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激ヤバ!音楽・ダンス・ファッション…70's=ダサいと言うヤツをブチ抜け!

今週のクローズアップ

 70'sのパフォーマンスなんてダサい……んなわけないでしょう、アンタ! この時代をリスペクトしないなんて、もはや時代遅れよ!! 今や世界が焦がれ始めた70'sの波を生み出したのは、『ムーラン・ルージュ』『華麗なるギャツビー』などを発表し、超絶ゴージャスな衣装、ノリのよい音楽でダンサーやDJ、ファッション業界関係者から注目を浴び続けているバズ・ラーマン。ダンサー、DJ、ファッション業界を目指すならば、彼が手掛けた新作ドラマ「ゲットダウン」には目を通しておくべき!(編集部・井本早紀)

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<ファッションにトキメけ!>

 10年以上の構想期間を経てバズが作った本作で描かれているのは、ヒップホップが生まれた1970年代のニューヨーク・ブロンクス。ディスコで音楽に酔い、人々が踊り狂っていた時代に生きた少年や少女たちの姿を描くことで、当時の音楽やファッションなどを世相と共に色濃く鮮やかに映し出しています。

 と固いことを言っていてもしょうがないので、まずは写真から見ていただきたい!

 ね、トキメキません? 出演した女優陣も取材時に「もらえるなら衣装をもらいたい……」というくらいほれ込んだ衣装たち。ディスコで目立つハデさはあるけれども、ケバケバしくはない美しさ。それもそのはず、製作陣はかな~り綿密な調査を重ねてこの衣装を生み出しているんですから。

「ゲットダウン」の衣装倉庫

 撮影スタジオ近くにあった衣装倉庫には衣装だけではなく、ラフスケッチや写真資料がびっしり。しかも当時どのような服が流行ったか年別に並べられており、それもまたオシャレ。

衣装のラフスケッチ

 ではどれほどの量の衣装が用意されているのかといえば、靴だけが詰め込まれた段ボールが軽く10、11、いや20個以上は金属ラックに並ぶほどでした。男性陣の衣装も非常にキュート。個人的にジェイデン・スミスのボタンが大量についているデニムのジャケットがお気に入り。

これこれ!かわいいでしょ?
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<魂で踊れ!>

 こんなに美しい衣装を着た人間が集まるのに、ダサいハコなんてありえないでしょ? ということでディスコのセットも超きらびやか。CGだけに頼らず飾りから作ったセットのいやらしくないゴージャスさは、もはやインスタレーション(空間芸術)の域。ニューヨークのスラムであるブロンクスが、こんなにステキな場所を抱えていたなんて……ああ……。

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超絶キュートなヒロイン役のヘリゼン・グアルディオラちゃん

 こんなにいいハコで踊る出演者たちのダンスは……もちろんソウルフル! 人々の魂を突き動かすダンスとは一体何か。ヒロインを演じたヘリゼン・グアルディオラによると、出演者たちは、当時の情熱的なダンスを習得するため、約1か月のブートキャンプを行ったそう。1日8時間ひたすら1970年代のダンスを踊り続けた日もあったとか。しかも訓練室も70'sチックに飾り付けられていたんですって! 身も心も70'sに染まった魂のダンスを見よ。

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<バズ・ラーマンの超絶マッシュアップ>

 「ダンス、ファッションの良さは認めるけれども、ヒップホップはやっぱり音楽っしょ! そこんとこどうなの?」……最高よ!! もうそんな人はいないでしょうけど一応……甘く見ないでちょうだい! むしろ音楽でこそ、バズ・ラーマンの本領が発揮されているんです。

 本作の脚本家のネルソン・ジョージが認めるように、「ゲットダウン」ではバズが得意とするマッシュアップの才能が爆発! 当時のレコード、当時の音楽を下地にしつつも劇中の登場人物が作り上げる新しい音楽、そして劇中音楽の三つが混ざり合い、当時の趣を残しつつ、どこか新しさを感じさせる音楽に仕上がっています。

 それにすごいのは、ヒップホップだけじゃなくて、ディスコ、ニューウェイブさらにはオペラ的な音楽も融合させていること! 今までの映画やテレビドラマではたどり着けなかった未知の領域に到達した、とネルソンが自信満々で笑うのも納得です。

 もちろんちゃんと、ヒップホップの起源にも迫っています。創始者といわれているクール・ハークとアフリカ・バンバータ、そしてグランドマスター・フラッシュといった当時の生き字引ともいえる伝説のDJが音楽面をサポート。DJが支配していた1970年代の“ヒップホップ”の再現に取り組んでいるんです。

キャストたちと交流するグランドマスター・フラッシュ

 ……そういえば、グランドマスター・フラッシュが「今の若者は知らないだろうが……」と言っていたことがありました。それは「初めてラップのレコードが発売される10年前から広い意味での“ヒップホップ”はあった」こと。しかもその時のヒップホップは、ドイツの音楽やアフリカの音楽、日本の音楽、ロンドンの音楽などを組み合わせて創り上げるものだったんです。

 ちなみに、バズ・ラーマンいわく出演者たちは全員ラップができるのだとか。もちろん1970年代が舞台なのでJAY Zなどの今のスタイルだとマズイので、オールドスクールの代表格であるカーティス・ブロウがラップのコーチングをしたそう。

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<クリエイトする力の原点>

ジャスティス・スミスとバズ・ラーマン

 音楽・ダンス・ファッションにおいて、1970年代の良さをこれでもかとばかりに詰め込んでいる「ゲットダウン」ですが、一つ加えておきたいのは、きちんと当時の情勢も組み込んでいること。文化の起源には全て意味があるのです。

 主人公を演じたジャスティス・スミスは、演者として当時の文化を追体験していく中で、「当時は、ヒップホップで新たなものを生み出したいという欲求や必要性が強かった。サウス・ブロンクスのゲットーでの暴力を緩和するという目的があったし、また、オールドスクールのヒップホップには情熱とメロディーがあった」と思ったのだそう。そう語っていたのはジャスティスだけではありません。ほかのキャストたちも「この時代にはクリエイトする力があった」と口をそろえていました。

 どうして当時のそのクリエイティブな発想が、今は失われつつあると出演者たちは感じたのでしょうか。バズ・ラーマンはこのように分析しています。

 「当時はあらゆるところで、バトルが繰り広げられていた。ダンスバトルはもちろん、パンクの世界でも。音楽を通じて自己表現するというムーブメントが、音楽だけでなく、さまざまなものを変えていったんだ。ペンは持っていないけれど、スプレー缶は手に入るから、それで電車の壁に自分の名前を刻む、とか。このドラマで登場人物の一人は言うんだ。『もし、翌日、消されてしまうとしても、1日だけでもぼくは無名じゃなくなる。何者かになれる』とね。この気持ちこそが、全てのムーブメントを動かしていた原動力だと思う」。

 んんんんんん、かっこよすぎィ!!!! なぜ今、70'sがキているのかわかってきた気がしてきませんか?

ドラマ「ゲットダウン」はNetflixで配信中

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