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レディ・ガイ (2016):映画短評

レディ・ガイ (2016)

2018年1月6日公開 96分

レディ・ガイ
(C) 2016 SBS FILMS All Rights Reserved

ライター4人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.3

清水 節

のちのち語り草になるであろう劇画調リベンジアクションの珍作

清水 節 評価: ★★★★★ ★★★★★

 珍作だが、のちのち語り草になるかもしれない。殺し屋フランクが裏切られ襲撃されて気を失い、目覚めれば女性へ性転換手術されており、復讐に燃える…。フランクは最初から髭を付けたミシェル・ロドリゲスにしか見えないのだが、陰部をしっかり映して術前/術後を強調する。名匠ウォルター・ヒルの演出はリアルとアンリアルの狭間をうろつき、挿入される劇画調の映像処理は「まあ、マンガですから」というエクスキューズにも取れる。手術を施した狂気の外科医シガニー・ウィーバーへの尋問による回想がどこまで真実なのか、最後まで謎を残しモヤモヤは晴れない。トランスジェンダーの俳優を起用していれば全く違うテイストになっていたはずだ。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

ミシェル・ロドリゲスが“ひとり『君の名は。』”

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

『ジョニー・ハンサム』の変化球にも見える、ウォルター・ヒル監督4年ぶりの新作に、『アバター』以来の新旧肝っ玉女優の競演。グラフィックノベルな構成に、極めつけはジョルジオ・モロダーによるテーマ曲と、大好物だけが盛られたお子様ランチ状態! 一人二役で『君の名は。』(もしくは『転校生』)をやってくれるミシェル・ロドリゲスは、どこか微笑ましく、いつもより“ちょっと”可愛い。決して派手さはないが、しっかり爪痕を残す一本になっているが、ここまで荒唐無稽な設定のB級映画なのだから、ここまでこねくり回す脚本にする必要はあったか?という疑問は残る。いろいろとカブる『アトミック・ブロンド』と観比べるのも一興だ。

この短評にはネタバレを含んでいます
なかざわひでゆき

言うなればウォルター・ヒル流パルプフィクション

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 イカレた女外科医の恨みを買ってしまった凄腕の殺し屋が、誘拐されて目覚めたら性転換手術で女になっていた…という、なんとも人を食ったお話。体は女でも心は男のまま。俺にこんなことした奴は許せん!ということで、主人公は壮絶なリベンジに乗り出す。
 一部ではトランスジェンダーをバカにしているなどの批判もあるようだが、しかし本作における性転換はあくまでギミック。真面目に受け取ってはいけない。言うなれば、ウォルター・ヒル流のパルプフィクションだ。
 男女双方に扮してフルヌードまで披露するミシェル・ロドリゲスの女優根性は大したもの。グラフィックノベル的な演出も洒落ている。ただ、復讐のカタルシスが物足りない。

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

男っぽい個性の女優たちに仮託されたユニークな漢気

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 性を変えられた殺し屋の奔走と、秘密を持つ女性整形外科医への尋問。そんなふたつのエピソードが交錯する内容だが、話を引っ張るのはそれぞれの核である2大女優だ。

 前者の主役であるM・ロドリゲスが、男性時・女性時それぞれでヌードも辞さない熱演を披露すれば、後者のS・ウィーバーはハンニバル・レクターのように、すべてを見透かしたようなキャラで貫録を見せつける。両者の絡みはほとんどないが、かたや陽、かたや陰の個性が生きる。

 男気映画の鬼才W・ヒルが男勝り的な個性を持つ2大女優を使って、ハードボイルドを撮っている点も興味深く、アクションの派手さは控えめながら見入ってしまった。

この短評にはネタバレを含んでいます
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