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短編映画祭昨年度グランプリ作品『見下ろすとそこに / Down There』は中国とフランスの合作!

10分の極上無料短編映画体験

ブリリア ショートショートシアター オンライン × シネマトゥデイコラボ企画

 早いもので9月も下旬。暑い夏がようやく終わり、季節は秋の色を日に日に濃くしていく。秋分の日も過ぎ、これからは夜の時間が伸びていく。そんな9月に Brillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE(BSSTO) では、印象的な「夜」を描いたショートフィルムを無料配信している。長編映画を観るにはちょっと忙しない平日の夜に、はたまた静かな余韻を味わいたいお休みの夜に、ショートフィルムでリラックスタイムを味わってみては?

どん底の男にかかってきた一本の電話『リッチーとの一日 / Curfew』

リッチーとの一日
『リッチーとの一日 / Curfew』より

『リッチーとの一日 / Curfew』
監督 ショーン・クリステンセン
製作年 2012年
製作国 アメリカ
上映時間 約20分
配信期間 9月2日より
第85回(2013)米国アカデミー賞短編実写部門受賞作品

 人生を諦め、ひとり命を絶とうとしていた主人公・リッチー。そこに疎遠だった妹から電話がかかってくる。小学生の姪・ソフィアを一晩預かってほしいとの頼みを受け入れ、妹のマンションに迎えに行くリッチー。

 現れたのは、大人びた辛口批評家だった。最初はシニカルでリッチーに冷たい態度のソフィア。どう接していいか分からず戸惑い気味なリッチー。この世代の女の子が大人に対して物おじしないのは、洋の東西を問わず共通のよう。

 監督も「親戚の女の子にあった時、自分よりもずっと賢そうに見えた」ことが制作の背景だったと語る。ふたりの関係が、20分間の中でどう変容していくのか。ショートフィルムだが、長編映画を1本観たような中身の詰まった作品だ。

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開催中の短編映画祭SSFF&ASIAから昨年度グランプリ作品をお届け『見下ろすとそこに / Down There』

見下ろすとそこに
『見下ろすとそこに / Down There』より

『見下ろすとそこに / Down There』
監督 ツェンファン・ヤン
製作年 2018年
製作国 中国、フランス
上映時間 約10分
配信期間 9月16日より
SSFF&ASIA2019ジョージ・ルーカスアワード(グランプリ)受賞作品

 とある夜、とある住宅街、とある集合住宅。カメラは建物の向かいからいくつもの窓を同時に映す。窓の一つ一つにそこに住む住民たちの暮らしがある。

 カメラを通してわたしたち観客は、集合住宅の足元で起こる事件めいた「何か」と、その「何か」に接した住民たちの反応を観察する。

 見下ろすとそこにあるはずの「何か」に対して、住民たちの反応は一様に淡泊だ。「面倒に巻き込まれたくない、誰かが何とかしてくれるだろう」という都会ならではのメンタリティー。住民たちの姿は遠い異国の人々の姿かもしれないし、実はわたしたち自身の姿かもしれない。

『見下ろすとそこに / Down There』予告編

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メルボルンの夜、孤独と孤独が出会うハートウォーミングな物語『ビックシティ / Big City』

ビックシティ
『ビックシティ / Big City』より

『ビックシティ / Big City』
監督 ジョーダン・ボンドラックラン・ライアン
製作年 2016年
製作国 オーストラリア
上映時間 約9分
配信期間 9月23日より

 移住してまだ日の浅いインド系移民のタクシー運転手。夜も更けたころ、ひとりの男を拾う。内気な運転手とちょっぴりロックな男は、風変わりな夜のドライブを始める。

 白人社会にあって移民の運転手は孤独な生活を送っている模様。目の下のクマは精神的な疲労を表しているようだ。そんな彼に必要だったのは、心の通じた友達とのたわいもない話や、ちょっと羽目を外したような遊び。

 折しもコロナ禍のわたしたちもまた、友達とはしゃいだり語り合ったりする機会が減り、似たような抑圧を抱えてはいないだろうか。きらびやかな夜への欲求には、身につまされる思いがする。物語が生まれるのは人と人とが出会ってこそ。人間の関りが減った今は物語が生まれにくい世界になっていまいか。わたしたちはこの時代をどう生き、どう物語を紡いでいくのか。そんな問いも観た後には浮かぶが、まずは気楽に再生ボタンを押していただきたい。

 オンラインコミュニケーションが定着する中で、ショートフィルムは時代にフィットした存在になりつつある。友達同士、距離は離れていても10分~20分ほどの映画を観て、感想を語り合うのも面白いだろう。9月16日~9月27日は米国アカデミー賞公認アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2020」も開催中。今年はオンラインで数多くの作品を視聴することができる。秋の夜長は、ひとりひとりのライフスタイルにあった楽しみ方で、ショートフィルムを満喫いただきたい。(大竹悠介)

今回紹介した各作品は「Brillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE」で配信予定。

Brillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE公式サイト

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