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「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン」第5話:最終話直前でサプライズ!ダリルが“あの人”と交信

今週のウォーキング・デッド

 海外ドラマ「ウォーキング・デッド」のスピンオフ「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン」第5話「二つの愛」では、ビッグなサプライズが仕掛けられていた! ダリル(ノーマン・リーダス)が無線で交信した人物とは?(文・平沢薫)

※ご注意:本記事はネタバレを含みます。「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン」第5話をまだ見ていない方はご注意ください。

ダリルの優しさが際立つ

 第5話のエピソードタイトル「二つの愛」は、冒頭で流れるジョセフィン・ベーカーの歌の曲名。ベーカーは、1906年に米セントルイスでユダヤ系スペイン人とアフリカ系アメリカ人の間に生まれた歌手で、女優としても活動。1920年代半ばにパリでも人気を博し、ピカソやヘミングウェイとも交流。市民権を取得してフランスに住み、第二次世界大戦中はレジスタンス運動にも参加した。この歌は、祖国アメリカとフランスの双方を愛する心情を歌った曲だ。

 この曲で始まる第5話は、ダリルがスピンオフの冒頭で漂流していた理由が分かる<回想>と、ダリルたちの状況を描く<現在>の2つが交互に展開する。そして、この2つのドラマが、最後に実験により凶暴化したウォーカーという共通点で結びつく。そんな技のある構成になっている。

 第5話で際立つのは、ダリルの優しさではないだろうか。回想中、ウォーカーを捉える仕事にリクルートされたダリルは、そこで経験不足の青年に出会う。彼にコンビを組もうと言われても断るが、彼が薪割り仕事を請け負ったのを見ると、割り方を教える。ダリルは弱者には優しいのだ。また、その青年が同僚に殺されてウォーカーになったのを見ると、その同僚に殴り掛かり、そのせいで雇い主にウォーカーのエサとして船に乗せられる。第1話冒頭のダリルの漂流には、そんな理由があった。

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 そして、船を流したローラン(ルイ・ピュエシュ・シグリウッツ)への対応も優しい。ローランは彼らが乗っていた船をわざと川に流してしまうが、その理由が「目的地に着くとダリルが去ってしまい、一人になるのが怖かったから」だと知ると、ダリルはローラン責めず、彼を抱きしめて大丈夫だと言ってきかせる。ここでもダリルは優しい。

 ダリルの心情描写がもう一つ。ダリルは、ローランに問われて、気にかけている人々の名前を語る。その順序が、まずリック(アンドリュー・リンカーン)の2人の子供・ジュディス(ケイリー・フレミング)とRJ(アントニー・エイゾー)。それから、親密になりつつあったコニー(ローレン・リドロフ)。次にエゼキエル(カリー・ペイトン)の名前が挙がるのは、彼がかつて大病を患ったからだろうか。そして最後に出てくる名前がキャロル(メリッサ・マクブライト)。キャロルは心配する必要がないほど無敵に強いが、それでもダリルは彼女のことを気にかけている。やはりキャロルはダリルの心の友なのだ。

無線の相手はキャロルだった!

 そのキャロルが、声でサプライズ登場! 回想でダリルが船に乗る前に無線で話す相手は彼女だった。その時、キャロルが「彼らが戻ってきた!」と言った後に無線が途切れるのが気になるところ。彼女の切迫した声の様子から、戻ったのはきっと敵だろう。それはどの集団なのか? キャロルとコモンウェルスに何が起きているのか? そして、その出来事はダリルの今後に関係していくのだろうか?

 一方、ストーリー面では“生者の力”のリーダー・ジュネ(アンヌ・カリエール)の野望が判明。彼女は「ド・ゴールの日」という記念日を設定し、各都市から集まった賛同者たちの前で、フランスを自分たちのものにしようと演説する。彼女はその野望のために希望連合を従わせようと、連合が大切にしているローランを利用しようとしているようだ。

 ちなみに今回のフランス名物は風景ではなく、ジュネの周辺にアイテムとして登場。「ド・ゴールの日」は、1959年に第五共和政初の大統領になったシャルル・ド・ゴールにちなんだ命名だろう。ジュネは演説で第六共和政を目指すと宣言している。演説会場で聴衆が歌うのは、フランス国歌だ。また、ジュネの司令室でローランとイザベル(クレマンス・ポエジー)が再会する時、壁にはドラクロワの名画「民衆を率いる自由の女神」が飾られており、ジュネがこの女神と自分を重ねているのではないかと思わせる。

 さらにジュネは、この会場の聴衆の前で、薬物で凶暴化させたウォーカーをダリルと対決させる。とすると、ジュネの研究の目的は、ウォーカーを凶暴化させ、敵を倒す道具として使うことなのか。それをこの場で誇示しようとしているのだろうか。

 一方、クイン(アダム・ナガイテス)の一味には希望連合のスパイがいて、イザベルに仲間からの通信文が届き、ド・ゴールの日のために並ぶ人々の中には、第3話から登場している希望連合のエミール(トリスタン・ザンキ)がいる。希望連合も何かをこの会場で計画しているのではないか。次回は、早くもシーズン1の最終話。すでにシーズン2の制作が発表されており、次のシーズンへと続く怒涛の展開が待っていそうだ。

「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン」U-NEXTにて独占配信中

(c)2023 Stalwart Productions LLC.

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