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山田孝之、べた褒めの南沙良と「巨大化したい」

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あふれるアイデアを語る山田孝之。
あふれるアイデアを語る山田孝之。 - 写真:杉映貴子

 山田孝之阿部進之介伊藤主税らとともにプロデュースを手掛けた短編映画制作プロジェクト『MIRRORLIAR FILMS Season3』。Season1と2にプロデューサー・俳優として参加した山田は、Season3(5月6日公開)となる本作で監督として『沙良ちゃんの休日』を撮り上げた。山田は主演に迎えた南沙良の魅力をどこに感じているのだろうか。

南沙良とのツーショットも【山田孝之インタビューカット集】

 「期待通りの見事なきょとん顔をされていて、完璧でした」と南を絶賛した山田監督は、『ゾッキ』(2021)でも南をキャスティングしている。「あのときは、作品の世界観の空気と役のポジションにストッとはまる感じがしたので、直感でお願いしました。素晴らしいパンチと蹴りを見せてくださったんですが、1日だけの撮影だったこともあって、もっといろいろな表情が見たいなと思ったんです。いい目をしていらしたんですよ。南さんは『何を考えてるんだろう』と気になるミステリアスな表情をされているところが、とても魅力的です」と南に惹かれた理由を明かす。

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 本作への起用理由について「簡単に言ってしまうと、女性が紀里谷(和明)さん演じる男とただ道を歩くだけですけど、その女性を想像したときに、すごく南さんに似合うなと思いました。この2人はどういう関係なのか、観た方も気になるんじゃないでしょうか」と語った。

 本プロジェクトの主旨は「だれでも自由に映画を撮れる時代に、自由で新しい映画制作の実現を目指した」というもの。山田はそれを体現して、ちょっと不思議で想像力をかきたてる自由な作品を作り上げた。南に対しては「そもそも、この作品のオファーを受けてくれたところが、ご本人も事務所さんも自由ですよね」と楽しそうに語った。「『沙良ちゃんの休日』ですし、もし断られたらどうしようと思っていました。最初、タイトルは『休日』だったんですが、『沙良ちゃん』とついたほうがかわいいですからね。でも、ご本人が嫌だとおっしゃったら『休日』に戻すか? とも思いました。ご快諾くださってよかったです」と印象的なタイトルについて説明した。

 撮影現場では、キャラクターの置かれた状況や心情を事細かに南に伝えた。「南さんには、オフの日にただカレーを食べに来た南沙良として、そこにいてほしい」とリクエストし、なぜ道の途中で立ち止まるのか、そこに何があるのかだけを説明したという。「監督によっては、こんなふうに演じてくださいと見本を見せてくださる方がいて、そういう方はお芝居がすごくお上手なんですよ。ご自身の思った通りの面白くて的確な動きをされるので、『そんなにうまくやれないから困る』と、よく俳優仲間と話しています。僕は監督をするとき、俳優さんが作ってきたお芝居を、スタッフのみんなが準備してきたものの中で、最初に最前列で見られて『うれしい!』と思っているので、『これをやって』と提示することはありません」と自身の監督としての在り方を示した。

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 本作の撮影も、南は2日ほどですごく短かった。「僕はもっと関係を深めて、一緒にゲームとかもしたいと思っていますが、まだ19歳の女優さんに、40歳手前のおじさんがあんまり近づかないほうがいいかなとも思っています」と冗談めかすが、「まだ俳優としてはご一緒したことがないので、ぜひ共演したいです」と力を込めた。「監督としての立場でもいいんですが、俳優として共演するというのは、ただ普通に会話するとか、仲良くなって食事に行くとか、そういうものとはぜんぜん違う次元でつながれるんですよ。どんな役とか関係性や設定は、ほかの人が考えてくれたもののほうが面白そうなので、お任せしたいです。『ここにこの2人を配置する?』という意外性がある作品だといいですね」と期待を込めた。

 それでも、やってみたいことはあるという。それは「南さんは強い巨大生物がお好きだそうなので、ご自分が巨大化する作品はどうかなと思っています」と意外な提案が飛び出した。「街や橋を壊したり、スカイツリーに東京タワーを重ねてみたり。海底トンネルに巨大化した南さんが海水をぶわーっと流し込むとか、面白そうです。それは僕もやりたいな」と想像を膨らませた。青春ラブストーリーではなく、まさかの特撮ものというのは自由すぎる発想だ。

 「巨大化は、けっこう誰でもやってみたいんじゃないかと思います。映画の中では何だってできますからね」と夢は広がる。「それに、巨大化してもラブストーリーはできますよ。キングコングだって恋をするじゃないですか。まさに自由ということで、いいんじゃないでしょうか」とうれしそうな山田。いつか、巨大化した2人が戦うような、自由奔放な映画を観ることができるかもしれない。(取材・文:早川あゆみ)

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