相馬 学

相馬 学

略歴: アクションとスリラーが大好物のフリーライター。『DVD&ブルーレイでーた』『SCREEN』『Audition』『SPA!』等の雑誌や、ネット媒体、劇場パンフレット等でお仕事中。

近況: 『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』『探偵マーロウ』『ドラキュラ/デメテル号最期の航海』他の劇場パンフレットに寄稿。「シネマスクエア」誌にて、正門良規さんに映画とその音楽について話を聞く連載を開始。

相馬 学 さんの映画短評

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  • リバウンド
    たった6人でバスケ公式戦を戦い抜く奇跡!
    ★★★★

     信じられないような実話は、それだけでドラマになる。本作は、最大限にそれを生かしたスポ根コメディ。

     たった6人でバスケの公式試合を戦い抜き、勝利することはそれだけで奇跡。誰かが大ケガを負って試合に出られなくなれば、もう後がない。そんな緊迫感を生かしながら笑いと涙の物語を展開させる妙。スポ根ドラマとしては目新しさがないが、それでも観ていてグッとくる。

     チームの主力選手を演じたイ・シニョンやチョン・ジヌンが不和や友情を体現しつつ熱演を披露。控えがいないのでフルに走り続けなければならない彼らの激しい息遣いが聞こえてきそうな、試合の生々しい描写も生きた。

  • 異人たち
    日本発、切なく悲しいUKノスタルジー行き
    ★★★★

     『異人たちとの夏』のUKリメイクだが、ご当地の80年代ノスタルジーを取り入れつつ、ゲイの男性の物語に落とし込む。これは巧い設定変更。

     孤独を抱えた主人公の今を切り取りつつ、ホモフォビアが渦巻くサッチャー政権下での、地方の男の子の生きづらさを見据える。彼もまた“異人”だったのだろう。

     ヘイ監督らしい寂寞とした映像美はもちろん健在だが、80年代のヒット曲もすべてが意味を持って鳴らされる、その配置の妙にも唸った。『リトル・ダンサー』のJ・ベルが父親役を演じるようになったことも、イギリス映画好きとしては感慨深いものがある。

  • あまろっく
    江口のりこの表情に、とにかく飲み込まれる!
    ★★★★

     誰もが被害者ヅラをせず、自分の人生を生きている。大阪を舞台にした人間ドラマには、そんな作品が多いが、本作もバイタリティにあふれている。

     基本的にはとある家族にスポットを当てた人情ドラマで、父の後妻が自分よりはるかに年下になる女性のドタバタ劇。笑いの要素には事欠かないし、グッとくる場面も多い。

     鶴瓶演じる父を扇の要に据え、その娘役の江口のりこと、後妻を演じる中条あやみが騒動による心の変化をドラマとして体現。笑顔と泣き顔で感情をスパークさせる後者は確かに魅力的だが、物語の磁場として作用する前者の不機嫌な顔の魅力は圧倒的に素晴らしい。

  • 陰陽師0
    キャラ重視で甦った平安ダークファンタジー
    ★★★★

     佐藤嗣麻子監督の名を映画の分野で久しぶりに聞いたと思ったら、じつに『アンフェア』シリーズ以来。すなわち9年ぶりとなるが、世界観の作り込みはさすが。

     安倍晴明と源博雅の若き日のストーリーは原作の前日談というよりは、滝田洋二郎監督による『陰陽師』シリーズ2作のそれ。キャラクターを重視しつつミステリーを転がす、魑魅魍魎の平安ファンタジーに引き込まれる。

     冷ややかな晴明と、素直過ぎてヌケている(?)博雅の、それぞれの後の成長をうかがわせるのも味。山崎賢人と染谷将太の組み合わせもよく、テンポよく楽しめる。

  • プリシラ
    ガーリーのその先へ
    ★★★★

     いきなり流れるラモーンズだけで時代を超越する『マリー・アントワネット』感。S・コッポラ作品でしばしば語られる“ガーリー”という空気の濃度も同作に近い。

     プレスリーとの恋で得たセレブライフにおける、ゴージャスな愛らしさはファッションやインテリアなどの生活のなかに顔を覗かせる。少女と女性の顔を行き来するC・スピーニーの好演は、この世界にフィットして、まさにハマリ役。

     『マリー・アントワネット』と異なるのは、セレブ生活ではなくラブストーリーに焦点を絞っていること。ときめきがピークに達し、その後は失望が少しずつ大きくなる。そんな感情に寄り添っている点がいい。

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