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多様なヨーロッパ映画に触れる!

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多様なヨーロッパ映画に触れる!

 ジャン・レノ主演のバイオレンス・アクション映画『バレッツ』をはじめ、2月19日は注目のヨーロッパ映画が同日公開。国もタイプも異なる3本のヨーロッパ映画をご紹介します!
『バレッツ』フランス

 22発の銃弾を受けながらも、奇跡的に命を取り留めたマフィアの実際にあった事件を映画化したバイオレンス・アクション『バレッツ』。フランスを代表するハリウッド・スター、ジャン・レノが主演、そしてリュック・ベッソン率いるヨーロッパコープの製作という最強タッグもあり、本国フランスでは、500館を超える規模で公開され、大ヒットを記録しました。

 物語の舞台はフランス・マルセイユ。街を支配するマフィアのボスだったシャルリ(ジャン・レノ)は、引退を宣言し、家族と平穏な生活を送っていたが、ある日正体不明の集団に襲われ、22発の銃弾を受けながらも、奇跡的に生還。足を洗うことを家族に誓っていた彼は復讐(ふくしゅう)すらも考えなかったが、引退後も彼を慕う手下が惨殺されたことをきっかけに、愛する者を守るための最後の復讐(ふくしゅう)へと立ち上がる……。

 見どころは何といっても、ジャン・レノ。申し分なしの威圧感と貫禄、そして年を重ねるごとに増している深みのある演技と、老体にムチを打った(?)体当たりのアクションで楽しませてくれています。癒やし効果抜群のキュートな息子役にも注目!


映画『バレッツ』より
(C)2009 EUROPACORP - TF1 FILMS PRODUCTION - MARIE COLINE FILMS - SMTS

 
『トスカーナの贋作』フランス/イタリア

 『桜桃の味』で第50回カンヌ国際映画祭パルムドールに輝いた、イランの巨匠アッバス・キアロスタミ監督が初めて国外で撮影したという『トスカーナの贋作』は、ちょっと変わったラブストーリー。

 イタリア、南トスカーナ地方の小さな村で講演を終えたばかりのイギリス人作家の男は、この地でギャラリーを経営しているというシングルマザーのフランス人の女と出会う。立ち寄ったカフェの女主人に夫婦と間違えられた2人は、そのまま夫婦ごっこをスタートさせるのだが……。

 夫婦を演じている男女があまりにむき出しに感情をぶつけているためか、本当の夫婦だったのではないかとすら思えてくる本作。物語が進めば進むほど、何が「真実=本物」で何が「ウソ=ニセ物」なのかというテーマがより強く表れ、観ている者は混乱しながらも、監督の魔術に引き込まれてしまいます。

 が、何といっても、映画デビューとは思えない名演を見せたイギリス・オペラ界を代表するバリトン歌手、ウィリアム・シメルと、2010年カンヌ国際映画祭にて初の主演女優賞を獲得したジュリエット・ビノッシュによる演技対決が見もの! 加えて、名匠ルカ・ビガッツィの撮影によるトスカーナの絶景も名脇役として大きな存在感を見せています。


映画『トスカーナの贋作』より
(C)Laurent Thurin

 
『サラエボ,希望の街角』ボスニア・ヘルツェゴビナ/オーストリア/ドイツ/クロアチア

 タイトルの通り、ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボを舞台にした『サラエボ,希望の街角』は、長編デビュー作『サラエボの花』で第56回ベルリン国際映画祭金熊賞に輝いた、ヤスミラ・ジュバニッチ監督の第 2作。

 幸せな同棲(どうせい)生活を送るルナとアマル。しかし、内紛の後遺症から勤務中にも飲酒をしていたアマルは、6か月の停職と禁酒セラピーへの参加をいい渡される。そんな中、偶然再会した戦友によって、イスラム原理主義へと傾倒していき、彼の変化に困惑を隠せないルナ。気持ちの擦れ違いを実感しながらも、子どもを望む2人は……。

 内紛、それらが残した傷跡、さらにイスラム教の世界とわたしたちにとって、あまり身近ではない出来事ばかりが起きる一方で、愛し合う男女に生じる小さなズレ、必死にもがき、答えを探すその姿は、環境の違うわたしたちの胸にもダイレクトに響いてきます。また、人生を見つめ直し、自分が自分らしく生きていく道を模索するルナに多くの女性が共感できるのではないでしょうか。

 本作で2010年の「Shooting Stars」(ヨーロッパ・ベスト・ヤング・アクターズ)に選ばれたヒロイン、ズリンカ・ツヴィテシッチも要チェックです!



映画『サラエボ,希望の街角』より
(C)2009 Deblokada / coop99 / Pola Pandora / Produkcija Ziva / ZDF-Das kleine Fernsehspiel / ARTE
 
文・構成:シネマトゥデイ編集部
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