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銀河の狩人プレデターが男前なワケ

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『プレデター2』 Twentieth Century Fox Film Corporation / ゲッティ イメージズ

 銀河の狩人プレデターが再び地球に降り立つ! 狩った獲物は皮をはいで吊るし、強い相手の頭蓋骨をコレクション。マスクの下の素顔は出会う人みんなに「なんて醜い顔なんだ……」と言われてしまう、見た目も性格も超ワイルドなプレデターですが、実際は超文明人で性格も男前なんです! 何と言われようとカッコイイ彼らの魅力を振り返ります。(編集部・入倉功一)

プレデターとは?

 惑星を渡り歩きながら、危険度の高い生物を狩ることを喜びとする戦闘種族。非常に攻撃的ですが、高機能の宇宙船やハイテク装備を駆使するなど高度な文明を誇る、相反する性質が特徴です。“プレデター”という呼称は便宜上の物で、彼らのなかでも異なる種族が存在しており、コミック版などの設定ではYautjaなどの種族名もあります。

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超アスリート体形

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『プレデター2』より 引き締まった肉体 Sunset Boulevard / Corbis via Getty Images

 エイリアンなどと違い、人間に近い彼らは、鍛え抜かれたアスリートのような肉体を誇ります。彼らの母星は謎に包まれていますが、地球より遥かに重力が強い星に生息していると考えられています。ちなみに、「ドラゴンボール」に登場する宇宙最強の戦闘民族サイヤ人の母星・惑星ベジータの重力は地球の10倍。プレデターも、生まれた瞬間から戦いを運命づけられた種族なのです。

 また、標的を一瞬で撃ち抜くプラズマ・キャノンなど、強力な飛び道具を持つプレデターですが、主な装備は、刃物や槍など、強靭な肉体を駆使する白兵戦に特化しています。これは彼らが、戦いにおいて何より名誉を重んじるためとされています。格闘を挑んでくる相手には、自ら飛び道具を捨てることも。正々堂々とした振る舞いは、地球人でもなかなか見ることができない潔さです。

弱者は殺さない

 プレデターは狩りをしながら、その星の生物をじっくり観察します。その理由は、最も勇敢な者と戦うため。同時に、積極的に攻撃しない限り、勝って当たり前の弱者は狩りの対象にもなりません。見境なく人間を襲って殺すモンスターではないのです。

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種族や役割によって違いはあるが、基本的に強い生物を狙う。1作目でプレデターの標的になったダッチ(アーノルド・シュワルツェネッガー)率いる特殊部隊 Sunset Boulevard / Corbis via Getty Images

 特に、種族が違っても子供を手にかけることはしません。その特徴をよく知ることができるのが、『プレデター2』(1990)。本作に登場するプレデターは、おもちゃの銃を向けてきた子供は、脅威ではないと判断して相手にしません。さらに、銃を持つ人間の女性刑事を捕らえた際には、彼女が妊娠していることがわかると見逃します。弱い者に対してほど強くなる人間も数多い世の中にあって、常に名誉ある戦いを求めるその姿には、憧れを抱かずにはいられません。

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腕が取れても戦い続ける!

 戦いのなかで傷ついたとしても、彼らが戦いをやめることはありません。常に応急処置用の医療キットを携行しており、『プレデター』(1987)で銃弾を受けた際には、ジャングルのなかで自ら弾丸を摘出。また、『プレデター2』で腕を切られますが、ガラスやシリコンを変化させたゼリー状の物質を、直に切断面に塗るという超ワイルドな治療を施します。

 痛みを和らげるという概念はないのか(?)、治療のたびに上げる大きな叫び声がホントーに痛そう。また、普段、メタンガスを呼吸している彼らは、マスクを取ると地球上では数時間しか呼吸ができません。それでも、緊急用のマスクで呼吸を補いながら、相手を仕留めるまで戦い続けます。

仲間を殺した相手も賞賛!

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『プレデター2』では、彼らの特徴が細く描かれた Twentieth Century Fox Film Corporation / Photofest / ゲッティ イメージズ

 そんな、常にギリギリの狩りを繰り返している彼らは、戦いに敗れることもままあります。しかし彼らの間では、強者との戦いにおける死は、勝利の次に名誉とされているようです。そのため、正々堂々とした戦いの末に仲間を殺した者を殺すことはなく、敬意を表すのです

 時には、そうした勇敢な戦いを見せた戦士に戦利品を手渡し、戦士として誉め称える行動を取る姿もしばしば目撃されています。無差別な殺人鬼に見える彼らですが、その精神は、人間に負けない高度なスポーツマンシップに支えられているのです。

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ハイテク機器を使いこなす文明人

 ワイルドな彼らですが、一方で人間社会では実現不可能なハイテク機器を駆使する文明人でもあります。彼らの技術力の代名詞といえるのが、周囲に完全に溶け込む光学迷彩でしょう。これは、身につけたスーツが背景をサンプリングして体表面に映し出すという超優れモノ。この機能で身を隠しながら、一人また一人と獲物を狩っていくのが彼らの基本スタイルです。

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最新作『ザ・プレデター』でも大暴れ! ひたすら残虐な種族もいるという彼らだが、新作のプレデターは?(C) 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved

 また、高い威力を誇るプラズマ・キャノン、腕から刃が飛び出すリスト・ブレイド、伸縮式スピア(槍)、相手を締め付ける強力なネットランチャー、獲物を自動追尾する両端にオノが付いたレイザー・ディスクなど、どれも現代の技術でも実用化が難しい武器をいともたやすく扱います。

 これらの高度な文明や、自らの肉体を戦利品にされることを防ぐため、腕には通信機を兼ねた自爆装置が。戦いに敗れたり、劣勢に陥ったりすると、迷うことなくこれを起動し自ら命を絶つのです。

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“中の人”も男前

 1作目と2作目において、主にプレデターの“中の人”を務めたのが、黒人俳優のケヴィン・ピーター・ホールさんです。身長220cmを誇るホールさんは、伝説の生物・ビッグフットとある一家の絆を描く『ハリーとヘンダスン一家』のビッグフット役でも知られています。

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ケヴィン・ピーター・ホールさん(左)またプレデターはシーンによって、スタントマンなども中に入った Ron Galella, Ltd. / WireImage / Sunset Boulevard / Corbis via Getty Images

 バレエと武道の達人でもあったというホールさんは、穏やかな人柄で知られ、熱帯のジャングルの撮影において、何時間もプレデターの衣装を着続けても文句ひとつ吐かなかったといいます。あまりの暑さで気を失ってしまったこともありましたが、当時のメイキング映像を見ても、撮影の合間は常に笑顔。「魂を込めなければ人形と一緒だ」とプレデター役に真摯(しんし)に打ち込んでいました。

 将来を期待されていたポールさんですが、交通事故時の輸血でHIVに感染。1991年に35年の短い生涯を閉じます。『プレデター』のインタビュー映像では、誰もがホールさんの功績をたたえています。プレデターは、外見も中身も男前だったのです。

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『ザ・プレデター』には究極のプレデターが登場する! (C) 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved

 『プレデター』『プレデター2』の正統な続編になるといわれているザ・プレデター(9月14日公開)では、他の種の遺伝子を掛け合わせた“究極のプレデター”(アルティメット・プレデター)が登場。新しく生まれ変わったプレデターは、果たして、どんな男前な名場面を見せてくれるのでしょうか。

参考資料:『プレデター』『プレデター2』ブルーレイメイキング映像・コメンタリー 『プレデターズ』『エイリアンVS. プレデター』ブルーレイ特典トリビア・トラック

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