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「どうする家康」細田佳央太、役柄で初の「死」を経験

第25回「はるかに遠い夢」より細田佳央太演じる信康
第25回「はるかに遠い夢」より細田佳央太演じる信康 - (C)NHK

 松本潤主演の大河ドラマ「どうする家康」(NHK総合・毎週日曜よる8時~ほか)で徳川家康の嫡男・信康を演じる細田佳央太。7月2日放送・第25回で描かれた「築山殿事件」は、徳川家康の人生においてもターニングポイントとなる悲劇だ。本作が大河ドラマ初出演となった細田が、本エピソードを振り返ると共に、「死ぬのが怖かった」とシンクロするほど感情移入した信康役について語った。

【画像】壮絶…!第25回の信康

 細田自身、信康について「とにかく優しすぎるぐらい優しい」と語っていたが、だからこそ、戦いに明け暮れ、強くなければいけないという大きなプレッシャーがかかるなか、心が崩壊していってしまう。

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 そんな信康を救ったのが有村架純演じる母・瀬名が考えた企み。結果、瀬名も信康も悲劇に見舞われるが、細田は「瀬名さんと信康は史実としては、良くない評判が多いですが、『どうする家康』ではほかのどの作品よりも素敵に描かれていると思います」と語ると、「僕は古沢(良太)さんの脚本に書かれた信康をしっかり演じようと思いました」と役に取り組むうえで大切にしていたことを明かす。

 そんななか、細田の心を悩ませたのが、信康が21歳という若さで生涯を閉じること。細田は「僕自身、死んでしまう役を演じることが初めてだったのですが、とても怖かったんです。実際に僕が死ぬわけではないのですが、他人事として考えられず、『死にたくない』と本気で思ってしまっていました」と語る。

 どうしても自分と信康を切り離すことができず、役に入り込みすぎてしまったとも。「こんなに役が自分に入り込んでしまったことは初めて」だと言い、その壁を乗り越えられたのは、監督たちが寄り添ってくれたからだと語る。「役者ってどこか孤独な部分があって、今回も自分で何とかしなければ……と思っていたのですが、監督たちが『何かあれば言って』と声を掛けてくださいました。そのとき、一人じゃないんだなと感じることができて、少し気持ちが楽になりました」

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第25回より。五徳(久保史緒里)と

 魂を込めて撮影に臨んだ第25回。細田にとって最も印象に残っているのが、妻である五徳(久保史緒里)とのシーンだ。五徳は織田信長(岡田准一)の娘であり、幼くして信康に嫁いだ。二人の関係は劇中で微妙な距離感にあるが、細田は「間違いなく信康は五徳さんのことが好きだったし、五徳さんも同じだったと思う」と解釈を述べると「信康がいよいよ城を出るとき、最後に五徳さんと話すシーンが僕は一番好き。最後のシーンを撮り終えて『お互い大好きだったという関係でいて欲しいね』と久保さんとも話していたんです」と裏話を明かす。

 さらに細田は「五徳さんと信康って喧嘩ばかりで仲が良くなかったと言われていますが、決してそうでもなかったと僕は思っています。ある意味で信康より五徳さんの方が数段しっかりした人で、戦国時代というめまぐるしく変化していく時代で、信康は五徳さんに引っ張ってもらっていた。お芝居でも久保さんにはとても助けていただきました。最後まで気持ち良い距離感でやれました」と久保に感謝していた。

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 現在21歳の細田。くしくも信康が生涯を閉じた年齢と同じ年だ。「もし、信康が戦国の世に生まれていなかったら、楽しく普通の暮らしをしていたと思います。そう考えると、あまりにも早すぎる死なので、辛さはあります」と信康の短い生涯に思いを馳せる。

 息子を何としてでも助けようとする家康の想いは叶わず、信康は最後、家臣たちの助言を受け入れず、自らの手で生涯に幕を下ろした。そのシーンについて細田は「リハーサルから覚悟はできていたので、焦ることはありませんでした。すごく独特な空気のなかの撮影で、熱量がすごかったです」と振り返ると「まだ達成感はなく、とにかく無事に終わってよかったなという気持ちです。もう少し時間が経って、何か感じることがあるかもしれません」と初大河の撮影の感想を述べていた。(取材・文:磯部正和)

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