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「どうする家康」岡田准一、本能寺の変よりも重要なシーンに込めた願い 「異様な熱のあるシーンに」

第28回「本能寺の変」より岡田准一演じる織田信長
第28回「本能寺の変」より岡田准一演じる織田信長 - (C)NHK

 松本潤主演の大河ドラマ「どうする家康」(NHK総合で毎週日曜夜8時~ほか)で織田信長を演じた岡田准一が、23日放送の第28回で描かれた信長の最期、そして「本能寺の変」よりも重要だという第27回の家康(松本)との対峙シーンを振り返った。岡田は第27回について「ボロボロになって、セリフも段取りも見栄えも気にせず、役としてぶつかり合える瞬間を作りたい、異様な熱のあるシーンにしたいと思って臨みました」と語っている(※ネタバレあり。第28回の詳細に触れています)。

【画像】岡田信長が圧巻!涙の「本能寺の変」

 第28回「本能寺の変」では、信長が本能寺に入ったという知らせを受けた家康が堺へ。堺の商人たちと手を結び、信長を討ったあとの体制まで整えるなか、そこへ信長の妹・お市(北川景子)が現れる。お市からあることを聞かされた家康は戸惑い、大きな決断を迫られた。

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~以下、ネタバレを含みます~

 第28回で信長は明智光秀(酒向芳)に討たれたが、岡田は「明智光秀に討たれた時、最期に思い出すのはやはり家康だったのだろうなと」と思いを巡らせる。

 「家康が妻子を亡くすきっかけを作ったのは信長なので、それに対して家康がどう思っているかは想像していたでしょう。状況的に裏切られる可能性もあると思っていたはずなので、家康が決心して討ちに来るのなら、受け止めて戦う。でも、ただやられる気はなかっただろうと思います。最終的に家康は討たないという彼らしい決断をする訳ですが、家康に本能寺へ来て欲しいと願っていたかと聞かれると、どうでしょう……難しいですね。でも、明智光秀に討たれた時、最期に思い出すのはやはり家康だったのだろうなと。家康を救いのような、恐怖の対象のような、頼りたいけど突き放したいような……二人ならではの関係性、愛情が死ぬ間際まで続いていたのかなと思います」

 その「本能寺の変」よりも岡田が重要視していたのが、第27回「安土城の決闘」で家康と信長が二人きりで対峙するシーンだった。その意図について、岡田は2014年に主演を務めた大河ドラマ「軍師官兵衛」を思い返しながらこう語る。

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 「織田信長が出てくる作品では、本能寺の変が注目されがちですが、今作は違うなと感じています。家康が信長を乗り越えて自分の歩むべき道をはっきりと見つける、第27回のラスト、安土城で家康と対峙するシーンの方が重要だと思っていました。そして個人的な裏テーマとしても、真面目な松本くんが殻を破って自分なりの家康像を見つけられるよう、最後のお手伝いとして、どんな背中を見せられるかということも考えていました。初めて経験したのは大河ドラマ『軍師官兵衛』の頃なのですが、時々、芝居を通して演じている自分自身も傷つくことがあります。2~3日経っても心が泣いていて、回復できないことがあるんです。それはセリフや段取りを意識していると得られないですし、大河ドラマの様に1年以上かけて役と向き合うからこそ味わえる、役者をやる上でのご褒美だと思っています。そんな感覚を、第27回のこのシーンでも味わいたいし、松本くんにも感じて欲しい。ボロボロになって、セリフも段取りも見栄えも気にせず、役としてぶつかり合える瞬間を作りたい、異様な熱のあるシーンにしたいと思って臨みました」

 続けて、岡田は本シーンに込めた思いを「信長は、恐怖で人を従え、全てを強引に覆そうとしてきました。多くの人を殺めてきたし、物事を早く変えようとしてきた人。信長としても苦しさはあったでしょうが、強靱な精神を持ち、覚悟を決めて、突き進んできたと思います。家臣たちのことも競わせながら育てる側面があり、人を育てるのは上手い。でも、そのやり方は反発をうみ、裏切られることもある。そして自分の死後、再び争いが生じて結局乱世に逆戻りしてしまう……。後に太平の世を築く家康に“あなたのやり方は身を滅ぼす”と気付きを与え、“違うやり方で世を治める”と固く決意させるきっかけとなるシーン。信長に限界がきていて、実は脆くて壊れるギリギリなのかもしれないと家康に感じさせることが必要で、どう表現するかは悩みましたが、今作の集大成という気持ちで演じました」と語る。

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 岡田の真摯な松本への願いは届いたようで、本シーンを撮影した数日後に松本からうれしい言葉を聞いたという。

 「このシーンを撮影した数日後、松本くんとスタジオで再会しました。開口一番、『まだ回復しません』と言われたので、それほど心に残るシーンになったのなら良かったですし、信長として家康にバトンを渡し、次のステージに送り出せたのかなと安堵したのを覚えています」

 岡田いわく「ある意味、第29回以降が『どうする家康』の“はじまり”」。同じ事務所の後輩でもある松本に「松本くんと話したこともあるのですが、第40回に突入するまでに、自分なりの答えを見つけてくれると良いなと思っています。人それぞれ意見はあると思いますが、結局は自分で『これが家康だ』と胸を張って言えた時に初めて本当の家康になれると思いますし、それはドラマを見て下さる方にも伝わるものだと思います。でも、そこまで到達するには、頭に描いたプランをなぞるだけではだめで。スタッフやキャストの皆様とセッションしてピースを拾い集めて感情を爆発させて、作り上げた先にあるものだと思っています。彼なら、それを掴み取ってくれると信じています。作品は折り返し地点まできましたが、ある意味、第29回以降が『どうする家康』の“はじまり”だと思っています。瀬名や信長との別れを経た後、家康がどのように天下統一への道を歩むのか。家康の成長と完成を、松本くんがどう作り上げていくのか。近くで見られないのは残念ですが、これからは僕も視聴者の皆さんと一緒に、放送を楽しみたいと思います」と力強いエールを送った。(編集部・石井百合子)

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