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宮沢りえ『紙の月』が2冠!グランプリは米・仏『神様なんかくそくらえ』に

第27回東京国際映画祭

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観客賞と最優秀女優賞を受賞した『紙の月』の吉田大八監督&宮沢りえ
観客賞と最優秀女優賞を受賞した『紙の月』の吉田大八監督&宮沢りえ

 31日、第27回東京国際映画祭クロージングセレモニーがTOHOシネマズ六本木ヒルズにて行われ、宮沢りえ主演の映画『紙の月』が最優秀女優賞と観客賞の2冠に輝いた。最高賞となる東京グランプリには、アメリカ・フランス合作『神様なんかくそくらえ』が選ばれた。

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 邦画で唯一コンペティション部門に出品されていた『紙の月』は、直木賞作家・角田光代の同名小説を原作に、銀行勤めの平凡な主婦が引き起こした大金横領事件のてん末を描いたヒューマンサスペンス。『桐島、部活やめるってよ』で知られる吉田大八監督がメガホンを取り、宮沢のほか池松壮亮大島優子(元AKB48)、田辺誠一らが出演する。

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 最優秀女優賞受賞に時折うれしそうな笑顔を見せつつも、緊張した面持ちで登壇した宮沢は「震えています」と言葉を詰まらせながら、「おみくじで大吉を引いたときにやった! と思う気持ちの中でも自分を引き締めなきゃと思う気持ちに似ています」と感無量の表情。「監督の粘り強く愛のこもった演出によって役を乗り越えられたと思います。(賞を)半分にできるなら半分は監督に最優秀演出賞としてあげたい」と監督へ感謝の言葉を述べた。

東京国際映画祭
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 東京グランプリと最優秀監督賞に輝いた『神様なんかくそくらえ』は、ニューヨーク出身のサフディ兄弟監督による初の長編映画で、主演女優のアリエル・ホームズの体験談を基に、ジャンキーとして生きていく若者たちを徹底したリアリズムで描いたドラマ。『アンチヴァイラル』や『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』のバンシー役で知られる若手俳優ケイレブ・ランドリー・ジョーンズが驚くべき変貌を見せている。

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 グランプリが発表され、最優秀監督賞に続くこの日二度目のスピーチを行った兄のジョシュア・サフディ監督は「二つも受賞して大変うれしく思います。先ほどちょっと極端主義の話をしましたが、こんなに極端なことが起きるとは夢にも思いませんでした」と受賞に驚いた様子。その一方で、本映画祭への出品が決まったときは「なぜか日本人にウケるんではないかという気がした」といい、「東京の街に感謝します」と笑顔を見せていた。(編集部・中山雄一朗)

受賞結果は以下の通り。

■東京グランプリ
『神様なんかくそくらえ』(アメリカ、フランス)

■審査員特別賞
『ザ・レッスン/授業の代償』(ブルガリア、ギリシャ)

■最優秀監督賞
ジョシュア・サフディ、ベニー・サフディ『神様なんかくそくらえ』(アメリカ、フランス)

■最優秀女優賞
宮沢りえ『紙の月』(日本)

■最優秀男優賞
ロベルト・ヴィエンツケヴィチ『マイティ・エンジェル』(ポーランド

■最優秀芸術貢献賞
『草原の実験』(ロシア)

■観客賞
『紙の月』(日本)

■WOWOW賞
『草原の実験』(ロシア)

■アジアの未来 作品賞
『ゼロ地帯の子どもたち』(イラン)

■国際交流基金アジアセンター特別賞
『遺されたフィルム』(カンボジア)

■日本映画スプラッシュ 作品賞
百円の恋』(日本)

■日本映画スプラッシュ スペシャルメンション
滝を見にいく』(日本)

■サムライ“SAMURAI”賞
北野武ティム・バートン

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