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タトゥーに丸刈り!アカデミー賞候補者たちの意外な素顔

最新!全米HOTムービー

 世界の映画産業の中心・アメリカの最新映画情報を現地在住ライターがお届けする「最新!全米HOTムービー」。今回は、第90回アカデミー賞にノミネートされたスターたちが取材時に見せた意外な素顔とこぼれ話、そして役づくりについて一挙にご紹介します。(取材・文:細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

ゲイリー・オールドマン 『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』

ゲイリー・オールドマン
Axelle / Bauer-Griffin / FilmMagic / Getty Images

【普段の顔&こぼれ話】頭のネジが飛んでいるような役やインパクトの強い悪役などが多いゲイリー・オールドマンだが、取材の席では英国紳士そのもので、ソフトな口調で言葉を選びながら丁寧に答え、理路整然と説明する。そんな紳士な姿を見れば、私生活でもユマ・サーマンイザベラ・ロッセリーニといった美女たちとパートナーだったことも納得できるのだ。

【役づくり】自身初のオスカー獲得を狙うゲイリーが演じたのは、第2次世界大戦下に英国を率いたチャーチル首相。チャーチルが政治キャンペーンを行っていた際の撮影スタッフとの会話、有名なスピーチ、家の中ではどのように話すかということを映像から分析し、三つのチャーチルの声を使い分けたという。

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ダニエル・デイ=ルイス 『ファントム・スレッド』

ダニエル・デイ=ルイス
John Phillips / Getty Images for Universal

【普段の顔&こぼれ話】映画ではさまざまな髪型をしてきたダニエル・デイ=ルイスだが、実生活では丸刈りにしていることが多い。夏の取材では半袖姿で両腕のタトゥーが見えるため、まるでネオナチのメンバーのよう。見た目はとても英国紳士には見えないが、一旦会話を始めると、ささやくような口調で、周りの共演者や監督にちょっかいを出したり、ジョークを言ったりする。映画に出演するスパンが約5年と長いため、いつも記者からその間に何をしていたのかと聞かれるが、決まって覚えていないと言ってかわしている。

【役づくり】3度のアカデミー賞主演男優賞に輝くダニエルが今回挑んだのは、1950年代のロンドンで働く仕立屋のレイノルズ・ウッドコック。メソッド演技法(役柄の内面に注目し、感情を追体験することによって、自然でリアルな演技を行うこと)を取り入れ、徹底的に役柄に没頭してきたダニエルは、今作でも裁縫師の下でおよそ1年間衣装作りを学んでから撮影に臨んだ。

ティモシー・シャラメ 『君の名前で僕を呼んで』

ティモシー・シャラメ
Steven Ferdman / Patrick McMullan via Getty Images

【普段の顔&こぼれ話】よく『チャーリーとチョコレート工場』のフレディ・ハイモアと間違われるというティモシー・シャラメ。女性記者の間ではかなりの人気があり、20~30代はもちろん、年配の記者も魅了してしまうほどで、若き日のレオナルド・ディカプリオと比較されることもある。ファンの間では有名らしいが、ラップが上手いそうだ。

【役づくり】ティモシーが演じたのは、1980年代のイタリア舞台に24歳の大学院生オリバー(アーミー・ハマー)と恋をする17歳のエリオ。撮影地であるイタリア・クレーマにはホテルがなく、皆で同じ家に住んだといい、そのことがアーミーと親密なシーンを演じる際に役立ったという。

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マーゴット・ロビー 『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』

マーゴット・ロビー
Brook Mitchell / Getty Images

【普段の顔&こぼれ話】オーストラリア出身のマーゴット・ロビーだが、ほぼアメリカ人の発音で会話するため、彼女をアメリカ人だと勘違いしている人が結構いる。ヘビが家の中に入ってくるような自然あふれる家庭で育った彼女は、性格も明るく、どんな質問にも笑顔で応えてくれる。彼女が一人いるだけで、記者会見場がパッと明るくなることも。夫のトム・アカーリーは『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』でプロデューサーを務めている。

【役づくり】マーゴットが演じたのは、ライバル選手への襲撃事件などのスキャンダルを起こした実在のフィギュアスケーター、トーニャ・ハーディングの15歳から44歳まで。ドキュメンタリーの映像を参考に、メイクアップと衣装担当者の力も借りたものの、トーニャの精神を取り入れることを特にこだわって演じたといい、その熱演ぶりは本人から「わたし自身のストーリーを伝えてくれてありがとう!」と感謝の言葉を受けるほど。

サリー・ホーキンス 『シェイプ・オブ・ウォーター』

サリー・ホーキンス
Amanda Edwards / WireImage / Getty Images

【普段の顔&こぼれ話】サリー・ホーキンスは典型的な美人女優とは異なるものの、愛らしいボディランゲージと華やかな笑顔を持っていて、インタビューでは人を惹きつけ、いつの間にかファンになってしまうような不思議な魅力の持ち主だ。実際に会ってみると魅力が倍増する。

【役づくり】米ソ冷戦下のアメリカを舞台にした本作でサリーが演じたのは、発話障害を持つ清掃員で、研究施設で飼われている不思議な生き物と心を通わせていく女性イライザだ。ボディタッチや瞳で感情を示すことで、まるで人間同士が交流しているかのように、違和感ない異種間のファンタジーロマンスを体現して見せた。彼女は役づくりのため、ギレルモ・デル・トロ監督とサイレント時代の映画について話し合ったと明かしている。

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フランシス・マクドーマンド 『スリー・ビルボード』

フランシス・マクドーマンド
Elisabetta A. Villa / WireImage / Getty Images

【普段の顔&こぼれ話】長年の演技経験があるフランシス・マクドーマンドだが、即興があまり好きではないようで、即興によって映画の内容が変わることを恐れている。それは、日頃からコーエン兄弟という素晴らしい脚本家が家族にいるからだと勝手に想像してしまう(夫がジョエル・コーエン)。会見の場では司会者の質問が映画の内容から逸れると、軌道修正して返答してくるようなタイプ。

【役づくり】7か月前に娘を殺害され、未だに犯人が捕まっていないことで地元警察を憎む母親を演じたフランシス。マーティン・マクドナー監督が、フランシスを想定して書いたという脚本は、まさに彼女に打ってつけ。脚本をもらった当初、58歳だったフランシスは「祖母役の方が母親役より良いのではないか」とマクドナー監督に提案したが、監督は親子関係にこだわった。参考にしたのは西部劇の名優ジョン・ウェイン。それはこの母親が勇敢でまるでカーボーイみたいだからで、ウェインの伝記も読んだそうだ。

ウィレム・デフォー 『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』

ウィレム・デフォー
Vittorio Zunino Celotto / Getty Images

【普段の顔&こぼれ話】取材の際は気を遣って丁寧に返答してくれるウィレム・デフォーだが、眼光が鋭いため、気分を害しているのではないか勘違いする記者もいるほど。エネルギッシュでジョークも交えてくれるため、つまらないインタビューになることは決してない。8人兄弟の7番目で、常に人を喜ばせるのが好きなようだ。

【役づくり】ウィレムが演じたのは、家を失った6歳の少女と母親が暮らし始めたモーテルの管理人ボビー。監督のショーン・ベイカーは演技経験のない人々をキャスティングすることでも有名で、これまでは映画の一部や一コマとして参加してきたというウィレムだが、今作では俳優未経験の人々にいかに合わせるかを課題にして演じたと語っている。

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クリストファー・プラマー 『オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド(原題)』

クリストファー・プラマー
Amanda Edwards / WireImage / Getty Images

【普段の顔&こぼれ話】クリストファー・プラマーは、お酒の話をするのが好きで、過去の体験談をずっと話してくれることもあるため、記者の間ではお酒の話は極力避けるようになっている。代表作『サウンド・オブ・ミュージック』については長年質問されてきたようで、この映画に関する質問には露骨に嫌な顔をするときも。良い質問すると長い返答をしてくれるものの、短い時間の取材では質問数が限られてしまうので、事前にクリストファーにどんな質問をするかを記者の間で聞いてからやるといい。

【役づくり】誘拐された孫の身代金を要求されるも、支払いを拒否する大富豪ジョン・ポール・ゲティ役を演じたクリストファー。もともとこの役はケヴィン・スペイシーが務めていたが、セクハラ問題で出演シーンが全カットされ、クリストファーに白羽の矢が立った。約10日間の再撮影に参加しただけだが、大どんでん返しで見事にノミネート。リサーチをする時間的な余裕もなかった中で披露した安定した演技は、長年舞台などで培った度胸の賜物といえよう。

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アリソン・ジャネイ 『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』

アリソン・ジャネイ

【普段の顔&こぼれ話】アリソン・ジャネイはかなり身長の高い女性で(183センチ)、テレビドラマ「ザ・ホワイトハウス」の報道官役で知られるため真面目なイメージあるが、ジョークを頻繁に会話の中に盛り込むウィットのある女性。しかし、こと男性の話になると照れ始め、普段の落ち着いたアリソンではなくなることもある。

【役づくり】アリソンがふんしたのは、フィギュアスケーター、トーニャ・ハーディングの厳格な母親ラヴォナ。役づくりではラヴォナ本人には会わず、トーニャと彼女の元夫ジェフ・ギルーリーの視点で捉えた母親ラヴォナに焦点を絞って演じたそう。かなりヒドい母親像になっているため、ラヴォナ本人にどこかの街で偶然に会うのが怖いともジョークで語っている。

メアリー・J・ブライジ 『マッドバウンド 哀しき友情』

メアリー・J・ブライジ
Paras Griffin / Getty Images for BET

【普段の顔&こぼれ話】歌手として高く評価されているメアリー・J・ブライジは、姉御肌。強い女性を自分の中で常に追求しており、女性からの悩みに関する質問には、自身の体験談を交えて親身になって答えてくれる。映画界でのキャリアはまだそれほどないものの、姉御肌なのはセットでも同様なようで、共演者から尊敬されている。

【役づくり】第2次世界大戦前後を舞台に、貧しい黒人農業一家・ジャクソン家を支える母親フローレンスを演じたメアリー。ノーメイク、カツラや付けまつ毛もなしで挑み、ほとんどの観客がフローレンスがメアリーと気づかないほど、完全に役に溶け込んでしまっている。彼女の演技に対する意気込みは素晴らしく、セリフのないシーンでさえ、息子を懸念する母親像が見事に表現されていて、映画界からは彼女の演技を高く評価する声が相次いでいる。

【今月のHOTライター】
■細木信宏/Nobuhiro Hosoki
海外での映画製作を決意し渡米。フィルムスクールに通った後、テレビ東京ニューヨーク支局の番組「ニュースモーニングサテライト」のアシスタントとして働く。現在はアメリカのプレスとして活動中

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