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アカデミー賞主演男優賞は誰が受賞しても初オスカー!

第96回アカデミー賞

 脇役でも存在感を発揮しながら、着実にキャリアを重ねてきた実力派たちが顔をそろえた主演男優賞。前哨戦の結果を踏まえると、『オッペンハイマー』で原爆の父を演じたキリアン・マーフィと、『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』で味わい深いベテラン教師を演じたポール・ジアマッティがツートップだ。『マエストロ:その音楽と愛と』でレナード・バーンスタインを生き生きと演じたブラッドリー・クーパーの追い上げも気になるところ。初ノミネートとなったのはマーフィと、ここにきてぐっと存在感を増している『アメリカン・フィクション』のジェフリー・ライト、『ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男』のコールマン・ドミンゴの3人。誰が受賞しても、初のオスカー受賞となる。(文・今祥枝)

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ブラッドリー・クーパー 『マエストロ:その音楽と愛と』

ブラッドリー・クーパー
Netflix映画『マエストロ:その音楽と愛と』独占配信中

 『ハングオーバー!』シリーズのコミカルな演技で人気を得た。『世界にひとつのプレイブック』でアカデミー賞主演男優賞に初ノミネートされて以降は、『アメリカン・ハッスル』で助演男優賞、『アメリカン・スナイパー』で再び主演男優賞と立て続けに同賞候補に。さらに『アリー/スター誕生』では映画監督デビューを果たし、アカデミー賞作品賞、主演男優賞、脚色賞など8部門にノミネートされるという快挙を成し遂げた。レナード・バーンスタインを自ら演じた長編監督第2作『マエストロ:その音楽と愛と』でも作品賞、主演男優賞、脚本賞など7部門にノミネートされ、オスカー常連の風格も。誰もが認める熱演で受賞となるか。

ブラッドリー・クーパー
1975年1月5日生まれ
アメリカ・ペンシルヴェニア州出身
主な出演作
ナイトメア・アリー』(2021)
『アリー/スター誕生』(2018)
『アメリカン・ハッスル』(2013)
『世界にひとつのプレイブック』(2012)

コールマン・ドミンゴ 『ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男』

コールマン・ドミンゴ
Netflix映画『ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男』独占配信中

 舞台で頭角を現し、1990年代後半から映画やテレビに進出。オフブロードウェイで上演された一人芝居などで高く評価された。以後は『グローリー/明日への行進』や『ビール・ストリートの恋人たち』などの話題作や、人気テレビシリーズ「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」でもおなじみ。2023年は『カラーパープル』の暴力的な夫役でも強烈な印象を残したが、『ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男』で演じた同性愛者の公民権活動家バイヤード・ラスティン役のインパクトは忘れがたく、アカデミー賞初ノミネートの快挙となった。

コールマン・ドミンゴ
1969年11月28日生まれ
アメリカ・ペンシルヴェニア州出身
主な出演作
『カラーパープル』(2023)
キャンディマン』(2021)
マ・レイニーのブラックボトム』(2020)
『ビール・ストリートの恋人たち』(2018)

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ポール・ジアマッティ 『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』

ポール・ジアマッティ
Seacia Pavao / (C) 2023 FOCUS FEATURES LLC.

 舞台で確固たるキャリアを築き、親しみのあるキャラクターで脇でも主役でも愛されてきた。アレクサンダー・ペイン監督の『サイドウェイ』の演技が絶賛されたが、アカデミー賞ノミネートを逃したことで批判が巻き起こった。同じくペイン監督の『ホールドオーバーズ』では、ひねくれ者だが心やさしく、知的であったかい教師役で独特のユーモアと味わい深さを表現して真骨頂を発揮。『シンデレラマン』の助演男優賞ノミネートに続き、オスカーでは2度目の候補にして、キリアン・マーフィの強力な対抗馬として受賞をねらう。

ポール・ジアマッティ
1967年6月6日生まれ
アメリカ・コネチカット州出身
主な出演作
ジャングル・クルーズ』(2020)
それでも夜は明ける』(2013)
『シンデレラマン』(2005)
『サイドウェイ』(2004)

キリアン・マーフィ 『オッペンハイマー』

キリアン・マーフィ
(C) Universal Pictures. All Rights Reserved.

 舞台でキャリアを積み、ダニー・ボイル監督の『28日後…』で注目され、以後着実にキャリアを積んできた。クリストファー・ノーラン監督作品でもおなじみで、『バットマン ビギンズ』でスケアクロウを好演し、続編2本でも同役で不気味な存在感を発揮、強い印象を残した。ノーラン作品では『インセプション』『ダンケルク』にも脇役で出演しているが、タイトルロールを演じた『オッペンハイマー』では、原爆の父と呼ばれる科学者の複雑な人物像を鬼気迫る役作りで体現。嬉しい初ノミネートにして、受賞に王手をかける。

キリアン・マーフィ
1976年5月25日生まれ
アイルランド・コーク出身
主な出演作
クワイエット・プレイス 破られた沈黙』(2020)
『ダンケルク』(2017)
トランセンデンス』(2014)
ダークナイト ライジング』(2012)

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ジェフリー・ライト 『アメリカン・フィクション』

ジェフリー・ライト
Orion / Photofest / ゲッティ イメージズ

 1994年に舞台「エンジェルス・イン・アメリカ」の演技でトニー賞助演男優賞に輝く実力派。同作のテレビシリーズでもエミー賞を受賞した。舞台と並行して映画・テレビでキャリアを積み、『バスキア』ではタイトルロールを演じて高く評価された。以後、『007』シリーズなどの大作映画や人気テレビシリーズ「ウエストワールド」などの脇役としても存在感を発揮。コード・ジェファーソン監督の『アメリカン・フィクション』では、知的でシニカルかつダークなユーモアにあふれた作家を演じて面目躍如。嬉しいアカデミー賞初ノミネートにして、受賞の可能性は十分にある。

ジェフリー・ライト
1965年12月7日生まれ
アメリカ・ワシントンD.C.出身
主な出演作
『ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男』(2023)
THE BATMAN-ザ・バットマン-』(2022)
ハンガー・ゲーム2』(2013)
007/カジノ・ロワイヤル』(2006)

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