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クレアのカメラ (2017):映画短評

クレアのカメラ (2017)

2018年7月14日公開 69分

クレアのカメラ
(C) 2017 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved.

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.5

森 直人

軽みと魔法度は満点。

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

イザベル・ユペールとキム・ミニがたまたま居合わせた、おととしのカンヌ映画祭の開催中に数日で撮影して、昨年の同映画祭で公式上映されたコスパ最高(笑)の一本。うーん、人を喰った話だ。そしてポラロイドカメラひとつで不思議に転がす内容も「人を喰った話」。69分の小品だが、ホン・サンスの日常から映画を立ち上げてしまう凄さは、今回の新作群の中でこれが一番よく判るかも。

「人生の失敗の95%は酒が原因だ」とのたまうダメな映画監督を尻目に、南仏の潮風が爽やかに吹き抜ける本作は『アバンチュールはパリで』『3人のアンヌ』と続いたサンス流「なんちゃって仏映画」かつ「脱エリック・ロメール」の完成形でもあるだろう。

この短評にはネタバレを含んでいます
なかざわひでゆき

他愛のない物語に人間の機微を映し出す寓話的作品

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 ある意味、ホン・サンス監督にとって『それから』の姉妹編的な作品。女癖の悪い大物映画監督と火遊びをしてしまったことから、カンヌ映画祭の最中に配給会社をクビになってしまうヒロイン。というのも、上司である女社長が監督の愛人だったからだ。で、異国の地で放り出され途方に暮れる彼女が、カンヌを観光で訪れたフランス人女性との不思議な出会いによって人生や仕事、自分自身を見つめ直す。
 実際に映画祭への参加のためカンヌに滞在していた監督とキャストが、開催中の数日間で即興的に撮りあげたという70分弱の中編。他愛のない物語に人間の機微を映し出す、ユーモラスで寓話的な作品だ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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