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蝶の眠り (2017):映画短評

蝶の眠り (2017)

2018年5月12日公開 112分

蝶の眠り
(C) 2017 SIGLO, KING RECORDS, ZOA FILMS
なかざわひでゆき

韓国人監督の日本文化への愛情を感じる珠玉のラブストーリー

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 遺伝性アルツハイマーを発症した50代の人気女流作家と、留学生の韓国人文学青年との儚い恋の行く末を軸にしつつ、徐々に記憶を失っていくヒロインの終活に焦点を当てたラブストーリーである。
 年の離れた美男美女による切ないロマンス、随所に織り込まれる日本文学の香り、スタイリッシュで端正なビジュアル。いろいろな意味で美し過ぎるゆえ、登場人物の苦悩や葛藤がいまひとつ伝わりづらいことは否めないだろう。
 一方で、中山美穂の起用の理由となった岩井俊二作品など、チョン・ジェウン監督の視点を介して現代の韓国人が受けた日本文化の影響が垣間見える点は興味深い。根津まなみのエンディング・テーマ曲も実に味わい深い。

この短評にはネタバレを含んでいます
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