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「どうする家康」大久保忠世役はアドリブを多用 小手伸也、1年にわたる撮影に「心より感謝申し上げる!」

第37回「さらば三河家臣団」より小手伸也演じる大久保忠世
第37回「さらば三河家臣団」より小手伸也演じる大久保忠世 - (C)NHK

 大河ドラマ「どうする家康」(毎週日曜夜8時~NHK総合ほか)で松本潤演じる主人公・徳川家康の家臣・大久保忠世を好演した小手伸也が、クランクアップを迎えた心境、「1年以上に渡る撮影で同じ役を演じ続けたのは今作が初めて」だったという撮影を振り返った。

【画像】理不尽な運命に家臣たちは…感涙の名場面

 大久保演じる忠世は、公式サイトのキャラクター紹介では「三河で一番の色男(本人談」というユニークなキャッチコピーがつけられており「戦場では勇猛果敢な活躍を見せるが、最近、髪が薄くなるのを気にしている繊細な男。身なりに気を配り、『色男』を自称する。面倒見のいいみんなの兄貴」と説明がある。小手は脚本を手掛けた古沢良太とドラマ・映画「コンフィデンスマンJP」シリーズなどでも組んでおり、古沢が描いた忠世像について以下のように語る。

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 「史料や逸話に残っている大久保忠世は、領民や家臣に対する思いやりが強く、殿(徳川家康)への忠義も厚く、今でも地元の方から愛されていて、全然コメディ要素の無い人。僕だからというのもあったと思いますが、古沢さんが思い切った味付けをしてくださったので(笑)、実際に伝わる忠世像とのバランスをとりながら、面白さはありつつも尊敬できる人にしたいというのは意識していました。つまるところ、僕自身が決してイケメンではないからこその『自称』なのでしょうが(笑)、家臣団の皆が冗談混じりではなく割と自然に『色男殿』と呼んでくれる以上、きっと『色男』と思える何かが忠世にはある。だとすれば、彼のメンタルが相当イケメンなのだろうという解釈に至り、改めて皆さんとのお芝居の中でバランスを取る支点を発見することができました」

 小手はそんな忠世を演じるにあたって、アドリブも取り入れ「各回の間やシーンの行間を埋めるお芝居を特に意識した」と言い、9月17日放送の第35回「欲望の怪物」を例に挙げて説明している。

 「忠世は決して台詞の多い役という訳ではなく、本編で史料に残る忠世の活躍全てが描かれる訳でもないので、場面に存在する必然性、あるいは存在しなかった必然性を表現するため、アドリブやリアクションを多用し、各回の間やシーンの行間を埋めるお芝居を特に意識しました。例えば、真田家との上田合戦について。今作では深く描かれませんでしたが、忠世はそこでかなり苦戦しました。画面に映らないところで戦に出ていたことを表現しなければと思い、第35回で真田昌幸(佐藤浩市)が殿の前に現れた時、今までの忠世では考えられないくらい凄くイライラしているというお芝居を足しました。いかに真田に手を焼いてきたかというのを滲ませたいと思いからでしたが、本編で描けない部分を少しでも視聴者の皆さんにイメージしてもらうことで、シーン前後の説得力に繋げられたらというのは考えていました」

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 また、忠世の“長男気質”も意識し「史実では、大久保氏には兄弟が多く、長男の忠世を始め皆徳川家に仕えていました。忠世の世話好きはそうした長男気質もあったのでしょうが、今作においてはその関係性を平八郎(本多忠勝/山田裕貴)や小平太(榊原康政/杉野遥亮)、万千代(井伊直政/板垣李光人)にも投影させてもらいました。なので、彼らが話す時は大抵そちらを見ています。肩を叩いたり抱き合ったりは自然な感情から出たアドリブが多く、やっていて楽しかったです」とも語る。

第37回より家臣団が大集合!

 10月1日放送の第37回「さらば三河家臣団」では家康が秀吉(ムロツヨシ)の命によって国替えとなったことを告げるため、家臣団を集めるシーンがあった。故郷・三河を守るために命懸けで戦ってきた家臣たちにとってあまりに理不尽な運命に非難を浴びると思いきや、家康を待ち受けていたのは思わぬ反応だった……。小手は本シーンに「最後、殿に対して『ありがとうございました』と頭を下げるシーンは、本当に感無量でした」と感慨深げ。

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 「これまでも、第1回で殿が久しぶりに岡崎に戻ってきて、家臣団が宴を開いたシーンを時々思い出すことがあったのですが、まさに37回の撮影中も、ふと思い出して。艱難辛苦を共に乗り越え、笑ったり泣いたり怒ったりと一緒に年を重ね、殿の変化を近くで見守ってきたんだなと思うと、心底ぐっとくるものがありました。放送を見ていても、自分たちのアルバムをめくっているような、不思議な気分になるんです。1年以上に渡る撮影で同じ役を演じ続けたのは今作が初めてでしたが、人生を演じるというのは本当に面白く、役者冥利に尽きる仕事だったなと、改めて思いました。僕はこの作品を通じて大久保忠世として生きられたことを誇りに思いますし、忠世で良かったと心から思っています。この出会いを一生忘れることはないでしょうし、松本潤さんを始め、全ての共演者、関係者の皆さまには感謝しかありません」

 この理不尽な事態を丸く収めたのには、本多正信(松山ケンイチ)が家臣団のまとめ役として信頼を置いていた忠世に家康の思いを託した背景があった。小手は忠世と正信の関係について「正信に関しては第9回の回想以外ほぼ関係性が描かれないままだったので、世話の掛かる腐れ縁を本編で描けない分どう表現するか、帰参以降は特に悩みましたが、軍議の最中彼が散らかした白石を黙って片付けるなど、他の家臣たちとは違う反応を心掛けました。忠世にとって家臣団は家族そのものでしたが、正信に関してはどちらかというと友人のような感覚だったのかな(笑)」と解釈。「今作の魅力の一つは、家臣団の群像劇だと思っています。それぞれ異なる良さを持つメンバーが、時に衝突しながらも、“殿のため”という共通の思いを持って進んでいく。協力して乱世を生き抜いていく人間模様の面白さがあると思うので、忠世もそのピースの一つになれていたら本望だなと思います」とも語る。

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 クランクアップを迎えた小手は「無事クランクアップを迎えましたが、もうこの現場に来られないんだと思うと、純粋に寂しいです」と“ロス”に陥りながらも、座長の松本や共演者、スタッフに「これからは一視聴者として徳川の未来を最後まで見守っていきたいですし、引き続き撮影を続ける仲間たちを心から応援したい気持ちです。それはきっと、その後小田原にて天寿を全うした大久保忠世公が、あの世で殿の身とその行く末を案じながら、生き残った家臣団の皆を叱咤激励するような、そんな気持ちとどこか近しいような気がしてなりません。殿! 皆も! 忠世は幸せ者にございましたぞ! 心より、感謝申し上げる!」と力強いエールを送った。(編集部・石井百合子)

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