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第16回東京国際映画祭

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第16回東京国際映画祭は、11年ぶりにオープニング作品を邦画(『阿修羅のごとく』)にするなど、今回は日本映画を世界に向けて発信したいという事務局の強い思いもあり例年になく邦画の出展が多い。「日本で開催する」ことの意味を改めて考えてみるという高い志しをFLiXムービーサイトも応援したい。映画祭期間中、主な出来事を写真と共に紹介する。
11月9日 決まった!東京グランプリ。喜びの受賞者会見
第16回東京国際映画祭クロージング・セレモニーで、コンペティション部門受賞作が発表された。東京グランプリはフォ・ジェンチー監督の中国映画『暖~ヌアン』(原題)。セレモニー後に行われた記者会見で、ジェンチー監督は「観客の皆さんがこの映画に感動してくれたことが、撮影の苦労を忘れさせてくれる」と語った。また、主演の香川照之は最優秀男優賞を受賞。海外作品へ出演する魅力について「慣れない場所に身を置いた時に湧き上がる気持ちを感じられる」と語り、ジェンチー監督と喜びを分かち合った。

『暖~ヌアン』のみなさん
11月9日 東京国際映画祭、閉幕はブルーのカーペットで
最終日を迎えた東京国際映画祭。天気は生憎の雨模様だが、オーチャードホール前には鮮やかなブルー・カーペットが敷かれ、クロージング・セレモニーに訪れる観客・ゲストを迎えた。コンペティション作品のゲストに続き、審査委員団が入場。歩道からは、審査委員長のコン・リーを呼ぶファンの声が響いた。そして、クロージング作品『ファインディング・ニモ』の日本語吹き替えを担当した木梨憲武、室井滋のコンビが魚の帽子を被って登場。製作のラセター氏と2人の監督が加わり、海にちなんだ真っ青な絨毯の上、大きな拍手で迎えられた。

ジョン・ラセター氏

11月8日 『ミシェル・ヴァイヨン』ワールドプレミアにR・ベッソンらが登場
東京国際映画祭8日目。『ミシェル・ヴァイヨン』が世界に先駆けて日本に上陸した。オーチャード・ホールの前には赤絨毯が敷かれ、製作・脚本を手がけたリュック・ベッソン、主演のサガモール・ステヴナンら来日ゲストが入場。大きな拍手で迎えられた。上映前の舞台挨拶では、会場の大きさと観客の多さに圧倒された様子のゲストたち。ベッソンは「若い人たちが持ってきた作品を、ぜひサポートしてほしい」と、監督・俳優たちに賞賛の言葉をかけた。
11月7日 『ミシェル・ヴァイヨン』、ワールドプレミア直前記者会見
東京国際映画祭7日目。渋谷セルリアンホテルでは、リュック・ベッソン製作・脚本『ミシェル・ヴァイヨン』の来日記者会見が開かれた。数時間前に日本に到着したばかりのベッソンは少々疲れた様子だが、「僕の世代なら、男の子は誰もがこのレーサーに憧れた。僕はコミックのファンクラブ部長」と会場を笑わせる。映画については「ブラボー!と言える作品。僕よりも監督や出演者に聞いて」と、他のゲストにマイクを振った。ルイ・パスカル・クヴレア監督いわく「実際のレースの中で撮影するのは狂気の沙汰だった」。過酷な現場で一丸となって撮り上げた作品に、ゲスト一堂、自信の笑顔を見せた。
11月7日 主演・大沢たかおも泣かせた感動作『解夏』、特別招待作品として上映
東京国際映画祭7日目。この日、特別招待作として上映された、磯村一路監督作『解夏』。盲目の男と彼を支える女を中心に描かれる感動の人間ドラマ。磯村監督と、主演の大沢たかお、石田ゆり子が記者会見を開いた。視力を失う主人公を演じた大沢は、「自分の出ている映画を見て、涙が止まらなかったのは初めて」と語る。石田ゆり子が演じた恋人役について「男性の理想。石田さんは役と変わらないくらい素敵な人」と賞賛。一方石田は、「大沢さんは役に入り込んでいることが多かったので、邪魔にならないよう気をつけました。普段はとても気さくな人」と、互いの印象を語った。
11月6日 蜷川作品『嗤う伊右衛門』で、小雪&唐沢寿明らが記者会見
東京国際映画祭6日目。オーチャード・ホールで『嗤う伊右衛門』が特別招待作品として上映され、舞台挨拶と記者会見が行われた。会見では、蜷川幸雄監督が京極夏彦氏の原作について「映画で出来ない文章表現があると、それが僕を掻き立てた」と笑う。お岩を演じ、劇中ではただれた顔の特殊メイクを施した小雪は、「メイクを自分でデフォルメしたくなった」と逞しいが、伊右衛門役の唐沢は「小雪さんはきれいな人なのに、いいのかな?と思った」そう。グロテスクな場面にも臆しない小雪の演技には、蜷川監督も大満足の様子だった。

唐沢寿明
11月6日 日中合作の恋愛ドラマで、渡部篤郎が中国キャストに囲まれ舞台挨拶
東京国際映画祭6日目。この日の夕方、シアター・コクーンでは当摩寿史監督作『最後の恋、初めての恋』が上映された。本作は、日本人スタッフがオール上海ロケで製作した恋愛物語。上映前、来日した中国の人気女優、シュー・ジンレイとドン・ジェ、台湾の若手俳優チェン・ボーリンが、主演の渡部篤郎らと舞台挨拶に立った。渡部は3人の共演者に「日本人スタッフに囲まれながら、素晴らしい演技をした」と感謝の言葉をかける。言葉の問題に苦労した3人だが、それだけ映画の出来栄えには満足感を感じている様子。ジンレイは「言葉はコミュニケーションの代わりじゃない」と、連帯感ある現場を振り返った。

渡部篤郎
11月5日 ジュディ・オング、アイドル時代の3作品が上映
東京国際映画祭5日目、「魅せられて」が日本で大ヒットしたジュディ・オングが、台湾アイドル時代に主演した映画の上映が行われた。上映タイトルは、ジュディが金馬奨主演女優賞に輝いた、1971年の『ニセのお嬢さん』。都会で巻き起こるラブ・コメディ『ジュディのラッキー・ジャケット』。そして、不治の病に侵されながら、愛を歌う感動作『愛の大地』の3作品。上映後には、オング自身によるQ&A、スペシャル・イベントが行われた。

ジュディ・オング
11月4日 両沢和幸監督作『キープ・オン・ロッキン』、東京国際映画祭で上映
 東京国際映画祭4日目の特別招待作品、『キープ・オン・ロッキン』が渋谷ジョイシネマで上映され、両沢和幸監督と、主演の岡田浩暉、野波麻帆、梨花が舞台挨拶を行った。両沢監督は『ナースのお仕事 THE MOVIE』と同じ時期に本作を撮り始めたが、こちらが事実上のデビュー作とあって感激もひとしお。元ロックスター、英二を演じた岡田は、「主題歌も歌っているので、公開の2週間は、毎日劇場で僕が歌います」と、思い入れを語った。この後、観月ありさが花束を持って登場。映画の公開を祝った。

岡田浩暉
11月3日 三池崇史監督のホラー『着信アリ』、映画祭で記者会見
東京国際映画祭3日目、携帯電話が巻き起こす恐怖の物語『着信アリ』の上映が行われ、三池崇史監督をはじめ、映画初主演を果たした柴咲コウ、堤真一らが記者会見を開いた。柴咲について、三池監督は「世間で言われる通りのすごい女優さん。コンビニの食べ物で生きている人でした」と語る。一方柴咲は、「実際にお会いする前は、三池監督はどこかの怖い人かと思っていた。でも温かいものを持っていて、それをフィルムに収められる人」と、互いの印象についてユーモアたっぷりに語った。

柴咲コウ
11月2日 映画祭上映『スカイハイ 劇場版』で、釈由美子らが舞台挨拶
映画祭上映『スカイハイ 劇場版』で、釈由美子らが舞台挨拶映画祭2日目。シアター・コクーンでは『スカイハイ 劇場版』が上映され、監督の北村龍平、主演の釈由美子、大沢たかおらが舞台挨拶を行った。「お逝きなさい」のポーズを決める釈は「撮影中、見えてはいけないものが見えた」と、怖い話をキュートな笑顔で語る。そんな釈が体当たりで挑んだアクションは、北村監督も納得の様子で「胸を張ってお見せできる」と、自信のほどを語った。この舞台挨拶の様子は、渋谷から、札幌、大阪、九州、六本木の別会場へ同時配信され、全国のファンを巻き込む賑やかな舞台挨拶となった。

釈由美子
11月2日 A・ジョリー主演の特別招待作、M・キャンベル監督の記者会見
アンジェリーナ・ジョリーが、難民救援活動に身を投じる女性を情熱的に演じた新作、『すべては愛のために』が、東京国際映画祭の特別招待作品として迎えられ、監督のマーティン・キャンベルが記者会見を開いた。「アンジェリーナは、徹底的なプロ意識を持っていた」と語るキャンベル監督。ジョリーは国連活動に熱心なことで有名だが、「彼女は、本作以前には国連に関わっていなかった。この企画に関わったことで救援問題を深く学び、国連大使として役割を担うようになったんだ。そしてこの映画でも、素晴らしい仕事を成し遂げてくれた」と、女優の果たした偉業を称えた。

マーティン・キャンベル監督
11月1日 東京国際映画祭オープニング上映舞台挨拶
 11月1日(土)、渋谷Bunkamuraにて第16回東京国際映画祭が幕明けた。本年度のオープニングを飾ったのは、11年ぶりの邦画、向田邦子の原作を映画化した『阿修羅のごとく』。上映に先立ち、監督・出演者が舞台挨拶を行った。あでやかな着物姿で登壇した女優たち。大竹しのぶ、黒木瞳、深津絵里、深田恭子が4姉妹を演じるこの作品で、森田芳光監督は、「女優さんたちを贔屓しないように心がけた」と言うが、深田「私はあまり喋ってもらえなかった」とポツリ。会場に華やかな笑いを巻き起こした。
11月1日  『ヘブン・アンド・アース』中井貴一らが記者会見
オープニング・ナイトの上映作品として選ばれた中国映画『ヘブン・アンド・アース』で、上映に先立ち、監督・出演者が記者会見を行った。唯一の日本人として、単身中国へ撮影に渡った中井貴一は、「言葉の違いはあったが、同じ方向を目指している者同士、不思議と意思が伝わった」と語る。そんな中井を、フー・ピン監督は「演技力はもちろん、たった一人で不便な土地へ渡った中井さんの勇気は素晴らしい」と絶賛。中井、「40歳を過ぎると、億劫になってチャレンジしなくなる。それを避けるため、修行のつもりで中国へ渡りました」と語った。

中井貴一
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