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実写『キングダム』松橋P、信と出会った羌カイの変化を語る

『キングダム 運命の炎』より信(山崎賢人)と羌カイ(清野菜名)
『キングダム 運命の炎』より信(山崎賢人)と羌カイ(清野菜名) - (C)原泰久/集英社 (C)2023映画「キングダム」製作委員会

 原泰久原作・山崎賢人主演の実写映画『キングダム』シリーズ第3作『キングダム 運命の炎』(公開中)。第2作『キングダム2 遥かなる大地へ』に続いて山崎演じる主人公・信の相棒となる羌カイ(きょうかい/清野菜名)の変化、成長を、プロデューサーの松橋真三が語った(※山崎賢人の崎はたつさき、羌カイのカイはやまいだれに鬼が正式表記※一部『キングダム 運命の炎』の内容に触れています)。

【画像】山崎賢人&清野菜名撮りおろし<11枚>

 単行本69巻の累計発行部数9,900万部(2023年7月時点)を記録する人気漫画に基づき、中国の春秋戦国時代に天下の大将軍になる夢を抱く戦災孤児の少年・信(しん/山崎賢人)と、中華統一を目指す若き王・エイ政(えいせい/吉沢亮※エイ政のエイは、上に亡、中に口、下左から月、女、迅のつくり)の活躍を描く本シリーズ。第2作の舞台は、前作から半年後が舞台。大将軍を目指す信が、隣国・魏との「蛇甘(だかん)平原の戦い」で秦軍の一員として初陣に挑む。清野演じる羌カイは、哀しみの一族とも呼ばれる伝説の暗殺一族・蚩尤 (しゆう)の一人で、歩兵の信と伍(五人組)を組むことになる。特殊な呼吸法を操る秘技“巫舞(みぶ)”で戦うアクションシーンでは、山崎と同様並外れた身体能力を持つ清野の高度なアクションシーンが話題を呼んだ。

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 松橋Pいわく、第2作は「言わば羌カイの物語」。その意図をこう語る。

 「第2作は羌カイの成長物語として構築しています。羌カイが信と伍の仲間たちと出会ったことによって、血のつながらない姉(羌象)を亡くした過去と向き合い、彼女が本当にしたかったことを、信の言葉を通じて気付いていくようになります。明らかに大きく成長した羌カイは自分のやるべき方向に旅立っていきますが、信たちと共に激しい戦の中で培った信頼感は並大抵のものではなかったと思います」

~以下、『キングダム 運命の炎』のネタバレを含みます~

 第2作の終盤、「おまえ目つき変わったな」と嬉しそうに話す信に「気のせいだ……」と照れ隠しのようにぶっきらぼうに答える羌カイが印象的だ。「おまえはもう俺たちの仲間だ」という信の言葉を胸に、信のもとを離れる羌カイだが、第3作『キングダム 運命の炎』の超大国・趙との「馬陽(ばよう)の戦い」で二人は再会する。松橋Pが特に好きなシーンとして挙げるのが、羌カイの登場シーンだ。本作では王騎将軍(大沢たかお)から密命を受けた信が100人の兵を束ねる「百人将」となり、羌カイもそのチームに加わることとなる。

 「信が“副長がもう1人いる”と仲間に告げ、みなが振り向くと羌カイが現れる場面は、最高のシーンだと思っています。羌カイはまだ自分探しをしている途中ではありますが、みなの様子を見て微笑むようにはなっていて、人として変わってきているのが見て取れます。映画の後半で飛信隊に危機が訪れる、ある重要なシーンでカメラが捉えた羌カイの表情を映画館のスクリーンで見逃さないでほしいです。仲間が1つの目的を果たすための自己犠牲の精神、そのチームワークを見て、自分も彼らと共に生きたいという風に表情が変わっていくんです」と、第3作での羌カイに触れながらシリーズを貫く魅力を挙げる。

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 「『キングダム』にはたくさん登場人物がいますが、みながいろいろな形で成長しているのがわかります。信以外のキャラクターも主役になりえる構造の面白さ、そういったところも楽しんでいただけたらと思っています」

 第3作では、信が羌カイの「帰ってくる場所」のような存在になっているが、羌カイは信に対してどんな感情を抱いているのか。松橋Pは、「あくまで自分の解釈ですが」と前置きしながら「おそらく、信にとって羌カイは信頼できる仲間の一人ですが、羌カイは信のことが好きなんだと思います。信のためだったら戦える、彼のためなら命を落としてもかまわない、と思っているからこそ帰ってきたのだと思います。それはわたしの勝手な解釈ですが、清野さんからも“羌カイはどれぐらい信のことを思っているんでしょうか”“どういう気持ちなんでしょうか?”と現場で聞かれることがありました。第2作で、羌カイが信のおなかにパンチをくらわせて去っていくシーンではもう信のことが好きだと思うので、信に背を向けた後に最高の笑顔を見せてほしい、と清野さんにお伝えしました。“難しい……”とおっしゃっていましたけど、このシーンの清野さんは最高だったと今でも思います」

 『キングダム 運命の炎』でもさらなる成長を見せる羌カイだが、松橋Pは「まだ彼女の中には遠慮があります。彼女は旅の途中にいて、まだまだ彼女の物語は続いていきます」と羌カイの未来に思いを馳せていた。(編集部・石井百合子)

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