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第31回こはたあつこ「アカデミー賞授賞式にビリー・クリスタルが戻ってうれしい!の巻」

うわさの現場潜入ルポ

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こはたあつこのうわさの現場潜入ルポ
第31回 アカデミー賞授賞式にビリー・クリスタルが戻ってうれしい!の巻

取材・文:こはたあつこ 写真:Andrew Marx & こはたあつこ
第84回アカデミー賞授賞式が、ハリウッドのコダック・シアターで現地時間2月26日に開催されました。今年は紫色のドレスを着用したわたし。長いすそをたくし上げながら、ハリウッド周辺に張り巡らされた道路封鎖をくぐり抜けていきます。いくつかのセキュリティーを通った後、さあ今年のレッドカーペットにレッツゴー!
すべてのカギの握る女性

中に入ると、今年もエネルギーでいっぱい! ドレスやタキシードを着た各国のレポーターたちがスポットライトを浴びて、さまざまな国の言葉でしゃべっています。そして、あ、あったー! 「コダック・シアター」の看板! 米コダック社の倒産で今年は別の名前のシアターになるかもしれないといわれていたのですが、かろうじて今回は大丈夫でした。でも、これが見納めですね。

レッドカーペット観覧席には、抽選で当たった一般の人たちがみんなうれしそうに座っています。何てったって、世界が注目するアカデミー賞の特等席ですからね。お友達や家族と一緒にさまざまな地域から来て楽しんでいます。そんな彼らが歓声を上げ始めると、いよいよスターの登場です!

アンジェリーナ・ジョリーブラッド・ピットジョージ・クルーニーメリル・ストリープ……。ゴージャスなドレスを着たスターたちが続々と登場! やっぱりみんな輝いています! 歓声とカメラのフラッシュが最高潮に達した後、いよいよ第84回アカデミー賞授賞式の始まり始まりー!

あっと驚く「ハリウッド」の地名の由来!

今年で9回目となるビリー・クリスタルの司会で、華々しく始まった第84回アカデミー賞。ビリー、よくぞ帰って来てくれました! 去年のジェームズ・フランコ&アン・ハサウェイの司会はかわいそうなほど、寒かったですからね……。

実は今年は、エディー・マーフィが司会をすることになっていたのですが、途中で降板急きょビリーがやることに。で、これが大正解! 今までほかのコメディアンを見てみると、しゃべりでショーを引っ張る傾向が強いのですが、ビリーの場合は、パロディー映画を作ったり、パロディーソングをミュージカル仕立てで歌ったりして、ショー全体をエンターテインメントで盛り上げてくれるのです。

今年の作品賞候補のパロディー映画では、ジョージ・クルーニーがキスをする奥さんにビリーがふんして笑わせてくれました。こういう映像的なジョークの方が、日本人などのアメリカ以外の人たちにわかりやすいんですよね。そのせいか、今年の授賞式の視聴率は去年よりも4ポイントもアップしたそうです。そのほか、シルク・ドゥ・ソレイユがアクロバティックなショーを披露したりして、エンタメ性の高いショーとなりました。

今年の作品賞を受賞した『アーティスト』は、無声映画時代のスター俳優が、トーキーの時代の波に乗れず、すべてを失うが、最後は復活するというお話。「ほかにもいい作品があったのに、なぜこの作品が?」と思った方たち。わたしなりに分析してみました。その理由は二つ。

一つは手法がとっても「新鮮」だったということ。この作品は、無声映画の時代の話を実際に白黒の無声映画で撮り、セリフなしで撮影したのです。これは、CGをふんだんに使う最近の映画の中で、とっても新鮮に映ったんだと思います。

同時に、テーマは無声映画時代の話であっても、今の時代にぴったりだったということ。というのも、主人公は時代の波に乗れず苦悩する男。大勢のアメリカ人たちは、これを観て共感したんじゃないでしょうか。だって、特にエンタメ業界では、インターネットの波や経済の変動に付いていけず、職を失っている人が多いのです。実は、今回『アーティスト』との接戦だった『ヒューゴの不思議な発明』も映画業界の時代の波に付いていけなかった人物が登場しているんですよ。

「ハリウッドサイン」もホイットリー氏の発案だった!

主演女優部門では、メリル・ストリープが3回目の受賞を果たしましたねー! 下馬評では、『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』ヴィオラ・デイヴィスとの接戦になるといわれていたんです。というのも、メリルは17回目のノミネート。しかもすでに主演女優賞は2回受賞しているので、会員たちがヴィオラにあげたいと思うんじゃないかと。でも、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』でのメリルを見過ごすには、あまりにもうますぎた。だって、80代のちょっと前かがみになったメリルのサッチャー夫人は、信じられないほどリアルでしたからね。わたしは、メリル自身が実際に年老いたのかと勘違いしたくらいです。

そんなメリルは、授賞式後のコメントで、今回彼女が受賞できたのは、「ずっとメイクを担当してくれているヘランド氏のおかげ」と説明。「彼は何を足すか、何を引くかの判断が非常に上手。今回も完全にサッチャーに似せるのではなく、わたし自身の顔を残してくれたことで、良い演技ができた」とコメント。さすが、うまい人は言うことが違う!

主演男優賞の方は、『アーティスト』のフランス人俳優ジャン・デュジャルダンが受賞。確かに彼は良かったけど、でも、ジョージ・クルーニーやブラッド・ピットなど、ハリウッドで頑張っている俳優さんにあげても良かったのになぁと思っちゃいました。

アカデミーの会員たちは、とかくハリウッドのハンサム系の男優を飛び越えて、外国人俳優に主演男優賞をあげることが多いんですよね。「自分の国のハンサム俳優にあげるくらいだったら、外国のハンサムか自分のとこの性格俳優にあげるぞっ!」て感じですかね。ハリウッドの業界人の間で人気の高いクルーニーでも、オスカーには至りませんでした。ちょっとかわいそうな気もするけど、また来年に向けて頑張ってもらうしかないですね。

いずれにしても、これで一段落ついた今年のアカデミー賞。候補者の皆さん、数か月にわたるキャンペーン活動、お疲れさまでしたー! 後はゆっくり休んでくださいね。わたしも爆睡するぞー。

レッドカーペットの抽選席に当たったラッキーな人たち。きゃあ、ブラピだわー!!
見納めの「コダック・シアター」という名前。
レッドカーペットの守り神、オスカー!
オスカーは取れなかったけど、彼女が黄金のオスカー像みたいだから、ま、いいか。© A. M. P. A. S.
カーミットとミス・ピギーも仲良く登場。© A. M. P. A. S.
クリストファー・プラマー、82歳で助演男優賞受賞。© A. M. P. A. S.
何ともゴージャスな観客!© A. M. P. A. S.
ビリーよ、帰ってきてくれてありがとー!© A. M. P. A. S.
レッドカーペットで準備するプレス。© A. M. P. A. S.
人間業とは思えないアクロバットを披露したシルク・ドゥ・ソレイユ。© A. M. P. A. S.
「あーら、受賞しちゃたわー!」女優たちから尊敬されるメリル・ストリープ。© A. M. P. A. S.
アンジーのこの大胆なポーズは今年の話題「わたしの足を見なさい!」© A. M. P. A. S.
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