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「ウルトラセブン」55周年 メイン監督が振り返るダン&アンヌの淡いロマンス

第35回東京国際映画祭

満田かずほメイン監督
満田かずほメイン監督

 円谷プロの人気特撮「ウルトラセブン」でメイン監督を務めた満田かずほが26日、都内で開催中の第35回東京国際映画祭にて行われた「ウルトラセブン」55周年記念上映『対話』のトークショーに批評家の切通理作と出席。55年前に撮影した同作の思い出などを振り返った。

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 この日は「ウルトラセブン」(1967)の中から、「対話」という視点でセレクトした第6話「ダーク・ゾーン」 、第7話「宇宙囚人303」、第37話「盗まれたウルトラ・アイ」、第42話「ノンマルトの使者」が4K映像で上映された。満田監督はこのうち、アンヌ隊員の部屋に宇宙人を名乗る謎の黒い影が出現する「ダーク・ゾーン」と、地球の先住民“ノンマルト”を巡る「ノンマルトの使者」を演出している。

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「ウルトラセブン」55周年ビジュアル - (C)円谷プロ

 満田監督は4Kで蘇った同作の映像について、「単純に言うと綺麗です。残念なことに我が家に4Kはないけどさすがに綺麗。我が家にも買いたくなりますね」と笑顔を見せると、「ウルトラセブン」55周年に「1967年に撮影を始めたんですけど、撮影が始まってから30歳になって、それから55年。結構当時のことをいろいろ覚えているんです。一昨日の昼飯のことは忘れているのに」と照れ笑いで時の経過を懐かしむ。

 満田監督が演出した2話について問われた切通は、「モロボシ・ダンとアンヌの二人の関係が、前半クールに当たる『ダーク・ゾーン』と後半クールに当たる『ノンマルトの使者』では結構違う。前半のダンとアンヌはハツラツ青春コンビだったのが、『ノンマルトの使者』では恋人同士のようになっている。そういう青春っぽいところが印象的」と分析。「(満田と共に『ウルトラセブン』を演出した)鈴木俊継はまさにオーソドックスで映画という感じだったんですけど、満田監督はアップが多かったり、静止画を挟んだり、メリハリがあって、鮮烈で、若々しい青春という感じの演出をするなって思いました」とそれぞれの特徴の違いを指摘しつつ説明した。

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満田かずほ監督&切通理作

 「ノンマルトの使者」におけるダンとアンヌの描き方について、満田監督は「最終回を私が撮ることが決まっていたので、できるだけダンとアンヌの距離を縮めておきたいという気持ちがありました」と振り返る。二人の甘いロマンスを、意識的に取り入れていたことについても「企画書の中にそもそも『ダンとアンヌの淡いラブロマンス』って一行書いてあったんです。それを正直に守ったのが私と(脚本の)金城哲夫だった。他の監督はあまり守っていなかったみたいです」と笑顔で回顧する。

 満田監督はまた、「ウルトラセブン」が描いた「対話」についても問われ、「55年前は意識しなかった」と回答。「でも、改めて『対話』について考えると『対話』の部分は地球人と宇宙人との対話に大きく絞られると思います」と述べ、「(55年経って)それは現代に通じる部分があると思います」と話していた。(取材・文:名鹿祥史)

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