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国宝級美女と称されるブリジット・リンがイタリア映画祭で生涯功労賞に

ゴールデン・マルベリー賞を受賞したブリジット・リン(左)と映画プロデューサーのナンサン・シー
ゴールデン・マルベリー賞を受賞したブリジット・リン(左)と映画プロデューサーのナンサン・シー

 北イタリアで開催された第20回ウディネ・ファーイースト映画祭でこのほど、映画『恋する惑星』(1994)などで知られる台湾女優ブリジット・リンに生涯功労賞にあたるゴールデン・マルベリー賞が授与された。記念のトロフィーのプレゼンターをツイ・ハーク監督の元夫人であり旧友の映画プロデューサーのナンサン・シーが務め、さらに愛娘のオイラム・インが真っ赤なバラを持ってサプライズ登場するなど、ブリジットは何度も胸を詰まらせていた。

 ブリジットは台湾映画『アウトサイド・ザ・ウィンドウ(英題) / Outside the Window』(1973・日本未公開)でデビュー。その美貌から“国宝級美女”と称され、文芸作品に多数出演。1980年代には香港に拠点を移し、ツイ・ハーク監督『蜀山奇傅・天空の剣』(1984)やジャッキー・チェン監督・主演『ポリス・ストーリー/香港国際警察』(1985)などの大作に多数出演し、香港アクション映画の黄金時代の一翼を担った。

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ブリジット・リン(左)と愛娘のオイラム・イン

 そして香港映画の新しい風をワールドワイドに知らしめたウォン・カーウァイ監督の『楽園の瑕(きず)』(1994)での男装の剣士役や『恋する惑星』の金髪ドラッグ・ディーラー役で強烈な印象を残した。今回の受賞は、中国圏の映画界のアイコンとして長年の功績を讃えたものだ。

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 壇上でブリジットはツイ・ハーク監督やウォン・カーウァイ監督らこれまで仕事をしてきた監督たちや支えてくれたスタッフらに感謝を述べながら「わたしたち世代の映画人は、中国・台湾・香港という美しい場所で自由に仕事が出来るようになったことを幸運に思います」と自身の足跡と時代の変化を噛み締めながら喜びを語った。

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(左から)映画祭プレジデントのサブリナ・バラチェッティ、ブリジット・リン、オイラム・イン、ナンサン・シー

 ブリジットは1994年に結婚してからは一時引退状態にあったが、2011年には初エッセイ本を出版し、さらに中国のバラエティー番組に出演するなど活発な活動を見せている。そして今年3月に開催された第42回香港国際映画祭に続いて、本映画祭でも特集上映が組まれ、改めて女優としての評価が高まっている。

 翌日行われたトークイベントでも映画製作の魅力を問われると「終わりのないディナーのようなもの」と答えており、スクリーンで円熟味を増した姿を再び見せてくれる日もそう遠くはなさそうだ。(取材・文:中山治美)

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