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『るろうに剣心』から4年 佐藤健と大友啓史監督の信頼関係

映画『億男』メイキングより(左:大友啓史監督、右:佐藤健)
映画『億男』メイキングより(左:大友啓史監督、右:佐藤健) - (C) 2018映画「億男」製作委員会

 10月19日公開の映画『億男』で、人気シリーズ第3作『るろうに剣心 伝説の最期編』以来約4年ぶりに佐藤健とタッグを組んだ大友啓史監督。同シリーズの成功により一躍スターとなった佐藤だが、大友監督にとって彼はどんな存在なのか、話を聞いた。

【写真】佐藤健&高橋一生初共演『億男』予告編

 ヒロイン・鈴愛(永野芽郁)の幼なじみ・律を演じた朝ドラ「半分、青い。」が9月29日に最終回を迎え、“律ロス”が叫ばれるなか、新作映画『億男』が間もなく公開される佐藤。朝ドラでは知的で繊細、容姿端麗な律の高校生からアラフォーまでを演じたが、本作では借金の返済に追われ、妻子にも見捨てられた、うだつのあがらない図書館司書・一男に。宝くじで当てた3億円を学生時代の親友・九十九(つくも/高橋一生)に持ち逃げされ、彼の行方を追うとともに人生と向き合うことになる。

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 大友監督いわく一男は「受け身で巻き込まれ型」。「ちょっと尻を叩きたくなるぐらい、主体的ではない人物というか。ただ、お金に囚われたことでパッとしない人生になってしまうというのは誰にも起こりうる話だし、一男に共感できないにしても、一男が置かれた状況に巻き込まれていく感覚は共有できるのではないかと思った。だから、ジェットコースター的展開のストーリーを作ることで、お客さんに“もしも自分が一男のような状況に追い込まれたら”と追体験してもらえたらと」

億男
映画の要となるモロッコの砂漠のシーン

 劇中、大学時代に落語研究会の仲間だった一男と九十九がモロッコを旅し、砂漠のど真ん中で九十九が一男の前で落語「芝浜」を披露するシーンは、本作の核心となる重要な場面。今年1月にモロッコロケを敢行しているが、撮影途中に佐藤の感情が昂って号泣したこともあったという。「撮影といっても旅ですからね。空港を出たら言葉も違うし文化も違うし、天気も街の色合いも香りも違うわけだから。俳優もスタッフも、日本にいる日常とはテンションが変わっていきます。それにモロッコの砂漠に行く機会なんて、人生でそうそうないから。朝陽を浴びて、刻々と変わる砂漠の表情を見ているだけで感動するんですよね」

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 本作での佐藤に「24歳だったのが29歳になって、一層たくましくなった」と『るろうに剣心』からの変化を口にする大友監督。「もともと健くんは年齢の割に落ち着いていますよね。彼の中で特に劇的な変化があったわけではないと思うけど、30を前にしてこういう方向に進みたいとか、こういうことをやりたいとか思っていることはあるんだなあっていうことは何となくわかる」

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撮影中の一コマ(佐藤健、高橋一生、大友監督)

 大友監督と佐藤の付き合いは、2010年放送の大河ドラマ「龍馬伝」から。佐藤は、“人斬り以蔵”の異名をとる幕末の志士、岡田以蔵を演じていた。2012年公開の映画『るろうに剣心』は30.1億円、第2作『るろうに剣心 京都大火編』は52.2億円、第3作『るろうに剣心 伝説の最期編』は43.5億円のヒットを記録。『るろうに剣心』(2012)ののち、佐藤は7本の映画で主演(※ダブル主演も含む)。大友監督自身も「『るろうに剣心』は、間違いなく健くんをスターにするつもりで作った」と明言し、佐藤との関係を以下のように振り返った(データは日本映画製作者連盟調べ)。

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 「『るろうに剣心』は勝負をかけた作品。あの映画を作るために僕はNHKを辞めたわけだから。健くんも覚悟を決めて体を張ってくれた。だから彼は歳の差はあれど、ある種、いろんなことを戦ってきたパートナーでもある。僕にとってとても大切な、特別な感情をもって接している人。関わっていない仕事もできるだけ見るようにしています。今後も節目節目でいい仕事をしていけたらと。男は30を過ぎるとまた大きく変わっていきますから、その成長をしっかり見届けたいですね」

「彼が40歳、50歳になっても一緒に映画を創れるよう、自分もしぶとく(笑)頑張りたいですね……」と目を細める大友監督。固いきずなで結ばれた2人の次なる一作にも期待したい。(取材・文:編集部 石井百合子)

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