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20年ぶりとなる日本人監督作『僕はイエス様が嫌い』が受賞!サンセバスチャン映画祭

快挙!ニュー・ディレクターズ賞を受賞した奥山大史監督
快挙!ニュー・ディレクターズ賞を受賞した奥山大史監督 - Photo:Jorge Fuembuena(C)San Sebastian International Film Festival

 スペインで開催されていた第66回サンセバスチャン国際映画祭の受賞結果が現地時間29日夜に発表され、奥山大史監督『僕はイエス様が嫌い』がニュー・ディレクターズ賞を受賞した。日本人監督の同賞受賞は、1998年に行われた第46回の高橋陽一郎監督『水の中の八月 Fishes in August』以来20年ぶり、2人目の快挙となる。

 同作は奥山監督が大学卒業制作として挑んだ長編初監督作で、自身の体験を基に、ミッション系の学校に通うことになった少年・ユラの戸惑いや、かけがえのない友情などを描いた成長物語。カトリックの国であるスペインで宗教観を問う挑戦的な内容ながら観客の共感を呼び、さらにユラにしか見えない小さなイエス様が現れるというユーモラスな表現方法がウケ、公式上映では拍手が鳴り止まないほどの盛況ぶりだった。

奥山大史監督
本作の制作の経緯を語る奥山大史監督 - Photo:Alex Abril(C)San Sebastian International Film Festival

 授賞式で記念の盾を受け取った奥山監督は「日本でも海外でも無名な僕に、こんな有名な賞を下さってありがとうございます」と緊張の面持ちであいさつ。さらに「今回評価していただいた映画は、若くして亡くなった僕の友達に向けて作った映画です。その友達とご家族に感謝します」と語ると、会場から温かい拍手が送られた。

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奥山大史監督と吉野匡志プロデューサー
奥山大史監督(右)と吉野匡志プロデューサー - Photo:Montse Castillo(C)San Sebastian International Film Festival

 同賞は長編監督作1~2作目が対象で、過去には、『パリ20区、僕たちのクラス』(2008)でカンヌ国際映画祭パルム・ドールを獲得したローラン・カンテ監督が、第47回に『ヒューマンソリース』(1999)で同賞を受賞している。

 なお、『僕はイエス様が嫌い』は第19回東京フィルメックスで特別招待作品として日本初上映されることが決まっているが、今回の受賞は、今後の劇場公開に向けて大きな弾みとなりそうだ。

受賞者たち
登壇した受賞者たち - Photo:Montse Castillo(C)San Sebastian International Film Festival

 コンペティション部門に選出されていた河瀬直美監督『Vision ビジョン』は受賞を逃した。(取材・文:中山治美)

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主な受賞結果は以下の通り。

■ゴールデン・シェル賞(最優秀作品賞)
イサキ・ラクエスタ監督『ビトウィーン・トゥ・ウォーターズ(英題) /Betweem Two Waters』(スペイン)

■特別審査員賞
ブリランテ・メンドーサ監督『アルファ、ザ・ライト・トゥ・キル(英題) /Alpha, The Right To Kill』(フィリピン)

■シルバー・シェル賞(最優秀監督賞)
ベンジャミン・ナイシャット監督『ロホ(原題) / Rojo』
(アルゼンチン・ベルギー・ブラジル・ドイツ・フランス・スイス)

■シルバー・シェル賞(最優秀女優賞)
ピア・シェルタ 
ツヴァ・ノヴォトニー監督『ブラインド・スポット(英題) / Blind Spot』(ノルウェー)

■シルバー・シェル賞(最優秀男優賞)
ダリオ・グランディネッティ
『ロホ(原題) / Rojo』

■審査員賞(最優秀撮影賞)
ペドロ・ソテロ
『ロホ(原題) / Rojo』

■審査員賞(最優秀脚本賞)
ポール・ラヴァーティ
イシアル・ボジャイン監督『ユリ(原題) / Yuli』(スペイン・キューバ・イギリス・ドイツ)

■国際映画批評家連盟賞
クレール・ドニ監督『ハイ・ライフ(原題) / High Life』(フランス・ドイツ・イギリス・ポーランド・アメリカ)

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