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【レビュー】『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』チャドウィックさんの魂と共に…MCUフェーズ4最大の感動作

ティ・チャラ亡き世界、ワカンダの人々は再び立ち上がる
ティ・チャラ亡き世界、ワカンダの人々は再び立ち上がる - (C) Marvel Studios 2022

 アメコミ映画初のアカデミー賞作品賞ノミネートなど快進撃を見せた『ブラックパンサー』(2018)から4年、続編となる『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』が全世界で公開される。全マーベルファンに衝撃を与えた、チャドウィック・ボーズマンさんの訃報。本作は、キャスト&製作陣が彼のスピリットを受け継いで作り上げた、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)フェーズ4史上最大の感動作となっている。本原稿は、一足先に本作を観た編集部スタッフのレビューである。

【画像】ワカンダの新たな脅威!海底国の王ネイモア

 ブラックパンサーを演じながら、4年にわたって大腸がんと闘い続けたチャドウィックさん。マーベル・スタジオは、彼と主人公ティ・チャラへ敬意を払い、代役を立てずに続編を製作する判断を下した。現実世界と重なるように、映画でつづられるのは、ブラックパンサーを失ったワカンダ国民の喪失と再起の物語。冒頭からティ・チャラが亡くなったという辛い現実を突きつけられ、喪に服し、悲しみに暮れる人々の姿が描かれる。

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 物語はティ・チャラの妹シュリを軸に、幼馴染のオコエ、元恋人のナキア、母であるラモンダ女王に立ちはだかる試練を描く。全編通してシリアスなトーンが漂う中、前作から進化した陸・海・空でのスパイアクションと、ブラックパンサーの死と向き合い乗り越えていくエモーショナルな会話劇が連続する。チャドウィックさんの死と向き合いながら挑んだキャスト陣の演技には説得力があり、セリフ一言一言に重みと覚悟を感じる。

アンジェラ・バセットふんするラモンダ女王 - (C) Marvel Studios 2022

 とりわけ目を引いたのは、ラモンダ役のアンジェラ・バセット。女王の威厳と覚悟を圧巻の芝居で表現しており、本作でのアカデミー賞ノミネートも十分に期待できる。

 ワカンダの新たな脅威として登場する重要人物・ネイモアも抜群の存在感を発揮している。海底国タロカンの王として君臨するネイモアにも自分なりの正義があり、ラモンダ女王率いるワカンダの正義とぶつかり合う。彼のバックストーリーも緻密に描かれており、MCUにまた一人魅力的なキャラクターが誕生したと言っていい。

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 さらに、もう一人の新キャラクター、アイアンハートことリリ・ウィリアムズの活躍も見逃せない。天才発明家としてトニー・スタークのようにスーツを作り上げるリリは、シュリたちの頼もしい味方として何度も見せ場が用意されている。本作のコメディーリリーフ的な役割も担っており、ピーター・パーカーのようなユーモアあふれる行動や発言が笑いを誘う。アイアンハートが主人公のドラマシリーズも来年に控えており、本作はその序章といっても過言ではない。

 公私共にチャドウィックさんと仲が良かったライアン・クーグラー監督は、彼のレガシーを後世へつなぐように、続編をMCUフェーズ4史上最も感動的な作品として完成させた。フェーズ4を美しい形で締めくくった監督の手腕に改めて驚かされると同時に、来年幕を開けるフェーズ5への期待もさらに高まる。(編集部・倉本拓弥)

映画『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』は11月11日(金)全国公開

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