が求めるキムタクらしさが活かされた華やかな娯楽ミステリー
    ★★★★★

     主人公刑事役の木村拓哉は、東野圭吾が原作執筆時に思い浮かべていたとも明かしているとおり、まさにピッタリ。
     また、何度も組んでその魅力を知り尽くしている鈴木雅之監督が、「似た役が多い」といった雑音をねじふせるかのように、ハマリ役を演じた時のスター俳優としての木村の魅力を最大限に活かしてみせている。
     次々と現れる豪華な出演者たちの顔ぶれも面白いが、木村と過去に共演経験のある俳優たちが多いことは、その絡みを楽しめるだけでなく、犯人や事件の鍵を握る役者を特定させにくくさせる効果も。
     鈴木監督らしい特徴的な画づくりも適度に活かされ、誰もが気軽に楽しめる華やかな娯楽ミステリーに仕上がっている。

  • 響-HIBIKI-
    原作ファンも納得のハマり役!
    ★★★★

    2017年のマンガ大賞を受賞した原作漫画の要所をおさえ、その面白さを損なわずかなり忠実に映画化することに成功。特に天才少女作家の主人公を演じた平手友梨奈のハマリぶりは唯一無二ともいえ、彼女でなければヒロインの設定に説得力を与えるのは難しかったのではないだろうか。女優としての才能などはまだ未知数だが、欅坂46をしらずとも、平手のスターとしての非凡さが感じられた。また、似たようなキャスティングの作品が多い中、平手以外の若手キャストにもフレッシュな顔ぶれを起用しているのが新鮮でいい。まだ連載中のため天才の誕生を描くプロローグ編的な物語でしかないが、余韻の残る結末には続編を期待せずにはいられない。

  • 3D彼女 リアルガール
    ギャップが生む笑いが楽しいラブコメ映画
    ★★★★

    若手俳優にコメディ要素の強い芝居を活き活きと演じさせることに長けた英勉監督らしく、オタク男子と美少女の恋愛というギャップを活かし、ちゃんと笑わせてくれるラブコメ映画。アニメとの合成や誇張した表現などの織り交ぜ方もうまく、ポップにテンポよく楽しませてくれる。ただ、コメディ要素の強い前半に比べ、後半はものすごく定番すぎる少女漫画的展開に陥ってしまうため、原作どおりとはいえもうひとひねりしてほしかった。フィギュアのような美少女役の中条あやみと振り切った芝居を見せる佐野勇人など役者陣は好演しているが、脚本的にヒロインの設定をうまく伝えきれていないため、『リアルガール』に見えにくいところも残念。

  • BLEACH
    アクションには見応えあり!シリーズ化にも期待したいが…
    ★★★★★

     長大な人気漫画原作のプロローグ編のみを映画化しているため、誰もがわかりやすいし、原作への敬意を払った丁寧な作りともいえる。
     アクション監督の下村勇二によるバトルシーンは見応えがあるし、アクション俳優としての才能豊かな福士蒼汰主演でのシリーズ化を目指していることも応援したい。
     しかし、『少年ジャンプ』らしいキャラクター性豊かなバトル漫画かつ長大な原作の魅力を実写化で活かすには、「銀魂」のような割り切った構成か、連作できるドラマシリーズでしか描きにくい気がする。
     人気漫画であればあるほど原作のアレンジがファンから反感を買いやすい現在、1本の実写映画化には不向きな題材だった気がして残念。

  • 劇場版 コード・ブルー −ドクターヘリ緊急救命−
    主人公たちの絆の深さに歴史を感じられるファンにはたまらない
    ★★★★

     人気医療ドラマシリーズの映画版だが、良くも悪くもテレビドラマそのままの作りは、評価がわかれるところ。
     ただ、登場人物たちがこれまで直接的には口にしてこなかった言葉をはっきり語り、主人公たち5人の絆の深さを明快に描く構成は、映画館という非日常の空間でじっくり見つめる特別感と相まって、シリーズ10年の節目を記念したスペシャルエピソードになっているし、ファンへのメッセージも満載なので、10年間観続けてきたドラマ版からのファンの多くは満足できるはず。
     といってもファンムービー的な作りは、10年目での初映画化だからこそ許されたと思うので、もしも第2弾があるならば、劇場版ならではの挑戦を観てみたい。

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