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【ネタバレ解説】「ロキ」シーズン2第1話:カーン変異体の新事実とは

 マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の人気キャラクター、ロキの活躍を描く「ロキ」シーズン2(全6話)が配信開始。今回のロキはどんな出来事に遭遇するのか、どんな小ネタが詰まっているのか。第1話の展開や隠されたイースターエッグ(小ネタ)を解説していく。(平沢薫)

※ご注意:本記事は「ロキ」シーズン2第1話のネタバレを含みます。本編をまだ見ていない方はご注意ください。

シーズン1最終話から直結する新展開

 ドラマの冒頭は、「ロキ」シーズン1最終話のラストシーンに直結する。ロキ(トム・ヒドルストン)は、自身の変異体シルヴィ(ソフィア・ディ・マルティーノ)が、TVA(時間変異取締局)の影の支配者である在り続ける者ジョナサン・メジャース)を倒すことを止めようとするが、シルヴィに蹴られて別の時間軸のTVAへとたどり着く。ロキはそのせいで、自分の意思とは関係なく急に過去・現在・未来を行き来してしまうタイムスリップという状態に陥ってしまう。第1話は、ロキをこの状態から救出するドラマが描かれる。

 クリエイターは前シーズンから引き続き、『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』でもマルチバースのドラマを描いたマイケル・ウォルドロンなので、基本的なテイストはシーズン1と同じ。監督はケイト・ヘロンから交代し、マーベルドラマ「ムーンナイト」のジャスティン・ベレンソンアーロン・ムーアヘッド監督コンビが、同話を含むシーズン2の4話分を担当する。ドラマのテンポがさらに快速になったのは、このコンビのおかげかもしれない。シーズン2のエピソード監督には新顔も起用され、第2話は『アベンジャーズ/エンドゲーム』などマーベル映画のVFX出身のダン・デレウー、第3話は「ロキ」シーズン1からの美術担当カスラ・ファラハニが務める。

 今回はロキ救出のドラマの過程で、ロキとメビウス(オーウェン・ウィルソン)のバディー感が前シーズン以上にアップ。重要な局面でロキが急に時間移動で消えた後、メビウスは独りで「(ロキは)必ず戻る」と口にする。また、メビウスは、自分の皮膚が剥がれる危険を度外視して、ギリギリまでロキの帰りを待つ。こうした二人の絆が胸アツのシーンは、前シーズンにはなかったものだ。

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 また、シーズン2からの新キャラクターも登場。今後もかなり活躍しそうなのが、TVAの設備管理部にいるO.B.ことウロボロス(キー・ホイ・クァン)。O.B.という呼び名は、ウロボロス(Ouroboros)の頭文字と中央の文字から取られたもの。演じるクァンは、映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でアカデミー賞助演男優賞を受賞した実力派だ。

 そして、前作でTVAを仕切っていたラヴォーナ・レンスレイヤー判事(ググ・バサ=ロー)に代わって登場するのが、ドックス将軍(ケイト・ディッキー)とギャンブル判事(リズ・カー)。演じる二人は人気ドラマでもおなじみ。ディッキーは「ゲーム・オブ・スローンズ」のスターク家の主人の妻キャトリンの妹ライサ・アリン役、カーは「グッド・オーメンズ」シーズン2の大天使サラカエル役で知られる。

削除された「ムーンナイト」の小ネタ

 「ロキ」シーズン2でも変わらず、ファンが喜ぶイースターエッグが随所に隠されている。まずメディア向けの先行試写で話題になったのは、前シーズンから登場しているTVA職員ケイシー(ユージン・コルデロ)がヘッドフォンで聞いているポッドキャストが、「ムーンナイト」第1話で主人公スティーヴン・グラントが聞いている内容と同じだったこと。同音声が、配信された本編では別セリフに差し替えられていたので、さらに話題になった。第1話の監督が「ムーンナイト」と同じなので、ちょっとした遊び心と思われるが、削除されなければ、「ムーンナイト」との何かしらのつながりを暗示していたのかもしれない。

 また、O.B.の本名ウロボロスにも小ネタが隠されている。ウロボロスは、自分の尾を飲み込んで輪になったヘビの図案の名称で、始まりも終わりもない永続性や、無限性を象徴するもの。古代エジプト文明から古代ギリシャに伝わった図案にはウロボロスという名前がついたが、同じような図案は、別の名称で世界各地にあり、ロキやソーが登場する北欧神話にも、尾をくわえて眠るヘビ、ヨルムンガンドがいる。北欧神話では、このヘビはロキが巨人との間にもうけた子供3体のうちのひとりなのだ。

 ちなみに、メビウスにもウロボロスと同じような意味がある。メビウスの輪(またはメビウスの帯)と呼ばれる細長い長方形の端を180度ひねって貼り付けた形状は、ウロボロス同様、始まりも終わりもない。これも永続性や無限性の比喩として使われることがある。

 そして、シルヴィがポストクレジット・シーンで辿り着いたオクラホマ州ブロクストンは、原作コミックとリンクする。原作では、ロキの義兄ソーが、ブロクストンに新たなアスガルドを築いている。MCUでは設定が異なり、新たなアスガルドは『ソー:ラブ&サンダー』でヴァルキリーがノルウェーに建国した。

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至る所にカーンの気配

 第1話では新たな事実も判明した。ロキが過去のTVAで聞いた録音テープから、かつてTVAを統括していたレンスレイヤー判事と、征服者カーンの変異体が、かなり親密な関係だったことがわかった。原作コミックでも、カーンはラヴォーナ・レンスレイヤーという名の女性と恋人同士だったことがある。

 ロキが訪れる多数の時間軸のTVAやその外の街には、カーンが彫像、浮き彫り、壁画など、さまざまな姿で描かれていることも意識しておきたい。ということは、シーズン1最終話で在り続ける者が言った「私を殺すと、より危険な多数のカーンの変異体が出現する」という事態がすでに起こっているのかもしれない。

 シーズン2から新たな謎も盛り込まれた。ロキが時間移動状態から救出される寸前の出来事。未来のTVAで、ロキの前で鳴り続けていた電話は、誰からの電話なのか? ロキは電話を見つめているが、何か思い当たることがあるのか? その後すぐ、エレベーターからのぞいたシルヴィが言う「ああ、ここにいた!」にはどんな意味があるのか? その直後、ロキを背後から剪定したのは何者なのか? 第2話以降でその謎が解明されるのか注目だ。

「ロキ」シーズン2はディズニープラスにて独占配信中

(C)2023 Marvel

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