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第71回ベネチア国際映画祭特集

第71回ベネチア国際映画祭

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第71回ベネチア国際映画祭

8月27日~9月6日(現地時間)に開催される第71回ベネチア国際映画祭。塚本晋也監督作『野火』をはじめ、コンペティション部門に選出された全20作品を紹介します!

第71回ベネチア国際映画祭ニュース
ア・ピジョン・サット・オン・ア・ブランチ・リフレクティング・オン・イグジステンス(英題)
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ア・ピジョン・サット・オン・ア・ブランチ・リフレクティング・オン・イグジステンス(英題)

【製作国】スウェーデン、ドイツ、ノルウェー、フランス
【監督】ロイ・アンダーソン
【キャスト】ホルガー・アンダーソン、ニッセ・ ヴェストブローム

【ストーリー】
人生に嫌気が差した2人の男。彼らが売り歩いているジョークアイテムは、現在と過去、未来が交錯する混沌とした世界を見ることができるというもの。そこは夢とファンタジーの世界。生命の壮大さや人間の弱さを思わせる、さまざまな出来事が目の前に現れる。

【ここに注目】
『散歩する惑星』がカンヌ国際映画祭審査員に輝いた、スウェーデンの鬼才、ロイ・アンダーソン監督のファンタジックコメディー。『散歩する惑星』『愛おしき隣人』と共に構成された3部作“リビング・トリロジー”の3作目として製作された本作は、ブリューゲルの名画「雪中の狩人」にインスパイアされているのだとか。アンダーソン監督らしいダークなユーモアセンスあふれる世界観に期待したい。

ザ・ポストマンズ・ホワイト・ナイツ(英題)
ザ・ポストマンズ・ホワイト・ナイツ(英題)

【製作国】ロシア
【監督】アンドレイ・コンチャロフスキー
【キャスト】アレクセイ・トリャピツィン、イリーナ・エルモロワ

【ストーリー】
ロシアにある人里離れた村。本土に行くには湖をボートで渡らなければならず、村人はまるで新石器時代のような暮らしをしていた。ある日、郵便配達員のボートのエンジンが盗まれ、手紙を配達できなくなってしまう。彼は都会に行くが、間もなく戻ってくる。

【ここに注目】
ロシアの寂れた村を舞台に、唯一外の世界とのつながりを持つ郵便配達員を主人公にしたドラマ。監督は、1979年に『シベリアダ(原題)/Sibiriada』でカンヌ国際映画祭審査員特別グランプリを受賞したロシアの巨匠アンドレイ・コンチャロフスキー。実在の人物からアイデアを得て、村人たちが実際に演じているという。

ザ・ルック・オブ・サイレンス(原題)
ザ・ルック・オブ・サイレンス(原題)

【製作国】デンマーク、フィンランド、インドネシア、ノルウェー、イギリス
【監督】ジョシュア・オッペンハイマー

【ストーリー】
1965年にインドネシアで起きた大量虐殺の生存者家族が、殺された息子の無念を晴らそうと犯人捜しを試みる。悲劇の後に生まれ、死んだ兄の代わりという重荷を背負わされた末息子が、長い間沈黙を守ってきた家族の中で成長していく。

【ここに注目】
日本でも大ヒットを記録したドキュメンタリー『アクト・オブ・キリング』のジョシュア・オッペンハイマー監督の最新作。今回もインドネシアの大虐殺をテーマに、混乱の中を奇跡的に生き延び、自分たちの息子を殺害した相手を見つけようとするある家族の苦難の道のりに肉迫。

シヴァス(原題)
シヴァス(原題)

【製作国】トルコ
【監督】カーン・ミュデジ
【キャスト】ドーガン・イズジ、エズギ・エルギン

【ストーリー】
11歳の少年アスランは、かつかつの暮らしを守るのに必死の父、控えめな母、そして生気が感じられない兄とアナトリアの荒地で暮らしていた。思うようにいかない生活にうんざりしていた彼は、ある日、闘犬シヴァスを飼うことになる。

【ここに注目】
これがデビュー作となるトルコの新人監督カーン・ミュデジが、脚本とプロデュースも兼任したヒューマンドラマ。主人公の少年をはじめ、ほとんどが映画初出演の役者たちを起用している。

ハングリー・ハーツ(英題)
ハングリー・ハーツ(英題)

【製作国】イタリア
【監督】サヴェリオ・コスタンツォ
【キャスト】アダム・ドライバーアルバ・ロルヴァケル

【ストーリー】
ニューヨークで暮らすカップルのミナとジュードの2人に待望の赤ちゃんが生まれる。喜びもつかの間、夫妻はあるスピリチュアルカウンセラーから、赤ちゃんがインディゴチャイルドだと告げられる。

【ここに注目】
マルコ・フランゾソの小説「Il Bambino Indaco」の映画化。インディゴチャイルドとはスピリチュアル界に伝わる感性の強い新世代の子を示す。人間の優しさに潜む悪を浮き彫りにしていくサスペンス。『素数たちの孤独』に続き、原作+女優アルバ・ロルヴァケルの起用で再び大舞台に臨む。『フランシス・ハ』『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』のアダム・ドライバーの出演も話題に。

ル・デルニエ・クープ・ドゥ・マルトゥー(原題)
ル・デルニエ・クープ・ドゥ・マルトゥー(原題)

【製作国】フランス
【監督】アリックス・ドゥラポルト
【キャスト】クロティルド・エスム、グレゴリー・ガドゥボワ

【ストーリー】
ヴィクトールはモンペリエのオペラ座にやって来た。彼は音楽のことなど何一つ知らなかったが、オペラ座でまだ見ぬ父親がマーラーを指揮するために来ていたのだ。この出来事がヴィクトールの未来を揺り動かす。

【ここに注目】
フランスの女性監督、アリックス・ドゥラポルトの長編2作目となるドラマ。ドゥラポルトはテレビのニュース番組や短編映画を手掛け、『エンジェル・アンド・トニー(英題)/Angel & Tony』で長編デビュー。その作品に出演したクロティルド・エスムとグレゴリー・ガドゥボワが本作にも出演している。短編作品ではベネチア国際映画祭短編部門で銀獅子賞を獲得しているが、コンペティション選出は今回が初。

テイルズ(英題)
テイルズ(英題)

【製作国】イラン
【監督】ラフシャーン・バニー・エッテマード
【キャスト】ゴラブ・アディネ、ファラッド・アスラニ

【ストーリー】
7人の登場人物それぞれの人生の旅。彼らの人生は風変わりな出来事ばかりではない。ごく平凡な境遇にいる、どこにでもいる人たちの物語である。

【ここに注目】
ラフシャーン・バニー・エッテマードは、『アンダー・ザ・スキン・オブ・ザ・シティー(英題) /Under the Skin of the City』で2001年モスクワ国際映画祭の特別審査員賞を受賞したイランを代表する女性監督。今回のベネチア国際映画祭で世界三大映画祭に初参加。本作は、「過去の監督の作品に登場するキャラクターが現代の社会に暮らしていたら?」という視点で七つの短編が紡がれる。

ザ・カット(英題)
ザ・カット(英題)

【製作国】ドイツ、フランス、イタリア、ロシア、カナダ、ポーランド、トルコ
【監督】ファティ・アキン
【キャスト】タハール・ラヒム、シモン・アブカリアン

【ストーリー】
1915年トルコの都市マルディン。鍛冶屋のナザレはアルメニア人虐殺の危機から逃れ、国を追われた。月日がたったあるとき、生き別れた双子の娘の生存のうわさを聞き、娘たちを捜す旅に出る。

【ここに注目】
主人公は旅の道程で、善人や人間の姿をした悪魔などさまざまな人たちに出会う。『そして、私たちは愛に帰る』でカンヌ国際映画祭脚本賞に、『ソウル・キッチン』でベネチア国際映画祭審査員特別賞に、『愛より強く』でベルリン国際映画祭金熊賞を受賞したドイツ人監督、ファティ・アキンが「悪」をテーマに、人間の本質をあぶり出すドラマ。911アメリカ同時多発テロを機に製作された『愛より強く』『そして、私たちは愛に帰る』に続く、「愛・死・悪」3部作の最終章。本作は本年のカンヌ国際映画祭に一度は出品したのちに撤回したという逸話があるだけに注目度は高い。

ナインティナイン・ホームズ(原題)
ナインティナイン・ホームズ(原題)

【製作国】アメリカ
【監督】ラミン・バーラニ
【キャスト】アンドリュー・ガーフィールドマイケル・シャノン

【ストーリー】
経済危機のあおりを受けてデニス・ナッシュのローン返済は滞る。すると不動産ブローカーのカーヴァーが銃を持って現れ、彼と母親と9歳の息子が暮らす家から退去せざるを得なくなるよう彼らを脅かしていく。

【ここに注目】
米国の不動産バブルを背景にしたクライシス(危機)が題材の社会派ドラマ。弱みにつけこまれ、悪徳だと知りつつ担当の不動産ブローカーと働くことになった主人公が、業界の裏側に迫っていく。保身と良心のはざまで揺れ動く主人公の心理描写が見もの。『グッバイ・ソロ』(日本未公開)でベネチア国際映画批評家連盟賞を受賞したイラン系アメリカ人監督の手腕に期待がかかる。

ラ・ランソン・ドゥ・ラ・グロワール(原題)
ラ・ランソン・ドゥ・ラ・グロワール(原題)

【製作国】フランス、ベルギー、スイス
【監督】グザヴィエ・ボーヴォワ
【キャスト】ブノワ・ポールヴールドロシュディ・ゼム

【ストーリー】
1970年代、スイスの小さな村ヴヴェイ。刑務所から出所したエディ(ブノワ・ポールヴールド)は、友人オスマン(ロシュディ・ゼム)の世話になることに。クリスマスイブの日、お金がない二人は、テレビで俳優チャップリンが亡くなったことを知る。それを見たエディは、チャップリンの遺体を盗み、遺族に身代金を要求することを思い付くが……。

【ここに注目】
『神々と男たち』でカンヌ国際映画祭グランプリを獲得したグザヴィエ・ボーヴォワ監督によるコメディー。身代金目当てにチャップリンの遺体を盗もうとする2人の男の物語。チャールズ・チャップリンの孫で女優のドロレス・チャップリンが、チャップリンの遺族の役で出演する。

パゾリーニ(原題)
パゾリーニ(原題)

【製作国】フランス、ベルギー、イタリア
【監督】アベル・フェラーラ
【キャスト】ウィレム・デフォーリッカルド・スカマルチョ

【ストーリー】
1975年11月2日、権力と闘うアーティストのピエル・パオロ・パゾリーニが、ローマ郊外のオスティアビーチで轢殺(れきさつ)された。当時17歳だった少年が出頭し過失を認めるが事態は一転、2005年に証言を撤回する。

【ここに注目】
イタリア人女優ジアダ・コラグランデを妻に持つ俳優ウィレム・デフォーと、アベル・フェラーラ監督が『4:44 地球最期の日』に続いて再タッグ。イタリアが輩出した偉大なる詩人にして哲学者でもある映画人ピエル・パオロ・パゾリーニの最期の日を描く伝記映画。しかし死の真相を究明する内容ではなく、『ソドムの市』が物語のカギとなるもよう。本映画祭への出品数は多い監督だが最高賞はまだ得ていない。ちなみにデフォーは流暢(りゅうちょう)なイタリア語を話すそうで、彼以外はイタリア人キャストを起用している。

マングルホーン(原題)
マングルホーン(原題)

【製作国】アメリカ
【監督】デヴィッド・ゴードン・グリーン
【キャスト】アル・パチーノホリー・ハンター

【ストーリー】
小さな町で錠前屋を営むアンジェロ・マングルホーンはつつがなく日々を過ごす。彼にとって40年前に離婚した妻のクララが心の支えであり、彼女がいつの日か自分のもとに戻ってくることを信じて手紙を送り続けていた。

【ここに注目】
ポール・ローガンとデヴィッド・ゴードン・グリーン監督の原案を基に、ローガンが脚本を執筆。昨年の本映画祭コンペ出品作『ジョー(原題)/Joe』でタイ・シェリダンにマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人賞)をもたらしており、コメディー映画『セルフィッシュ・サマー』(日本未公開)ではベルリン映画祭の銀熊賞(監督賞)を獲得するなど今波に乗っている監督の一人。本作には名バイプレーヤーのクリス・メッシーナと作家で映画監督のハーモニー・コリンも出演。

バードマン(原題)
バードマン(原題)

【製作国】アメリカ
【監督】アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
【キャスト】マイケル・キートンエマ・ストーン

【ストーリー】
若かりし日にスーパーヒーローを演じて一世を風靡(ふうび)した中年俳優が、レイモンド・カーヴァー著の短編集「愛について語るときに我々の語ること」を翻案したブロードウェイ舞台の初日にトラブルに見舞われ、自分を取り戻すべく努めるが……。

【ここに注目】
国際映画祭の常連アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の新作は、『バットマン』と『バットマン リターンズ』でブルース・ウェインを演じたマイケル・キートンが、自身をモデルとしたような元アメコミヒーローの役者を演じるブラックコメディー。予告編からはシニカルで哀愁漂う作品のトーンがうかがえる。

トロワ・クール(原題)
トロワ・クール(原題)

【製作国】フランス
【監督】ブノワ・ジャコー
【キャスト】ブノワ・ポールヴールドシャルロット・ゲンズブール

【ストーリー】
パリへ戻る列車に乗り損ねたマルク(ブノワ・ポールヴールド)は、シルヴィー(シャルロット・ゲンズブール)という女性と出会う。二人は一晩中しゃべりながら街をさまよい、数日後にパリで会う約束をする。後日、シルヴィーは待ち合わせ場所に行くが、マルクは間に合わず、二人はすれ違う。そして、マルクはソフィーという女性と出会うが、そのときはまだソフィーがシルヴィーの姉妹とは知らなかった。

【ここに注目】
『発禁本-SADE』『マリー・アントワネットに別れをつげて』などのブノワ・ジャコー監督が、4度目のコンペノミネート。本作は、ハリウッドのメロドラマの名匠、ジョン・M・スタールの作品にインスパイアされたという。シャルロット演じるソフィーの姉妹役にキアラ・マストロヤンニ、二人の母親にキアラの実母であるカトリーヌ・ドヌーヴがふんする。

イル・ジョヴァネ・ファヴォロソ(原題)
イル・ジョヴァネ・ファヴォロソ(原題)

【製作国】イタリア
【監督】マリオ・マルトーネ
【キャスト】エリオ・ジェルマーノミケーレ・リオンディーノ

【ストーリー】
19世紀のイタリア。詩人のレオパルディ(エリオ・ジェルマーノ)はレカナーティにある父の書斎を飛び出し、ナポリに移り住む。折しも、ナポリにはコレラが蔓延(まんえん)していた。

【ここに注目】
38歳でこの世を去ったイタリアの詩人ジャコモ・レオパルディの生涯を、『われわれは信じていた』(日本未公開)のマリオ・マルトーネ監督が映画化。同監督は1992年の長編デビュー作『モルト・ドゥ・アン・マトマティコ・ナポリターノ(原題)/Morte di un Matematico Napoletano』でベネチア国際映画祭審査員特別賞を受賞。本作で主人公レオパルディを演じるのは『NINE』などに出演するエリオ・ジェルマーノ。

アニメ・ネーレ(原題)
アニメ・ネーレ(原題)

【製作国】イタリア、フランス
【監督】フランチェスコ・ムンツィ
【キャスト】マルコ・レオナルディバルボラ・ボブローヴァ

【ストーリー】
3人の兄弟たちが、故郷のイタリア・カラブリア州アスプロモンテに戻ってくる。彼らは裏の世界で暗躍する非道なマフィア組織ドランゲタにこそ属してはいないものの、多くの犯罪に関与していた。

【ここに注目】
『ゴモラ』などの脚本を手掛けたマルリツィオ・ブラウッチが脚本を担当し、イタリアにはびこる悪をテーマにつづる社会派ドラマ。『レジェンド・オブ・メキシコ デスペラード』のマルコ・レオナルディや、『幸せのバランス』のバルボラ・ボブローヴァが出演。監督は、『Samir(原題)/サミール』でオリゾンティ部門ルイジ・デ・ラウレンティス新人監督賞特別賞を受賞しているイタリアの新鋭フランチェスコ・ムンツィ。

グッド・キル(原題)
グッド・キル(原題)

【製作国】アメリカ
【監督】アンドリュー・ニコル
【キャスト】イーサン・ホークゾーイ・クラヴィッツ

【ストーリー】
かつて戦闘機パイロットだった男が、遠隔操作で軍用偵察機を操るパイロットに転身。タリバン兵と戦う12時間の任務に就くことに。しかしながら自分の任務遂行がさらなるテロリストを生み出すのではないかといった疑問を抱き始める。

【ここに注目】
アンドリュー・ニコル監督にとって世界三大映画祭への出品は本作が初! 武器商人を主人公にした『ロード・オブ・ウォー』では戦争の闇を世に知らしめ、格差社会を題材にしたSF『TIME/タイム』は日本でも大ヒットを記録。ニコル監督によるオリジナル脚本で、製作陣はニュースだけでは知り得ない世界情勢を描写していると自信たっぷり。海外ドラマ「MAD MEN マッドメン」で注目を浴びているジャニュアリー・ジョーンズが、主人公の妻役で出演。

ロワン・デ・ゾム(原題)
ロワン・デ・ゾム(原題)

【製作国】フランス
【監督】ダヴィド・オールホッフェン
【キャスト】ヴィゴ・モーテンセンレダ・カテブ

【ストーリー】
フランスの支配からの脱却を求めて繰り広げられるアルジェリア戦争下、アルジェリアの山あいの村に赴任していたフランス人教師がいた。小さな村でも独立の気運が高まる中、彼は自由を手に入れるための戦いを余儀なくされる。

【ここに注目】
『イースタン・プロミス』のヴィゴ・モーテンセンと、『黒いスーツを着た男』のレダ・カテブら実力派俳優陣が共演する歴史ドラマ。アルジェリア戦争を背景に、自由を求めて立ち上がる男の孤独な闘いを映し出す。『アン・モン・アブサンス(原題)/En Mon Absence』で、世界最古の短編映画祭クレルモンフェラン短編国際映画祭の審査員特別賞を獲得した新鋭監督の実力が試される。

野火
野火

【製作国】日本
【監督】塚本晋也
【キャスト】塚本晋也、リリー・フランキー

【ストーリー】
太平洋戦争末期のフィリピン戦線で、敗走を続ける田村一等兵は熱帯の原野へと踏み込んでいく。どこに敵が潜んでいるかもわからない極限状況下、彼は強烈な孤独感と飢えに苦しみながらも、生への執着を捨てられずにいた。

【ここに注目】
かつて本映画祭で審査員を務め、『六月の蛇』でコントロ・コレンテ部門審査員特別賞、『KOTOKO』でオリゾンティ部門グランプリに輝くなど、ベネチア国際映画祭と縁の深い塚本晋也監督が、大岡昇平の同名小説を実写映画化した衝撃作。『鉄男 THE BULLET MAN』以来2度目のコンペ出品となる監督の健闘に期待が高まる。

レッド・アムニージア(英題)
レッド・アムニージア(英題)

【製作国】中国
【監督】ワン・シャオシュアイ
【キャスト】チン・ハオチン・ハイルー

【ストーリー】
静かに隠居生活を過ごしていた老女の家に、ある日、突然見ず知らずの少年が転がり込んでくる。日々の平穏な暮らしのリズムを乱され、すっかり混乱した彼女は、事の真相を探り出そうと試みるが……。

【ここに注目】
『我らが愛にゆれる時』(日本未公開)でベルリン国際映画祭銀熊賞、『Qing hong(原題)/チン・ホン』でカンヌ国際映画祭審査員特別賞を受賞したワン・シャオシュアイ監督が、貴州省貴陽市(きしゅうしょうきようし)を舞台に描くサスペンス。『東京に来たばかり』のチン・ハオや、『101回目のプロポーズ ~SAY YES~』のチン・ハイルーらが出演する。

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