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第12回フランス映画祭

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第12回目となるフランス映画祭が今年も横浜で開催される。"映像文化都市横浜"を目指す市長の全面協力の下、団長にはフランスはもとよりハリウッドでも活躍している女優エマニュエル・ベアールを迎えた。今回のフランス映画祭は例年以上の盛り上がりを見せることは確実だ。また、今年から自分の好きな作品に票を入れることができる"観客賞"が設けられ、より身近に感じることが可能となるだろう。FLiXムービーサイトでは今後、モデルで活躍していたアレクシス・ロレやフランスの国民的人気歌手でもあるパトリック・ブリュエルなどイケメン男優を中心にインタビュー記事を掲載予定。フランス男を先取り要チェック!


澄み切った青空の下、第12回フランス映画祭の記者会見が、駐日フランス大使公邸で開かれた。会見に出席したのは、フランス大使ベルナール・モンフェラン、ユニ・フランスフィルム会長マーガレット・メヌゴーズ、横浜市長代理斉藤龍、そして映画祭の団長を務める女優のエマニュエル・ベアール。

会見の冒頭で大使は「フランスの旬な映画を観て、フランスに対し関心を持ってもらいたい」と抱負を述べた。

マーガレット会長は映画祭の12年の歴史について「日本はアメリカに続く第2のマーケットであり、お互いが心地よいバランスを保っていると思う。日仏共同の映画製作が実現すれば、興行成績の面と文化交流の面で、両者に多くの利益をもたらす」と強調していた。また、今回の団長であるベアールに関して「女優としての才能があるだけでなく、賢く聡明な女性で、映画のすべてを理解している」と絶賛。

それを受け恥ずかしそうにうつむき微笑むベアールは「日本の方はいつも私たちを温かく迎えてくれて、喜びを持って映画を楽しんでくれる」とうれしそう。団長になった経緯について「配給会社の反応を肌で感じることができるし、市場への突破口になればうれしい」と、フランス映画の日本での地位向上に対し意欲を見せた。また日本への造詣が深く、築地で寿司を食べたり、京都を散策したり、富士登山の経験まであるベアールは「横浜をもっとよく知るために、たまには俳優を解放して自由に散策させてほしいわ」と語り会場の笑いを誘った。

第12回フランス映画祭横浜2004は6月16日から20日までパシフィコ横浜・会議センターメインホール他にて開催中。



↑ほとんどノーメイクだったが、マニュキュアは真っ赤なものを塗っていてさすがフランス女優といった雰囲気。

『ボン・ボヤージュ』(原題)
イザベル・アジャーニをおいて、わがまま女を演じさせたら右に出る女優はいない。魔性を秘めた瞳と美貌を武器に、男を虜にする役はまさにどんぴしゃなキャスティング。映画祭のオープニングを飾る本作で演じている女優ヴィヴィアンヌという役は、そんな意味でまさにハマリ役である。ナチスドイツの侵攻が始まったフランスで殺人事件を起こしてしまったヴィヴィアンヌ。彼女はその尻拭いをフレデリックという青年に押し付ける。そして自身は戦火と殺人の罪を逃れるため、自分のファンである大臣に近づく。その一方で、実はナチスのスパイの男性とも、その正体を知らないまま親しくしている。3人もの男性を翻弄する一筋縄ではいかないヴィヴィアンヌという女性。"自分はなにも悪いことしていないのに!"という自覚のなさなど、イザベル・アジャーニが演じたからこそリアルである。それにしてもどんな格好をしても似合う彼女だが、本作での髪型はあまり似合っていなかった。あの前髪はどうにかならなかったのだろうか。(斎賀美香)

ストーリー: ナチスドイツの侵攻が始まったフランス。フレデリック(グレゴリ・ドゥランジェール)の運命は、女優のヴィヴィアンヌ(イザベル・アジャーニ)が犯した殺人事件と戦争の行方を握る科学者、そしてその助手の女学生カミーユ(ヴィルジニ・ルドワイヤン)によって翻弄される……。


■スタッフ■ 監督:ジャン=ポール・ラプノー 脚本:ジャン=ポール・ラプノー 撮影:ティエリー・アルボガスト 美術:ジャック・ルクセル 音楽:ガブリエル・ヤード
■キャスト■ イザベル・アジャーニ/ジェラール・ドパルデュー/ヴィルジニ・ルドワイヤン/グレゴリ・ドゥランジェール/イヴァン・アタル 他
B
on voyage 製作年: 2002年 日本公開: 2005年正月 (日比谷シャンテシネ他) 上映時間: 1時間54分 配給: アスミック・エース カラー

Look at me(仮題)
本国フランスで開催されたカンヌ国際映画祭で最優秀脚本賞に輝いた、『ムッシュ・カステラの恋』のアニエス・ジャウィ監督の最新作。アニエス・ジャウィは監督のみならず、脚本と主演も兼ねている。女性が気にする体型をも揶揄するセリフが登場し、主演女優にここまで言わせたアニエス・ジャウィはスゴイと思う。主人公のロリータは有名作家の父親を尊敬しつつもその弊害にうんざりしていた。父親の名前が出るとコロリと態度を変える人間があまりにも多く、人間不信になっている。自分とおなじぐらいの同年齢で輝くばかりの美貌の義母ともなんだかしっくりいかない。それでも大好きな歌のレッスンに励み、がんばっているロリータ。しかし肝心の父親は発表会の席を途中で立ってしまうし、恋人とも上手くいっていない。そしてついに彼女の怒りが爆発するのだが、実は登場人物の誰もが閉塞感を感じていたのだ。彼らも取り繕っていた体面を彼女の怒りと共に捨て去る。この話のテンポと展開には無理がなく、さすが脚本賞に輝いただけある。リアルな描き方はアニエス・ジャウィの人間観察力の賜物のではないか。

ストーリー:
有名作家の父親を持ったおかげで、人間不信気味のロリータ(マリルー・ベリ)。おまけに自分にも自信をもてないし、八方ふさがり。しかしひょんなことで知り合った男性といい雰囲気になるが……。

■スタッフ■
監督:アニエス・ジャウィ脚本:アニエス・ジャウィ製作:クリスティアン・ベラール

■キャスト■
アニエス・ジャウィジャン=ピエール・バクリローラン・グレヴィルマリルー・ベリ

製作年: 2003年 日本公開: 2004年秋 (銀座シネマライズにて) 上映時間: 1時間50分 配給: ギャガ・コミュニケーションズカラー

『ナタリー…』(仮題)
今年のフランス映画祭の団長・エマニュエル・ベアールの主演作。この映画祭のために何度も来日し、その度、彼女はファンを増やしている。サインや握手も時間が許す限り応じ、観客に向き合う姿勢は好感度大である。そして年齢を感じさせない妖精のような愛くるしい表情に見事なプロポーション。同性からは憧れの的だ。そんなエマニュエル・ベアールが、フランスを代表する人気俳優のジェラール・ドパルデューと『8人の女たち』でも競演したファニー・アルダンと官能的で危険な愛の世界を繰り広げる。監督は『ドライ・クリーニング』の女性監督アンヌ・フォンテーヌ。監督は主演2人の女優を、"声"で起用したという。赤裸々な愛の行為を、映像ではなく、声で表現することにこだわったアンヌ監督。その演出は見事なもので、美しい女優の唇からこぼれ落ちる情事のいきさつは実に艶やかで刺激的である。しかし、ただの官能的なドラマで終わらない。夫婦間の愛情、昼と夜の顔を持つ娼婦、性の在り方などさまざまな意味が映画に隠されている。映画祭のクロージングにふさわしい密度の濃い作品だ。 (斎賀美香) ストーリー: 夫ベルナール(ジェラール・ドパルデュー)の浮気を知ったカトリーヌ(ファニー・アルダン)は、彼がどんな性癖の持ち主か調べるために娼婦のマルレーヌ(エマニュエル・ベアール)を雇う。マルレーヌは"ナタリー"と名乗ってベルナールに近づき、彼との情事をカトリーヌに報告する……。

■スタッフ■ 監督:アンヌ・フォンテーヌ 脚本:アンヌ・フォンテーヌ/ジャック・フィエスキ 製作:アラン・サルド 撮影:ジャン=マルク・ファブル 音楽:マイケル・ナイマン
■キャスト■ エマニュエル・ベアール/ファニー・アルダン/ジェラール・ドパルデュー/ウラディミール・ヨルダノフ/ジュディット・マグル 他
Nathalie... 製作年: 2003年 日本公開: 2004年(他) 上映時間:1時間40分 配給: ワイズポリシー、アート・ポート カラー

『ぼくセザール 10歳半 1m39cm
大人になってからブランコに乗ってみると、その景色が地面に近いことに驚く。見慣れた風景がなんとも違った印象で目に飛び込むのだ。『ぼくセザール 10歳半 1m39cm』は主人公のセザール少年の視点にこだわり、彼の身長1m39cmにカメラをセットして撮影されている。大人になった私たちがセザールの目線で見る物事は、彼が感じる以上にドラマチックで冒険に満ちあふれている。子供心を忘れないリシャール・ベリの見事な演出により、大人は懐かしい気持ちを思い出し、子供は自分たちもプチ冒険をしたいと思えるような映画だ。ちなみに私のお気に入りは、セザールがショーケース越しのケーキを見つめるシーンは何とも可愛らしい。デパ地下のスゥーイツコーナーに心躍らせ、あんな風にしていた子供時代を思い出す。“有名俳優”が出演していなくとも、良質な作品に出会える"という映画祭の醍醐味を実感できる作品だ。 (斎賀美香) ストーリー: ちょっぴり小太りで甘いものに目がないセザール(ジュール・シトリュク)は、成績もスタイルもいい親友のモルガン(マボ・クヤテ)と美少女転校生のサラ(ジョゼフィーヌ・ベリ)の3人でロンドンに旅立つことになった。モルガンの父親を見つけ出すために、親には内緒のハラハラドキドキの冒険が始まる。

■スタッフ■ 監督: リシャール・ベリ 脚本:リシャール・ベリ/エリック・アスス 製作: ミシェル・フェレール 撮影:トマ・ハードマイアー
■キャスト■ ジュール・シトリュク/ジョゼフィーヌ・ベリ/マボ・クヤテ マリア・ド・メデイルシュ/ジャン=フィリップ・エコフェ/アンナ・カリーナ/ジャン=ポール・ルーヴ/ディディエ・ベニュロ 他
MOI CESAR 10ANS1/2 1m39 製作年: 2002年 日本公開: 2004年7月下旬より(日比谷スカラ座2他) 上映時間: 99分 配給: アスミック・エース カラー

『お先にどうぞ
コメディ映画に定評があるピエール・サルヴァドーリ監督が最新作の主役に迎えたのは、数々の受賞歴を持つフランス映画界の大物ダニエル・オートゥイユ。実は彼、今回の映画祭で団長を務めるエマニュエル・ベアールと、15才の年の差を乗り越え結婚し、娘を1人もうけたが現在は離婚している。本作はオープニングからテンポの良い音楽と、おいしそうな料理の数々が映し出され、一気に映画の中に引きずり込まれてしまう。レストランの給仕長である主人公の中年男性が、自己中心的なストーカー男の人生を何とか起動に乗せようと悪戦苦闘する姿が何ともいじらしい。とはいっても、人生とは思い通りにはいかないもの。そして、思いもよらないことが起こるものだ。それでも日々誠実に、自分に正直に生きていれば、必ず良い結果がついてくる。そんな一途で前向きなメッセージの詰まった、おなかいっぱい笑って感動できる良質のコメディだ。(朝比奈かのん)ストーリー:ある夜、主人公のアントワーヌ(ダニエル・オートゥイユ)は、自殺しようとしていた男(ジョゼ・ガルシア)の命を救う。そして彼を立ち直らせようとありとあらゆる手を尽くすのだが、どうもうまくいかなくて……。

■スタッフ■監督:ピエール・サルヴァドーリ製作:フィリップ・マルタン脚本:ブノワ・グラファン/ピエール・サルヴァドーリ/ダニエル・アンリ
■キャスト■ダニエル・オートゥイユ/サンドリーヌ・キベルラン/ジョゼ・ガルシア/マリリン・カント
Apres vous 製作年:2003年 110分

『スターは俺だ!
ヤン・モワスク監督自身の小説を映画化。本作がモワスクの長編監督デビューとなる。主演は"フランスの北野武"ことブイワ・ポールヴールド。フランスでカリスマ的存在の彼が、これまたフランスの伝説的歌手クロード・フランソワのそっくりさんとして物真似大会を目指すというのだから面白くないわけがない。もちろん彼らを知らなくても、随所に流れるクロード本人の映像や、なりきりクロードのパワフルな歌を聴くだけでも十分楽しいし、笑える。またフランスの芸能裏事情を知るにつけ、もっと知りたいという興味もわいてくるだろう。そして平凡ないい大人が、恥も外聞もかなぐり捨て、過去にあきらめた夢へ再チャレンジする姿を見たとき、つい自分と重ね合わせてしまう人もいるだろう。夢は最後までやり通さなくては、いつまでたっても先には進めないんだということを気付かせてくれる作品だ。(朝比奈かのん)ストーリー:どこにでもいる普通のサラリーマン、ベルナール・フレデリック(ブノワ・ポールヴールド)。彼は若かりし頃、国民的人気歌手クロード・フランソワのそっくりさんとして有名だったが、今は一家の主として真面目に働いていた。しかし夢を諦めきれない彼は、妻に隠れてある行動にでる。

■スタッフ■監督:ヤン・モワスク製作:オリヴィエ・デルボス/マルク・ミソニエ脚本:オリヴィエ・ダザ/ヤン・モワスク/アルチュール・エマニュエル=ピエール
■キャスト■ブノワ・ポールヴールド/ジャン=ポール・ルーグ
Podium 製作年2002年 90分

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