「ウォーキング・デッド」リックの魅力~生き延びるために変わり続ける男!

ウォーキング・デッドの魅力

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 「ウォーキング・デッド」シーズン9の放送開始の前に、主な登場人物たちの魅力をもう一度、振り返っておこう。最終回はリック(アンドリュー・リンカーン)。主人公なのに、考え方があちこちに変わってばかり。だからこのキャラは面白い!(平沢薫)

ご注意※ なおこのコンテンツは「ウォーキング・デッド」シーズン8までをがっつり観た人向けですので、未見の場合は衝撃のネタバレが含まれることがあります! ご注意ください。

ウォーキング・デッドの魅力 連載第8回・最終回 リック・グリムス

よく変わるのは、誰よりも“普通の人”だから

リック・グリムス
登場人物の中で、もっとも普通の人間らしいリック・グリムス - AMC / Photofest/ ゲッティ イメージズ

 全編を通して、考え方や価値観が一つの方向ではなく、あっちへ行ったり、こっちへ戻ったりと、いろんな方向に変化するのがリック。彼がそんなふうに変わるのは、いつも自分はこれでいいのかと自問し、悩み、迷っているから。登場人物の中で、もっとも普通の人間らしいのが、リック。この普通の人っぽさが、リックの魅力なのだ。

 そして、リックのような、よく心変わりする人物を主人公にしているところが「ウォーキング・デッド」の魅力。オーソドックスなTVシリーズなら主人公のキャラは変化せず、主人公に感情移入して観ていれば安心していられるようにストーリーが作られているが、「ウォーキング・デッド」ではそうはいかない。主人公を観ていて安心できず、逆に不安になる。この不安感を視聴者に感じさせることが、きっと製作陣の狙い。この不安感こそ、歩く死者たちの世界で生きる登場人物たちが味わっているものなのだ。

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理想家肌の保安官から、生きるために殺す男に

リック・グリムス
生き延びるには敵を殺さなくてはならない! - AMC / Photofest/ ゲッティ イメージズ

 そんなよく変わる主人公リックの心境の変化をざっくり振り返ってみよう。元は小さな町の保安官代理。シーズン1では、保安官らしい正義感を持つ理想家。「バカで最低な白人も黒人もない、生存者か死者しかいない世界で、協力して生き延びるんだ」と言う。

 が、シーズン2では親友に殺されそうになり、自分も多数の人々を殺し、仲間に「残るなら二度と俺に逆らうな」という独裁者的なリーダーに変貌する。それが行き過ぎだと無意識のうちに自覚しているので、妻の死後、精神が不安定になって亡き妻の幻を見たり、彼女と電話で話すようになったり、やがて「俺たちがどう生きるかは、俺が決めることじゃない」と冷静になるのが、シーズン3。

 しかし、その状態は長くは続かず、シーズン4で刑務所で病気が蔓延した際、キャロルが重症患者がゾンビ化するのを防ぐため殺したのを知り、「君とは一緒に暮らせない」と自分一人の判断で彼女を追放するという、ちょっと問題のある行動をとる。シーズン5では、他の集団の人間たちに襲撃され、逆に彼らを殺すが、生き延びるには敵を殺さなくてはならないという心理状態になる。

平和な共同体の乗っ取りを計画!? 一度は独裁者の要求に従うが…

 なので、シーズン5でアレクサンドリアについたときは、住民たちが外界の恐ろしさを知らないことに苛立ち、自分が彼らを守らなければならないと考えて、仲間たちには「彼らがダメなら俺たちが主導権を握る」と宣言。まるで、リックのほうが共同体を支配しようとする悪者のようになってしまうのだ。

 だが、そうなる前に共同体が別の敵に襲われ、息子カールが重症を負ったことから、シーズン6で改心。リックは、自分の生きる目的は、息子に新しい世界を見せてやることだったと再認識する。

 そのため、シーズン7ではとにかく生き延びることを優先。一時はニーガンに従おうとするが、彼らのあまりの非道を知って方向を転換。他の共同体と協力して、ニーガンを倒すことを計画し、とにかくニーガンを殺すしかないと決意する。

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そして、カールの手紙で信念を取り戻す

リック・グリムス
リックのもともとの望みは人と人が殺し合わないで済む世界 - AMC / Photofest/ ゲッティ イメージズ

 が、ここでまたリックの決意を変えるのが、シーズン8での息子カールの死と、彼の残した手紙。リックは、カールが望んだような、人と人が殺し合わないで済む世界が、もともと自分がカールのために作りたかった世界だと気付く。

 なので、シーズン8のラストでニーガンとの一騎打ちで勝ったときにも、彼の命は奪わない。そして「ニーガンのやり方は終わりだ」「平和と公正を重んじて生きて行く者、歩み寄ろうとする者、この世界はそういう人間のものだ」と宣言する。やっと、シーズン1のリックの信念を取り戻すのだ。

 しかし、そんなリックが、シーズン9の途中から番組からいなくなることが決定済み。いったいどうやっていなくなるのか? 彼はまた変わるのか? リックは最後の最後まで、観ているファンを安心させてくれない

原作コミックでのリック

 性格は基本的に同じだが、原作のほうがもっと変化の振れ幅が大きい。ストーリー面で大きく違うのは、妻と不倫していた親友シェーンの殺す場面。TV版ではリックが銃殺し、ゾンビとなったシェーンを息子カールが撃つが、原作ではリックが殺されそうになっているのを見て、カールがシェーンを撃つ。また、原作では妻ローリが生んだ赤ん坊は、彼女と一緒に死去している。

 身体的にも大きな違いがあり、原作では、ガバナーに捕まった際に片方の腕の手首から先を切り落とされ、そのまま包帯を巻いている。義手は、ニーガンとの決戦の後で初めて付ける。交際相手も別。TV版ではミショーンだが、原作ではアンドレアが生きていて、カールが眼を撃たれた後、彼女と交際する。

【この人にも注目 カール・グリムス】

カール・グリムス
リックの息子カール役のチャンドラー・リッグス - AMC / Photofest/ ゲッティ イメージズ

 リックの息子。母を亡くし片方の目を失うなど辛い経験をしているのに、屈折もせず、父を愛し妹ジュディスを可愛がる好青年に成長。ニーガンとの戦いの前に死ぬが、それもよく知らない人を救ったためだった。父たちに遺書を残して戦いの無益さを訴える。

原作でのカール

 基本設定は同じだが、原作では生きている。コミックでは8巻でも少年だが、TV版の俳優は11歳で登場して19歳に成長。TV版で死ぬのは年齢のせいかも。原作では印象的な行動が2つあり、リックの親友ショーンを殺すのはTV版ではリックだが、原作ではカール。TV版ではキャロルが幼い妹を殺した姉を撃つが、原作では姉妹ではなく双生児兄弟で、弟を殺した兄をカールが撃つ。

【ウォーキング・デッドキャラの魅力解剖連載予定】

vol.0 「ウォーキング・デッド」シーズン9を前に魅力を再確認!

vol.1  グレン・リー の魅力~人間の善を信じる男

vol.2  ダリル・ディクソンの魅力~無口な一匹狼なのに優しい

vol.3  マギー・リーの魅力~愛することで強くなっていく愛の人

vol.4  ニーガンの魅力~知的能力が高い策略家

vol.5  ミショーンの魅力~日本刀を操る孤高の女戦士

vol.6  ユージーンの魅力~困ったちゃんなのになぜか憎めない?

vol.7  キャロルの魅力~悩みながら前進する姿がカッコイイ!

vol.8  リック・グリムス~生き延びるために変わり続ける男!

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