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実話に基づく「幸せの」家族映画特集

今週のクローズアップ

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今週のクローズアップ 実話に基づく「幸せの」家族映画特集

 「事実は小説よりも奇なり」というように「これが本当に実話なの!?」と言いたくなるくらい奇想天外で、かつ「幸せ」になれる映画を、モデルとなった実在の人物と共にご紹介!
ホームレスから億万長者に! 『幸せのちから』

 ウィル・スミスと息子ジェイデン・スミスの親子共演でも話題を呼んだ『幸せのちから』。ホームレスから億万長者となり、見事アメリカンドリームをかなえた実在の人物、クリス・ガードナーの半生を描いた感動作。この作品でウィルは第79回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。

 舞台は1981年のサンフランシスコ。医療機器のセールスマンとして生計を立てていたクリスだったが、思うように売れず、家賃や税金さえも払えなくなってしまう。しまいには妻にも出て行かれ家をも追い出された彼は、どん底の状態を脱するため証券会社の正社員を目指してインターンシップに申し込むことに。しかし、正社員になれるのはたった一人という狭き門。その上、6か月の研修期間は無給であった。教会の無料ベッドがいっぱいの日には、幼い息子を連れて駅のトイレで寝泊まりすることも。それでもクリスは愛する息子のために自分を信じ進み続けるのである。

 幼い頃から貧困や虐待に苦しんでいたクリス・ガードナーはそんな世界の現実を知ってもらおうと、2006年に自叙伝「幸せのちから」を執筆する。本はまたたく間にベストセラーとなり、30か国語以上に翻訳された。彼は映画に登場するウィッター社で働いた後、わずかな資本を元手にガードナー・リッチという投資会社を設立し、今ではアメリカ有数の大企業へと上り詰めた。また、少年期やホームレス時代の苦しい経験から慈善事業にも積極的に取り組んでおり、中でもホームレス時代お世話になったサンフランシスコの教会には今もなお寄付を行っている。映画化に際しては、クリス本人がアソシエイト・プロデューサーを務め、ラストシーンではほんのわずかではあるが出演も果たした。

 

映画『幸せのちから』より
Sony Pictures / Photofest / MediaVast Japan

クリス・ガードナー本人とウィル・スミス
Lester Cohen / WireImage / Getty Images

独りぼっちの黒人少年とある家族の物語 『しあわせの隠れ場所』

 サンドラ・ブロックが第82回アカデミー賞で主演女優賞を受賞した映画『しあわせの隠れ場所』ブラッド・ピット主演で映画化された『マネーボール』の原作者としても知られる作家のマイケル・ルイスがアメフト全米代表のスター選手、マイケル・オアーの生い立ちをつづった「ブラインド・サイド アメフトがもたらした奇蹟」の映画化。カントリー歌手のティム・マッグロウや『ミザリー』でオスカーを獲得したキャシー・ベイツ、そして歌手フィル・コリンズの娘でいま最も注目されている若手の一人、リリー・コリンズが出演しているのも見逃せない。

 マイケル・オアーは父親の顔も知らず、薬物中毒の母親とは引き離され、ホームレス同然で育った。ある真冬の夜、半袖・短パンで歩く彼に、偶然車で通りかかったリー・アンは声を掛ける。彼の境遇を知ったリー・アンと家族は周囲に反対されながらも、彼をテューイ家の一員として迎え入れることを決意する。マイケルはリー・アンに隠れた才能を見いだされ、次第にアメフトの才能を開花させていく。

 2006年マイケル・オアーの生い立ちをつづった本が出版され、たちまち全米中に驚きと感動が広がった。マイケルは大学時代からアメフト選手として活躍し、AP通信が選ぶオールアメリカのファーストチームにも選抜された。卒業後の2009年に行われたNFLドラフトでは、1巡目23位でボルティモア・レイブンズから指名を受け、1年目にして全試合に出場し、チームのプレーオフ進出に貢献した。また、2011年には「I Beat the Odds」という自叙伝を発表し、現在もレイブンズの選手としてプレイしている。

 

映画『しあわせの隠れ場所』より
Warner Bros. / Photofest / ゲッティ イメージズ

アメフト選手として活躍するマイケル・オアー本人
George Gojkovich / Getty Images

新しいお家は動物園!? 『幸せへのキセキ』

 最後に紹介するのは6月8日公開の映画『幸せへのキセキ』。イギリスのコラムニスト、ベンジャミン・ミーの実体験を基に『あの頃ペニー・レインと』キャメロン・クロウ監督がメガホンを取る。出演は『ボーン』シリーズのマット・デイモン『それでも恋するバルセロナ』スカーレット・ヨハンソンら。シガー・ロスのヨンシーが手掛ける音楽にも注目したい。

 半年前に愛する妻を亡くしたベンジャミンは悲しみを癒やす間もなく子育てに追われ、息子のディランと娘のロージーもいまだ悲しみと混乱の中にいた。そんなある日、ベンジャミンは突然仕事を辞め、何とか家族の絆を取り戻そうと郊外に家を買う。しかし、なんとそこは閉鎖中の動物園というとんでもないオマケ付きだった。ベンジャミンは動物園の再建を決意するも、慣れない事業にトラブルは続出、資金も底を突いてしまう。それでもベンジャミンは飼育員や地域の人に支えられながら、動物園の再建という名の冒険に立ち向かう。

 この映画のモデルとなった実在のベンジャミン・ミーはもともとイギリスの日刊紙「ガーディアン」のコラムニストであった。2007年に動物園はオープンし、彼はこの驚くべき経験を新聞のコラムに掲載した。その後、「Ben’s Zoo」というドキュメンタリー番組として人気を博し、翌年そのコラムをまとめた本、「We Bought a Zoo」(日本では「幸せへのキセキ 動物園を買った家族の物語」として2012年6月発売)はたちまちベストセラーとなった。映画化のおかげで動物園も大繁盛し、先月ついに最高の入園者数を記録したそうだ。現在は動物園の経営に加え、講演活動を積極的に行い、夢を追う人たちの後押しをしている。

映画『幸せへのキセキ』より
(C) 2012 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.

ベンジャミン・ミー本人と子どもたち

文・構成:シネマトゥデイ 中山雄一朗

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