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第28回

今月の5つ星

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シネマトゥデイが選ぶ 今月の5つ星

ナタリー・ポートマンが見事アカデミー賞主演女優賞を獲得したスリラー『ブラック・スワン』、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ待望の最新作、評論家・川本三郎のノンフィクションを妻夫木聡&松山ケンイチ共演で映画化した『マイ・バック・ページ』など、人気スターの熱演を堪能できる話題作が勢ぞろい!

  • 『ブラック・スワン』
  • 『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉』
  • 『アジャストメント』
  • 『マイ・バック・ページ』
  • 『クロエ』
5月11日公開 ナタリー演じる純真無垢なバレリーナの変貌に圧倒される 『ブラック・スワン』 作品情報

第83回アカデミー賞でナタリー・ポートマンが主演女優賞を受賞し、公開前から早くも話題を呼んでいたダーレン・アロノフスキー監督最新作『ブラック・スワン』。本作でナタリーは、役づくりのために9キロも減量し、プリマを目指すプレッシャーを背負いながら、次第に追い詰められていくヒロインを熱演。主演女優賞を取るのも納得の演技で、白鳥のように純真無垢(むく)だったヒロインが、次第に自分を解放して妖艶(ようえん)な黒鳥へと変化いくさまを体現してみせた。その変貌(ぼう)ぶりに、終始ゾクゾクさせられる。一見、ホラーの雰囲気が漂うゾッとするシーンが満載なのもアロノフスキー監督らしいが、最後にはミュージカル映画として極上のひとときを味わわせてくれる。ほとんどナタリー自身が踊ったというダンスシーンには圧倒されっぱなしで、本物のプリマのような完ぺきな舞いはスクリーンに拍手を送ってしまいたくなるほどだ。同じくアロノフスキー監督の映画『レスラー』をほうふつさせるようなラストもうまい!(編集部:山本優実)

『ブラック・スワン』©2010 Twentieth Century Fox.
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5月20日公開 ワイルドなジョニデはもちろん、ペネロペら新キャストの好演が見もの! 『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉』 作品情報

世界中が待ち望んでいた大人気シリーズの最新作。ジョニー・デップ演じるキャプテン・ジャック・スパロウは天真らんまんなキャラクターを冒頭から存分に発揮しており、やはり彼がいてこそのシリーズであることを思い知らされる。影の主役ともいえるバルボッサ役のジェフリー・ラッシュは相変わらずの憎めない悪役ぶりを披露しており、ペネロペ・クルスイアン・マクシェーンをはじめとする新キャストも海賊になり切った演技で観客を飽きさせない。永遠の命を与えてくれるという「生命の泉」をめぐる展開は小気味よく、娯楽大作として誰にでも楽しめる作品に仕上がっているあたりはまさにロブ・マーシャル監督の面目躍如だろう。しかし、殺陣を中心とした多彩なアクションが満載でありながら、海賊船同士の海戦がなかったり、3Dにする意味がいまいち感じられない点においては不満を持つ人もいるかもしれない。続編に期待をもたせるラストも好印象だ。(編集部・福田麗)

『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉』©Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
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5月27日公開 ロマンスあり、アクションありのデートムービー向きの快作 『アジャストメント』 作品情報

世界は謎の第三者がつくった運命によって操られているという設定のもと、操作されていると知りながらも、運命を切り開くために立ち向かっていく主人公の奮闘を描いた本作。独創的な設定に加え、アジャストメント・ビューロー(運命調整局)と呼ばれるエージェントたちとのスリリングな攻防戦……と聞くと、SFやサスペンスアクションと思いがちだが、本作は「運命」の中でも「愛」にフォーカスした作品のため、どちらかというとロマンチック路線へとシフトしていく内容。スリリングなサスペンスアクションを期待していると、その着地点にちょっと拍子抜けしてしまうかもしれないが、強いキズナで惹(ひ)かれ合う2人の「運命的な愛のお話」と思って観れば、手に汗握りながらも気楽に楽しむことができる。また、主演のマット・デイモンによるアクションも盛り込まれているので、女子だけでなくメンズも楽しめ、まさしくデートムービーにうってつけのエンターテインメント作品だ。(編集部・浅野麗)

『アジャストメント』©2011 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
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5月28日公開 ホロ苦い切なさがにじむ、山下&向井コンビの集大成的青春劇 『マイ・バック・ページ』 作品情報

「世界を変える」という、あまりにも大きな野望を胸に暴走する若き革命家と、彼に触発されたジャーナリストが引き起こした悲劇の実話を映画化した本作。「反戦運動」「全共闘運動」という言葉を聞いても、今の若い世代はピンとこないかもしれないが、当時を知らないスタッフ&キャストが参加することにより、誰もが共感できる青春映画に仕上がった。山下敦弘監督&脚本家・向井康介といえば、『どんてん生活』『ばかのハコ船』『リアリズムの宿』など、男の情けなさ、ふがいなさを描かせたら右に出る者はいない名コンビ。大口をたたきながら、いざ危険な山場を迎えると後輩たちに責任転嫁するという、見かけ倒しの革命家・梅山(松山ケンイチ)のダメ男ぶりがクローズアップされることにより、梅山と出会い人生が激変する熱血ジャーナリスト・沢田(妻夫木聡)の悲哀が際立ち、2人の間に芽生える刹那(せつな)的なきずながホロ苦い余韻をもたらす。若さゆえの愚かさで、取り返しのつかない悲劇を生んでしまった2人だが、そこに切なさがにじみ出ているのは、長年コンビを組んできた山下&向井だからこそ理解できるシンパシーがあったからではなかろうか。(編集部・石井百合子)

『マイ・バック・ページ』©2011映画『マイ・バック・ページ』製作委員会
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5月28日公開 女性同士のセックスも飛び出すエゴヤン流ミステリーにドキドキ 『クロエ』 作品情報

カンヌ国際映画祭の常連としても知られるカナダの名匠アトム・エゴヤンの最新作は、珍しく他人の脚本を起用した官能ミステリー。夫の浮気を疑い、自分を見失ってしまう妻・キャサリンを演じたジュリアン・ムーアと、キャサリンが真相を確かめるために「夫を誘惑してほしい」と頼むミステリアスな娼婦(しょうふ)・クロエを演じたアマンダ・セイフライドの脱ぎっぷりが、とにかくスゴイ本作。女性同士のセックスや美しく官能的な映像、過激なセリフに気を取られがちだが、本作の傑出しているところは「ケータイをこっそり見ちゃった」という、ささいなきっかけから、一人の女性が身を滅ぼしていくドラマ面。可憐(かれん)なイメージとは裏腹に、謎めいたクロエの存在が、物語のラストまでハラハラドキドキ感を持続させている。夫・デビッドを演じるリーアム・ニーソンも含め、実力派俳優陣の演技も見応え十分! (編集部・小松芙未)

『クロエ』©2009 Studio Canal All Rights Reserved.
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