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「仮面ライダーオーズ」10周年 渡部秀&三浦涼介、“いつかの明日”を描く喜びと責任

火野映司、アンクとして帰ってきた渡部秀&三浦涼介

 平成仮面ライダーシリーズ第12作「仮面ライダーオーズ」(2010~2011)の10周年を記念して製作された、Vシネクスト『仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル』。感動の最終回から約10年、渡部秀三浦涼介が火野映司&アンクとしてスクリーンに帰ってきた。「オーズ」10周年を迎えた二人が、ファン待望の“いつかの明日”を映像化した心境や、作品への思いを語った。(取材・文:編集部・倉本拓弥、写真:高野広美)

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■“いつかの明日”を待ち続けた10年

Q:「仮面ライダーオーズ」テレビシリーズから10年が経過しました。日本中が10年前と同じくヒーローを求めている中、火野映司&アンクとして帰ってきた心境をお聞かせください。

渡部秀(以下、渡部):僕もある意味、この作品のファンとして、映司とアンクがまた出会う“いつかの明日”というものをずっと心待ちにしながら、この10年間過ごしてきました。本作でようやくアンクと再会することができるというのは、一ファンとしてすごく嬉しかったです。この作品に対して、ものすごい意気込みといいますか、ファンの皆様にお見せしても恥ずかしくない作品を作っていきたいなっていうのを再認識しながら、撮影に挑みました。

三浦涼介(以下、三浦):またこうしてアンクを演じることができると思ってもいなかったので、本当に驚きました。10年越しに戻ってこられるように支えてくださったスタッフの皆さん、出演したキャストの方たちもそうですし、何より待ってくださっているファンの方がいるから、こういった作品が撮れるんだなと考えると、喜びもかなりありました。

Q:10周年で当時のキャストが集まった新作が撮れた感想は? 三浦さんは、渡部さんから新作の話を聞いたそうですね。

三浦:「(新作を)やらない?」「やる!」という軽いやり取りでは、決してありませんでした。放送当時、自分がアンクをやらせていただいた時のイメージというのは、10年経った今でも消えないんですよね。放送後、ありがたいことに何年経ってもアンクって呼ばれて、たくさんお仕事もいただいたし、嬉しさもありました。しかし、その反対にプレッシャーや、アンクのイメージがずっと抜けないまま仕事をやっていくのはどうなんだろうって悩んだ時期もありました。もっと早くに(新作の)話は何度かあったと思うんですけど、10年経ったからこそ、素直に「一緒にやろうよ」「また仕事しようよ」って言えたんだと思います。そういう意味で、秀くんに「あなたのために協力します」と返答しました。

渡部:りょんくん(三浦)が言ってくれたように、アンクという「仮面ライダーオーズ」にとってのキャラクターの強さというのは、僕ももちろん思っていましたし、だからこそ役者・三浦涼介に「一緒にやってみないか」と声をかける重みというものを意識していました。スケジュールもそうですし、少なからず僕にも火野映司というキャラクターの強さというものが、役者人生においてあります。彼の悩みはもちろんわかりますし、簡単に声をかけられる状況ではなかったです。それはりょんくんだけではなくて、今回集結してくれたキャストのみんなに対してもそうです。みなさんが考える人生、作品に対する考え方、エンターテイナーとしての生き方っていうものを全部ひっくるめた上で、慎重に声をかけるようにしました。やるからには自分が一番頑張らなきゃという思い、10年間待ってくれたファンにしっかりとした作品を届けなきゃなという使命感はものすごく強かったです。

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■映司とアンクの旅の終着点を見守ってほしい

Q:Vシネクストで“いつかの明日”を描くことにプレッシャーを感じていましたか?

渡部:プレッシャーはありました。多数のキャラクターが絡み合ったテレビシリーズ(全48話)があって、いろんな監督・脚本家と一緒に作り上げてきた作品が、この10周年の記念作で崩れてしまう可能性もあるので、やらない方がよかったって言われてしまう怖さは正直ありました。でも、新作を待ち望む声や「新作をやりたい」という思いが強く、そこからは腹を括って走り出しました。

三浦:10年経ったらもっと強くなっている自分を想像していたんですけど、意外と弱くなっている自分の方がいましたね。テレビシリーズ当時のアンクや、応援してくださる方達のお陰で、1年経ってすごく強くなった気が当時していたんです。そこから歩み始めたんですけど、どんどん弱くなっていっているというか、怖さみたいなものが出てきて……。そういう意味でも、10年前に共演した仲間ともう一度同じ空気を吸ってみたら、もう一回強くなれるのかなっていう思いも少しありました。当時は無敵だったし、本当に気を張っていたので、そういった部分がいい意味で丸くなりました。少しキリっとしている部分がもう一回自分の中に生まれれば、もう一段階上に進んでいく活力になるのかなっていう思いも込めて参加しました。

Q:昨年の東京国際映画祭で渡部さんは、Vシネクストが「映司とアンクの旅の終着点」になると宣言していました。

渡部:Vシネクストは、作品のテーマである“映司とアンクの旅の終着点”と、「仮面ライダーオーズ」放送後から10年間掲げられた、“いつかの明日”という二つがセットです。いつかの明日、旅の終着点というキーワードが映画でまとまるので、その答えを劇場で見守ってほしいという思いでいっぱいですね。いつかの明日が来ることは喜びなのか悲しみなのか、驚きなのか怒りなのか、それは作品を受け取るファンの方々によって違うと思うので、みなさんのリアクションを含めて今から楽しみです。

三浦:僕は「仮面ライダーオーズ」の可能性をもっと残しておきます。(さらなる続きを)想像すると、ちょっと面白いかなって思うんです。現実的にどうなるかは予想できませんが、可能性は無限にあると信じています。

渡部:りょんくんとはプライベートのタイミングで(続編について)語り合ったことがあって、みんながおじいちゃん、おばあちゃんになってから再集結しても面白いよねっていうことを話していたんです。

三浦:「あの人どこ行ったんだ?」とか、キャストの歯が抜けていたりしてね(笑)。アンクも、歳を取っていてはダメというお願いがあるかもしれないし、僕の孫がアンクを演じている可能性だってあるかもしれないです。

Q:新作ではオーズの新フォーム「タジャドルコンボ エタニティ」が登場します。新フォームを初めて見た感想は?

渡部:メインがタジャドルコンボというのが、すごく嬉しいですよね。オーズにはコンボがたくさんあって、本編で最後に登場したのはプトティラコンボ。通年の「仮面ライダー」シリーズだと、最強フォームはプトティラだと思うんです。でも、このタジャドルコンボが「仮面ライダーオーズ」でいかに大切なフォームであるか、強さだけじゃない、いろんな思いが乗っかっているフォームであるかということは、自分で変身していても思います。今回の「タジャドルコンボ エタニティ」という新フォームが出る時も、タジャドルってファンの方からももちろん、製作陣にも愛されているフォームなんだなと実感しました。ビジュアルもかっこいいですし、本当に嬉しかったです。タジャドルの未来を見たいという、みなさんの“欲望”が出ているんだなって思いました。

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■10年越しに振り返るテレビシリーズ最終話

Q:テレビシリーズ最終話(第48話「明日のメダルとパンツと掴む腕」)は、平成仮面ライダーシリーズ屈指の名エピソードとして語り継がれています。放送から10年、改めて最終話を振り返って思うことはありますか?

渡部:テレビシリーズに関しては、駆け抜けた印象が強いです。最終話も鮮明に覚えているのですが、それよりも終わってしまう寂しさや辛さがありました。終わりに向かっている本編残り6話は、僕も寂しかったですし、ある意味辛い最終話でした。台本を読んでこういうシーンがあるっていうのは知っていたので、いざそのシーンが近づくと悩みましたし、特に撮影後半はそういった思いでいっぱいでしたね。

Q:最終話で映司がタジャドルコンボに変身する際、ベルトの音声はアンクに変わっていました。

三浦:もともと、音声を入れることは決まっていなかったんです。アフレコ収録日に「やってみようか」と急遽採用された案でした。秀くんが最後の変身にかける思いだったりとか、そういうのを自分は撮影現場で見ていて、彼が珍しく変身にテイクを重ねていたのを思い出しました。

渡部:最終話は、Vシネクストを撮ってくださった田崎竜太監督が担当してくださったんですけど、監督も珍しく「(変身ポーズで)ちょっと力を入れすぎている」と指摘してくださったんです。当時18歳の自分としては、力を抜いて変身しているつもりだったんですけど、あの変身だけはテイクを重ねました。

三浦:その様子を目撃していたので、僕も下手に(ベルト音声を)収録して、この現場だけで盛り上がってしまって本当に大丈夫なのだろうかという、不安や心配はすごくありました。

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■「オーズ」を1位にしたい気持ちは今も変わらない

Q:昨年NHKで実施された「全仮面ライダー大投票」では、「仮面ライダーオーズ」が作品部門で3位、仮面ライダー部門で4位、楽曲部門で3位(主題歌「Anything Goes!」)と9位(挿入歌「Time judged all」)に入りました。お二人はリアルタイムで結果をチェックしていましたか?

渡部:リアルタイムで見ることはできなかったんですけど、キャストのグループLINEで高田里穂ちゃん(泉比奈役)と甲斐まり恵さん(白石知世子役)が実況中継をしてくれたんです。仕事現場で順位を見ながら「3位だった~」って悔しがっていました(笑)。

三浦:秀くん的に、今回の結果はどう思った?

渡部:正直な話をすると、もちろん1位を狙いたかった。これはずっと変わらない思いで、「仮面ライダーオーズ」制作発表の時にオーズを1位にすると宣言していたんです。それは未だに変わらないですし、いずれ(1位に)します。ですが、これだけ仮面ライダーをやらせていただいていると、順位だけではない良さというのはありますし、ピースフルな話をすれば、みんなが1位なんです。投票してくださったファンの方からすれば、その楽曲、その作品、そのライダーが1位なので、誰かの1位になれればいい。そういう思いが意味合いとしては強くなったというか、本当の順位って誰にもわからないですし、気持ちは制作発表の時から変わらないです。投票してくださったファンの皆さんには感謝の思いでいっぱいです。

Q:「仮面ライダーオーズ」は15年、20年とこれからも愛され続けます。「オーズ」という作品が、次世代へとどのように語り継がれていってほしいですか?

渡部:「仮面ライダーオーズ」全体のテーマである“欲望”というものは、人が生きていく上で絶対に離せないテーマだと思うんです。この作品はそこに面白みがあるというか、シリーズを通して内容を深くしているキーワードでもあります。一度自分の欲望の原点に立ち返ってみると、欲望ってある意味夢や目標であったりすると思うんです。もちろん、欲望を持つことは悪いことではないですし、欲望があるからこそ生きていく希望になるだろうし、僕はもっと欲深く生きていきたいと思うので、「オーズ」をこれから観る方には、ぜひ欲望についていろいろ考えながら観ていただきたいです。

三浦:当時から言われていることですが、「仮面ライダーオーズ」はお子さんも親御さんも一緒になって楽しめるストーリーなんです。当時観ていた子供たちが大人になり、今度は自分の子供に観せてあげて、繰り返し観てもらえる作品になるんじゃないかと思うので、そうやって今後も語り継がれていってほしいです。僕も自分の子供ができたら「オーズ」を観せたいと思います。

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新作を求めるファンの期待に応えるべく、並々ならぬ覚悟で映司&アンクを再演した渡部秀と三浦涼介。質問に対する全てのアンサーから、二人の「仮面ライダーオーズ」愛がダイレクトに伝わってきた。最終話から10年後の世界で再会する映司とアンクの旅路には、どのような結末が待ち受けるのか。「オーズ」を愛する全ての人が待ち続けた“いつかの明日”は、すぐそこまで迫っている。

Vシネクスト『仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル』は3月12日から新宿バルト9ほか期間限定上映 Blu-ray&DVDは8月24日発売

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