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第25回こはたあつこ「行ってきました、第53回グラミー賞!」

うわさの現場潜入ルポ

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こはたあつこのうわさの現場潜入ルポ
行ってきました、第53回グラミー賞! の巻

取材・写真・文:こはたあつこ(LA)

いつもはアカデミー賞についてレポートしている「映画のこはた」ですが、今回は世界で最も注目される音楽の式典、第53回グラミー賞です。さっそくロサンゼルスのダウンタウンへLet’s Go!

まずはグラミー賞の前座的な授賞式

今回は、グラミー賞だけでなく、その前に行われる前座的な授賞式(Pre-Telecast Ceremony)にも潜入しちゃいました。その前に、グラミー賞が開催されるステープルズ・センターの隣にあるコンベンション・センターへ。

ここでは、グラミー賞では取り上げ切れない主要部門以外が表彰されるのです。必ずしも有名ではないけど、業界で一目置かれている人たちですね。会場の人たちも、現在、アメリカ音楽業界を支える現役の業界人ばかり!

面白いのは、アカデミー賞と違って、どのジャンルの音楽関係者かその装いですぐわかるんです。ロック関係の男性は、ロングヘアーにスーツかタキシード。またジャズやゴスペル関係者はラメ入りのキラキラした装いが多く、ポップスは細いネクタイにスニーカーといった具合。また、カウボーイハットをかぶって、杖をついて歩く老齢のカントリー関係者や、腰の曲がったソウル風の黒人男性もいて、アメリカ音楽業界の厚みと幅に驚きました!

さあ、いよいよグラミー賞発表

前座の簡単な授賞式を見終わった後、お次はグラミー賞です。ステープルズ・センターに向かって歩いて行くと、入り口付近にはスターを一目見ようとファンが……100人ほど待機。アカデミー賞のものすごい混雑ぶりに慣れているので「たったの100人?」とちょっとびっくり。セキュリティーゲートや警官の数も少ないんです。それでも、道路は封鎖され、会場に入れないファンたちの羨望(せんぼう)のまなざしを受けながら、会場に。

ロビーにはミニドレスやタキシードで決めた人たちで混雑。その間を縫って会場に入ると、ワオー! すり鉢上のスタジアムの大きいこと! これからいよいよグラミー賞が始まるぞーといった熱気が感じられます。

グラミー賞はテレビで生中継されるので、夕方5時きっかりに始まります。アナウンサーのカウントダウンの声とともにライトがつき、第53回グラミー賞の始まり、始まり~!!

もう、冒頭からものすごいエネルギー! クリスティーナ・アギレラジェニファー・ハドソンなど、歌唱力で定評のある女性ボーカル5人が一気に歌い始めたんです。その天まで届きそうな5人の熱唱にア然。さっすがグラミー!

グラミー賞のハイライト!

3さあ、そんなグラミー賞のハイライトをご紹介しましょう!

まずは、「年間最優秀アルバム賞」に一番近いとウワサされていたエミネムのパフォーマンス。リアーナを迎えての「ラヴ・ザ・ウェイ・ユー・ライ」はド迫力でした! ステージ全体に映し出されたメラメラと燃える炎の中、エミネムリアーナが、憎悪と愛情のはざまで必死にもがく気持ちを思いっきり表現! いやあ、キョーレツです。

また、レディー・ガガが卵形カプセルから登場し、踊り出した演出もブッ飛び。それ以上に面白かったのが、シーロー・グリーンの「フォーゲット・ユー」。本当は放送禁止用語を使った過激なタイトルなのですが、テレビ用に歌詞とタイトルを変えたところが、笑えるというか、賢いというか。グリーンは体中、赤い羽根だらけのスーツで登場したと思ったら、周りを何とマペットたちに囲まれての演奏! さらに、グウィネス・パルトローが登場し、一緒に歌い出したからビックリ。しかも、彼女が意外にもうまかったから、これまたビックリ! グウィネスは歌手でも十分いけますねー。

また、バレンタインデー前夜だったので、ケイティ・ペリーはハートマークを散りばめた衣装で甘くキュートなダンスと歌を披露。よっ、アメリカ版森高千里……って古い?

そして、みんなのアイドル、ジャスティン・ビーバーは、やっぱりかわいい。途中、ウィル・スミスの息子ジェイデン・スミスが登場したときは、「ティーン・アイドルを一まとめで売る」という戦略に、日本のジャニーズ事務所を思い出してしまいました(笑)。

もちろん、大御所も負けちゃいません。ミック・ジャガーが老体にムチ打ってステージを駆け巡る。ボブ・ディランも若手と一緒に必死で演奏。久しぶりに登場したバーブラ・ストライサンドも、懐かしの曲を歌う。ああ、あれは、わたしが失恋したときに何回も聴い曲だわ! なーんて、昔に浸っていたら、途中で「ジェニファー・アニストンのおばさん版」なんてつぶやく人がいて、もうムードぶち壊し! ……でも、確かにちょっと似ているかも。

意外と似ている? グラミーとアカデミーの会員たち

グラミー賞で一番注目される「最優秀アルバム賞」は、今年は取る取るとウワサれていたエミネムの「リカヴァリー」。結局、アーケイド・ファイアの「ザ・サバーブス」が受賞。また、最優秀新人賞は、人気でいえばジャスティン・ビーバーだったけど受賞せず、代わりに無名のジャズ・アーティスト、エスペランサが受賞。両方とも玄人受けするアーティストです。

その結果を見て、グラミー賞とアカデミー賞に投票する会員たちは何だか似ているなと感じました。両方とも、人気や売り上げに左右されず、技術と才能に敬意を払う「職人気質」が強い集団なんだなぁと。グラミー賞の方がもっとエンターテインメント性に富んでいて、楽しいけど、その背景にある気質は意外とマジメというか……。それは、レディー・ガガとちょっと似てる? パフォーマンスは奇抜で楽しいけど、中身は意外と堅実。

~あとがき~

日本人アーティストも4名受賞したということで、日本でも盛り上がったのではないでしょうか? また来年も行きたいな。

普段のステープルズ・センターはこんな感じ。
グラミー賞後のステープルズ・センター。上の階では特別なパーティーが開かれている。
意外と手薄な(!?)会場周辺のセキュリティー係。
道路封鎖などを行うLAPD(ロス市警)のパトカーがウロウロ。
会場周辺の道には、グラミー賞の記念版。これは「タイタニック」のテーマ曲が受賞した年のもの。
会場周辺の繁華街。「LAライブ」という名称が付いている地区で、ほかにもノキアシアターなどのライブ会場がある。
アーティストのマネージメントをしている女性2人。新人賞のエスペランサの才能はすごい! と絶賛。
グラミー賞授賞式の貴重なチケット。
グラミー賞のプログラム。
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