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Netflix初の映画がベネチア映画祭コンペ部門で上映!「映画鑑賞の民主的な時が来ている」

第72回ベネチア国際映画祭

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キャリー・フクナガ監督とエイブラハム・アッター - 第72回ベネチア国際映画祭フォトコールにて
キャリー・フクナガ監督とエイブラハム・アッター - 第72回ベネチア国際映画祭フォトコールにて - (c) la Biennale di Venezia - Foto ASAC

 現地時間3日、第72回ベネチア国際映画祭でコンペティション部門に出品されているNetflix初のオリジナル作品『ビースト・オブ・ノー・ネーション』のワールドプレミアが行われた。同作は10月16日に少数のアメリカの劇場で上映されるのと同時にVOD(ビデオ・オン・デマンド)で鑑賞可能に。現在の映画のシステムを壊す可能性のある作品が、アートハウス系の作品を上映することで知られる歴史あるベネチア映画祭のコンペ部門に選ばれたとあって大きな話題となっていた。

【写真】仲良しなフクナガ監督とエイブラハム

 ナイジェリア人作家による同名小説を基にした『ビースト・オブ・ノー・ネーション』は、アフリカのとある国を舞台に、内戦によって母と引き離され父を殺された少年アグーが、残虐な指揮官に捕えられ、生きるために少年兵になっていくさまを描いたドラマ。大学で政治学を学び、この題材について徹底的なリサーチをしてきたという『闇の列車、光の旅』のキャリー・フクナガ監督がメガホンを取り、アグーには新人のエイブラハム・アッター、圧倒的なカリスマ性で少年たちを支配する指揮官には『マンデラ 自由への長い道』のイドリス・エルバがふんしている。

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『ビースト・オブ・ノー・ネーション』
少年アグー役のエイブラハム・アッターと彼を支配する指揮官役のイドリス・エルバ - 『ビースト・オブ・ノー・ネーション』より

 撮影はガーナで行われ、現地の子供たちがキャスティングされた。残虐なシーンも多いが「あれが恐ろしく見えるのは編集でなんです」というフクナガ監督の言葉通り、子供たちのトラウマにならないようにそういうシーンこそ撮影時は楽しくし、実際にどんなことが起きているのかわからないようにしたという。フクナガ監督が600人の中から見いだしたエイブラハムは劇中、迫真の演技を見せているが、怖かったのは初めてイドリスと共演したシーンだけだと明かし、「彼は大きかったです。自分がアリになったように感じました」と人懐っこい笑顔を見せて会場を沸かせた。

 Netflixが同作の権利を獲得したのは、撮影が終わり、編集をしていたときのことで、クリエイティブ面での影響は特に受けていないと語るフクナガ監督。「近年、映画を公開するのがとても困難です。大作以外の映画を上映する映画館を見つけることがすでにとても困難なんです。今、映画鑑賞の民主的な時が来ています。上映に訪れるという単純な行為で、興行会社や配給会社にわれわれは大作だけでなく、こうした種類の映画も観たいと言うことができるんです」と慎重に言葉を続けていた。(編集部・市川遥)

第72回ベネチア国際映画祭は現地時間12日まで開催

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