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「鋼の錬金術師」来年3月に初の舞台化 エド役は一色洋平&廣野凌大

舞台『鋼の錬金術師』主要キャスト陣
舞台『鋼の錬金術師』主要キャスト陣

 全世界シリーズ累計部数8,000万部を突破した荒川弘の人気漫画「鋼の錬金術師」が初めて舞台化され、2023年3月に大阪と東京で上演されることが24日、時事通信ホールで行われた製作発表会で明らかになった。主人公エドワード・エルリックは、一色洋平廣野凌大がWキャストで演じる。

【画像】舞台『鋼の錬金術師』メイン&キャラクタービジュアル

 「ハガレン」の愛称で知られる本作は、2001年から2010年まで月刊「少年ガンガン」(スクウェア・エニックス刊)で連載された大ヒットコミック。“等価交換”をベースに物質の構造や形を物に作り変える「錬金術」が存在する世界で、あるタブーに触れたことで肉体を奪われた、エドワード&アルフォンス・エルリック兄弟の旅を描く。

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 これまでテレビアニメ、アニメ映画、ゲーム、ラジオ、実写映画と数々のメディアミックスを繰り広げてきた同作だが、今回満を持して舞台化が決定。この日は主要キャストとして、一色と廣野に加えて、眞嶋秀斗(アルフォンス・エルリック役)、岡部麟(ウィンリィ・ロックベル役)、蒼木陣和田琢磨(ロイ・マスタング役、Wキャスト)、桜田航成(アルフォンス・エルリックのスーツアクター)7名が発表された。

舞台『鋼の錬金術師』メインビジュアル - (C)荒川弘/ SQUARE ENIX ・舞台「鋼の錬金術師」製作委員会

 演出を務めるのは、これまで数々のミュージカルや舞台を手がけてきた演出家・石丸さち子。「企画のオファーを受けた時は、2.5次元の作品を演出したことがなかったので、自分が適任かどうかわからなかった」と語る石丸だが、原作コミック、そしてアニメ作品を一気見して、「わたしが適任だと思いました」と自負。「少年たちの心の旅があまりにも独創的に描かれていながら、ものすごく自然で。何にも寄ることなく、誰かが作ったルールの中で大人になることを覚えるのではなく、教科書もなく、誰かに教わるでもなく、常識にとらわれることなく、11歳という年齢で人体錬成をするという禁忌を犯してしまった兄弟が、罪を背負いながら自分を見つけていく旅、命の意味を見いだしていく旅。それが重くのしかかることもあれば、ものすごく軽やかで若々しくて。読んでいる間に、観ている間に冒険を共にしているような感覚になって、わたしの方から一緒に作らせてくださいとお願いしました」とその経緯を説明した。
 
 さらに「荒川先生が長い時間をかけて作りあげた労作に失礼のないように、とにかくこの作品を愛することがすべてだと思っております。真っ向からこの作品に立ち向かって、演劇を愛する方にも、原作を長らく愛する方にも、集まった俳優を愛する方にも、皆さんに来てよかったなと一生の記憶に残るような作品に、エドとアルの旅路を楽しんでいただけるような作品になれば」と意気込んだ。

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 主人公・エド役に抜てきされた一色は「決まったという報告をいただいた時は、人生で初めて最寄り駅からノンストップでダッシュしてしまったくらい心の底からあふれ出てくるものがあって。それは初めての経験で、忘れられない街の光景でした」と述懐。オーディションに集まった役者たちの思いも熱いものがあったといい、「あそこにいたみんなの思いを背負ってやっていきたい」と自信をのぞかせる。

 それを聞いた廣野も「僕もハガレンの書類選考の時点から、役者人生で一番考えたオーディション。原作を全巻読んで、役をつくって頑張っていこうと気合を入れていったんですが、オーディション会場はみんなの思い、目にほとばしるような情熱が溢(あふ)れていました」と力強く語るなど、各々が主要キャストに選ばれた喜びと熱い思い、そしてプレッシャーについて次々と明かした。

 エド役に一色&廣野を起用した決め手について、石丸は「表現する者のエネルギーって、愛と怒りだといつも思っているんです」と説明。「廣野くんと会った時にものすごく怒りを感じた。そして一色くんは一番愛を表現するのに迷いがなかった。怒りを表現できる人はものすごく愛を持っている。そして愛を持っている人は、必ず怒りも持っている。その二人を錬成すれば、エドワード・エルリックができあがると思ったということです」と続けると、「対照的だけど、とにかくその振幅が激しい人、人間力がある人を選びたかった。(一色&廣野は)そういう二人です」と表現した。

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エド役一色&廣野が生歌唱

 舞台は、生バンドを入れた音楽シーンの演出が見どころの一つだという。「このお話をいただいた時が約2年前で、すでにコロナ禍で苦しんでいました」と切り出した石丸は、「(公演時は)この二次元にあるものが立ち上がってくるときに聞こえてくるもの、五感で感じられるものすべてをライブでお届けできるようになって、その喜びを享受できる時期になっているだろうと思ったんです。まだまだ時期はそれほど変わっていないですけれども、それでも生で届けられるもの、俳優の肉体や、演奏される音楽がダイレクトにお客さまの鼓膜に伝わることは、ものすごくすてきなことじゃないかなと思い、生バンドで入れるという構想がありました」とその意図を明かした。

 その後、一色と廣野が主題歌を生披露。「この話をした後は感動しますね。走りだすという感じで」と廣野が語ると、「そうだね」と続けた一色。その勢いのままに、パワフルな歌声で会場を包み込んだ。

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 「このようにして偶然集まった人たちが、ひとつひとつ生み出していって、それをいずれお客さまにお届けできるということ。わたしたちの愛することがこんなにすてきな形で始められるんだなと思うとワクワクして」と喜びを爆発させた石丸。「もちろんワクワクの裏側には恐怖もありますが、それをバネにして、素晴らしい舞台をつくりあげたいなと思っております。どうかご期待ください」と期待をあおった。(取材・文:壬生智裕)

舞台『鋼の錬金術師』は2023年3月8日~3月12日まで大阪・新歌舞伎座、3月17日~26日まで東京・日本青年館ホールで上演予定

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