略歴: 脳梗塞で死にかけ、今は杖片手に早めの余生。一応映画文筆屋。Web中心に村松健太郎の名前で書いてます。どうぞごひいきに。
近況: お一人でも映画館に行こうという気持ちになっていただけるように精一杯やらせていただきます。
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レゲエの神様ボブ・マーリーの本格手なものとしては初めてとなる偉人伝映画。ボブ・マーリーの家族後任ということで音楽面や内幕の部分などかなり突っ込んだシーンもあって、流石は公式作品だなと言ったところでしょう。また、描く部分と描かない部分をはっきりと分けたことで107分というタイトなつくりになって、非常にしまった映画になりました。描く部分とそうでない部分はっきりと区別したことで、結果としてとても映画が伝えたいメッセージが際立った印象があります。
草彅剛という俳優と時代劇との相性の良さを感じる一本でした。これからもコンスタントに出演して欲しいところです。白石和彌監督としても初めての時代劇になるのですが、この監督はどのジャンルも巧くやってくれますね。囲碁という静かな存在をとても躍動的な映像にしているのは流石です。出演陣も白石組の常連から、新規組までも効果的でした。中にはあまり時代劇のイメージのない人もいましたが、見事に馴染んでいましたね。殺陣のシーンは演じ手の運動神経の良さが素直に反映されていました。復讐劇ではあるモノの淡々とした部分もあって逆に新鮮でした。
突然、娘が失踪した夫婦とそれに関わる人々の物語。もともとは『空白』からアイデアを派生させたものとのことですが、結果としては別物に仕上がりました。これまでどちらかというと役柄に乗っかてきた印象のあった石原さとみですが、今回は役柄に没入する感じで、とても新鮮であり、さらに彼女の実力を再認識するものでした。中村倫也演じるマスコミ側の視点が入っていて映画が多角的、立体的になった感があります。終盤にそれまでの感情のバランスをガラッと変えるシーンあります。それまで一方通行気味だった感情の天秤が逆転した巧い演出でした。
高麗屋にとっても非常に重要な映像タイトル。スペシャルドラマを経て待望の劇場版公開です。当代・松本幸四郎にとっても非常に重要かつプレッシャーのあるチャレンジだったと思いますが、まずは確実に一歩を踏んだと言えると思います。映像的な面白さということで言えば、なんと言っても当代・市川染五郎が若き日の鬼平を演じるというところでしょう。父親以上にプリンス感が強い彼ですが、べらんめえ口調になるとおやじ殿にそっくりでした。骨太時代劇映画というのはなかなか作るのも大変だと思いますが、続いて欲しいところです。
『余命10年』の時にも感じた藤井道人監督とラブストーリーの相性の良さ。今回の日台合作企画としてタイトル通りの青春恋愛劇を作って来たわけですが、これまた、見事に藤井監督の作風との相性の良さを感じさせる逸品でした。シュー・グァンハンと清原果耶という並びもまた良かったです。90年代の日本の漫画や映画ネタもあって見ていて心が沸き立ちました。展開としては読める部分もありましたが、それでも心に残る素敵な恋愛劇でした。色々なジャンルを手掛ける藤井道人監督ですが、ラブストーリーはコンスタントに作って欲しいと改めて感じる次第です。