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カリフォルニア州の同性婚合法化をめぐる裁判を描いたオスカー候補のドキュメンタリー映画とは?

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(左から)デヴィッド・ボイスとテッド・オルソン
(左から)デヴィッド・ボイスとテッド・オルソン

 カリフォルニア州の同性婚合法化をめぐる裁判を描いた新作『ザ・ケース・アゲンスト 8(原題) / The Case Against 8』について、同裁判で弁護士を務めたテッド・オルソンとデヴィッド・ボイスが語った。

 同作は、2008年11月に結婚を男女間に限定する州憲法修正案「提案8号」が可決され、一度は合法化された同性婚が再び禁止されたが、その「提案8号」が人権侵害であると、かつてブッシュとゴアの大統領選で敵同士だった弁護士テッド・オルソンとデヴィッド・ボイスがタッグを組み、2組(ジェフとポール、サンディとクリス)の同性カップルと共に歴史的裁判を闘う過程をつづったもの。若手監督ベン・コトナー、ライアン・ホワイトがメガホンを取った。

 この訴訟に関わる前の準備について「この訴訟は市民権を扱った重要なもので、僕ら弁護士チームも(同性婚に限らず)さまざまな市民権を扱った訴訟を事前に読んだ。さらに、この訴訟は世界的に重要な意味をもたらすと把握し、勝敗の行方はわからなかったが、撮影して記録に残しておくべきと考えて、最初にライアン監督の自宅で会合した瞬間から撮影をした。ベン&ライアン監督は僕らの訴訟を邪魔することなく撮影し、同性愛者だけでなく、世界の人のために今作を製作してくれた」とテッドが感謝した。

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 同訴訟の重要点は「最も重要だったのは原告4人の証言で、彼らには事前にその証言のリハーサルを繰り返させ、それらは同性愛者への差別の犠牲者であることがどのようなものか、同性愛者でいることが現状ではどのようなものなのか、結婚さえできない環境での隣人との付き合いがどのようなものなのかなどを伝え、この訴訟がどんな意味合いを持つものか事前に彼らに告げた。そしてその証言が行われた初公判から世界中の人々が注目した」とテッドが明かした。

 この裁判では同性婚に焦点が置かれ、他の市民権を扱った裁判と違って本題から外れなかったのは「僕らと敵対した『提案8号』側の弁護士チャールズ・J・クーパーは、僕らとは違った裁判アプローチをして情熱的に応答したが、あくまで法律、事実に焦点を置き、(原告に対して)ばかげた中傷的なことを言わずに進めてくれたことは、裁判長ヴォーン・ウォーカーの裁判の進行を含め、すごく良かった」とデヴィッドが語った。

 映画は、原告の1人が語る「二流市民として扱われながら生きることは、真の自分を生きていない」という言葉が胸を打つ作品だ。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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