河合優実、人生で1日限りの初日に感慨 原作者・朝井リョウから手紙も
俳優の河合優実が23日、都内で行われた映画『少女は卒業しない』（公開中）の初日舞台あいさつに出席し、「初主演の初日というのは人生で今日1日限り。それを思うと感慨深いなって。今日こうしてみなさんの顔を見て、心からありがとうと伝えたいです」と映画初主演を務めた喜びをあらわにした。
『桐島、部活やめるってよ』『何者』などで知られる直木賞作家・朝井リョウの連作短編小説を映画化した本作。間もなく校舎が取り壊される地方の高校を舞台に、4人の少女たちの卒業式までの2日間を追う。イベントには河合のほか、共演者の小野莉奈、小宮山莉渚、中井友望、中川駿監督も登壇した。
河合は本作が映画初主演。「群像劇ですし、わたしだけが出ずっぱりというわけではないのですが、やり始めると背負っている感じが出てきて……。監督と積極的にコミュニケーションをとるなど、作品にコミットするようにしていました」と撮影を振り返る。
映画にちなんで自身の「卒業」について問われると、河合は「わたしの高校の卒業はお祭りみたいで……。荘厳なムードではなく、名前を呼ばれたら『優実～！』って、みんながその人の名前を呼んだりするんです。掛け声がすごかったです」と紹介。一方、自身はそんな卒業式で「答辞を読んだりしました」とも言い、監督から「それ、事前に聞いていなかったな」と声をかけられると、「意外と忘れていたんです」と照れ笑い。「なかなかないことで、大きいことに感じるけど、答辞を読むというのは実は人生の一コマでしかなくて。この映画の話をいただいた時も、最初に思い出すことではなかったです」と話した。
舞台あいさつ終盤には原作者の朝井リョウ氏からの手紙も紹介され、手紙の中で朝井氏は試写の際、持参した傘を会場に忘れてくるほど本作を観て興奮したと絶賛。「素敵な映画は鑑賞中はもちろん。劇場からの帰り道も幸せな気持ちにさせてくれる」「丁寧で邪念のない物作りに触れた時にしか感じない充実感を感じた」と結ばれており、河合は「グッときてしまいます」と感激の表情。
河合は「『丁寧で邪念のない物作り』とおっしゃっていましたけど、それをわたしも感じてやらせていただきました」と述べ、「珍しいと思うくらいまっすぐな気持ちで取り組んだ作品です。みなさんがどう感じたかが楽しみ。これからもこの映画をよろしくお願いします」と客席に呼びかけていた。（取材・文：名鹿祥史）
