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東出昌大が18キロ増量 「Winny事件」三浦貴大とダブル主演で映画化

ティザービジュアル
ティザービジュアル - (C)2023 映画「Winny」製作委員会

 ファイル共有ソフト「Winny」の開発者・金子勇さんの実話が東出昌大三浦貴大のダブル主演により映画化され、『Winny』のタイトルで2023年3月より公開されることが7日、明らかになった。開発者の未来と権利を守るために権力やメディアと戦った男たちの実話に基づく物語。東出がプログラマーの金子さんを、三浦が著作権法違反幇助の容疑をかけられた金子さんの不当逮捕を主張する弁護士・壇俊光さんを演じる。東出は金子さんを演じる上で18キロ増量し、弁護士と模擬裁判を実施するなど徹底した役作りを行い、三浦も壇さん本人とコミュニケーションをとりながら役に向き合ったという。撮影は2021年に行われ、作品は既に完成している。

【画像】東出昌大が実在の棋士を演じた映画

 本作は、2018年に起業家の古橋智史が企画し、「ホリエモン万博」の「CAMPFIRE映画祭」でグランプリに輝いた同名作を、キャスト、脚本、監督など方向性を一新して再映画化するもの。「CAMPFIRE映画祭」は、応募された企画からクラウドファンディングで資金調達に成功した4組のクリエイターが、観客と審査員の前で映画企画のプレゼンを行い、審査員による投票でグランプリを決定するもので、審査員には「CAMPFIRE」代表取締役・家入一真、俳優の山田孝之伊藤主税プロデューサーらが名を連ねた。

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 2002年、開発者・金子勇(東出昌大)は、簡単にファイルを共有できる革新的なソフト「Winny」を開発し、試用版を「2ちゃんねる」に公開。そのシステムが瞬く間にシェアを伸ばしていく一方、大量の映画やゲーム、音楽などが違法アップロードされ、ダウンロードする若者も続出。次第に社会問題に発展していく。次々に違法コピーした者たちが逮捕されていく中、開発者の金子も著作権法違反幇助の容疑をかけられ、2004年に逮捕されてしまう。サイバー犯罪に詳しい弁護士・壇俊光(三浦貴大)は「開発者が逮捕されたら弁護します」と話していた矢先、開発者金子の逮捕の報道を受け、急遽弁護を引き受けることになり弁護団を結成。金子と共に裁判で警察の逮捕の不当性を主張するも、第一審では有罪判決を下されてしまう。

 金子さんを演じる東出は、本作について「無謀にも金子勇さんになろうと役作りの準備をするにあたり、壇先生やご家族の皆様、多くの弁護士の先生方に多大なる御協力を頂きました。改めて御礼申し上げます。金子勇の生きた証を、劇場でご覧頂けましたら幸いです」とコメント。壇弁護士を演じる三浦は、「実際の出来事を、物語として演じると言うのは大変難しいことです。壇さんの思いを大切にしながら、ある意味、役者として客観性を保つことも大切にし、法廷のシーンなどは、壇さんにお話を聞きつつ、できる限りリアルなものにしていきました」と役づくりに触れている。

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 メガホンを取るのは、自主映画『Noise』(2019)が海外の映画祭で高い評価を受け、現在公開中の『ぜんぶ、ボクのせい』で商業映画デビューを果たした松本優作。これまで現代社会で生きていくことの難しさを描いてきた松本監督が、金子さんの考えに共鳴し、絶対映画にしたいとメガホンをとった。

 ティザービジュアルには、主人公・金子(東出)が暗闇の中、パソコンに向き合う後ろ姿が収められている。

 東出、三浦、松本監督、企画・古橋智史のコメント全文は下記の通り。(編集部・石井百合子)

東出昌大(金子勇役)

 夭折の天才プログラマー金子勇。生前の彼を知る方で、彼の人間性を悪く言う人は誰一人いませんでした。恨言を言わず、他人を罵る言葉を持ち合わせていなかったそうです。彼は子供のように、あるいは求道者のように、ただただプログラミングと言う名の宇宙に没入し、地平面の更に奥にあるかも知れない地点を目指したのだと思います。無謀にも金子勇さんになろうと役作りの準備をするにあたり、壇先生やご家族の皆様、多くの弁護士の先生方に多大なる御協力を頂きました。改めて御礼申し上げます。金子勇の生きた証を、劇場でご覧頂けましたら幸いです。

三浦貴大(壇俊光役)

 私自身、当時関心を持っていた出来事でした。報道では知ることのなかった、金子さんの人間性、当時のやりとり。そのひとつひとつに、引き込まれる脚本でした。実際の出来事を、物語として演じると言うのは大変難しいことです。壇さんの思いを大切にしながら、ある意味、役者として客観性を保つことも大切にし、法廷のシーンなどは、壇さんにお話を聞きつつ、できる限りリアルなものにしていきました。現場では、東出さんは、役柄への集中力が素晴らしく、壇さんからもお墨付きをもらうほどの金子さんを作り上げていました。松本監督は、最後まで粘り強く、ワンシーンずつ少しでも良くしようという情熱に溢れた方でした。Winny の件を知っている方も、全く知らなかった方もいると思います。この映画は、様々な目線で見る事ができる作品です。それぞれの目線で楽しんでいただければ嬉しいです。

松本優作監督

 金子勇さんは、現代のインターネット文化の対抗軸となるネットワークを、今から20年近く前に世界で初めて実現させていました。それは中央サーバーに頼らずとも、個人個人で助け合い生きて行く、夢のネットワーク世界です。しかし2004年の逮捕を機に、Winny の開発は幕を閉じました。Winnyの裁判をしている最中にも、アメリカからYouTubeやiTunesなどの新しいサービスが生まれています。もし金子さんが逮捕されなかったら、もしまだ生きていたら、今の日本は大きく変わっていたかもしれません。悔しいのは、彼のような天才が、裁判の7年によって、文字通りその未来を奪われてしまったことです。映画という文化は、ある時代の中で、埋もれてしまった場所に光を当てることだと思います。未だ世間にさらされていない金子勇という天才技術者と、彼を支え、共に戦った壇さん始め弁護団の皆様が生きた時間に、私は光を当てたい。この映画が、わたしたち人間が、より自由に、平等に生きてゆくための試金石となることを願って。

企画・古橋智史

 この映画を企画し、CAMPFIRE 映画祭でグランプリを獲ったのは今からもう 5年前になります。当時「出る杭が打たれない社会を」というテーマで、日本のテクノロジー発展に寄与したいという思いがありました。あれから5年、映画のテーマにもなる P2P 技術はブロックチェーンと、Web3 として進化を遂げています。残念ながら、まだ日本がテクノロジーで席巻するまでには至っていません。

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