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萩原みのり「常に新しい顔を見せたい」女優としての意識と向上心

萩原みのり - ヘアメイク:石川奈緒記、スタイリスト:秋田百合美
萩原みのり - ヘアメイク:石川奈緒記、スタイリスト:秋田百合美

 最近では『佐々木、イン、マイマイン』『街の上で』といった映画で存在感を示し、邦画ファンの心をしっかりと掴んでいる萩原みのり。そんな萩原が3年ぶりに映画主演を務める『成れの果て』が12月3日より劇場公開を迎える。活躍が続くなかでも変わらない女優としての思いや、仕事への向き合い方を真摯に語った。

萩原みのり主演『成れの果て』特報映像【動画】

 2020年には7本もの映画作品に出演し、今年も連続ドラマ「RISKY」「ただ離婚してないだけ」「お茶にごす。」などに出演する活躍ぶりを見せている萩原。作品ごとに大きく異なる顔を見せる萩原だが、主演を務める映画『成れの果て』でも、複雑な内面を抱える主人公の女性を演じている。物語は、ファッションデザイナーの卵として東京で生活している萩原ふんする小夜が、故郷にいる姉あすみ(柊瑠美)から、8年前に小夜の心に大きな傷を残した布施野(木口健太)と結婚すると聞かされるところから動き出す。

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『成れの果て』で意識したのは「許さない気持ち」

 友人のエイゴ(後藤剛範)を連れて実家に戻るも、地元企業に就職し不自由なく暮らす布施野に怒りを覚える小夜。そこに、あすみに思いを寄せる幼なじみや、事件の現場に居合わせた布施野の友人も現れるなか、小夜は過激な言動で周囲の人間たちの隠された人間性を抉り出していくことになる。そして、事態が複雑になるなかで布施野への憎しみを募らせた小夜が思わぬ行動に出るのだった……。

 激しい葛藤や怒りを抱え続ける小夜という役を演じるにあたり、台本を読んだ段階では「正直、ラストで小夜がとった選択肢が文字を読んだだけでは理解がまったく追いつかなくて、自分自身がわからないという思いを持ったままの状態で『やります』と答えを出していいのか、難しさを感じていました」と振り返る。そのうえで「小夜になってみないと、どれだけの思いなのかはわからないなと思って、挑戦という意味で臨ませてもらいますとお話ししました」と決意があったという。

萩原みのり

 その後、撮影に入ってからは小夜を演じるために、役への意識も強まった。「この作品で意識したことは『絶対に許さない』『絶対に受け入れない』という思い。少しも受け入れないという意識を徹底しようと決めていて、やっぱり観ているお客さんが『なんで今、小夜は許せたの?』と思わせたらダメだなと思ったんです。撮影の現場でも布施野さん(木口)のことは見ないようにしていました。もちろんその場にいるし、彼の前で繕っていないからこそ本音がボロボロ出てくるのですが、それは受け入れているわけでも気を許しているわけではない。役として根っこの部分は強く持っていようと思っていました」

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出し切るはずの感情が残っている状態は絶対に嫌

 最近では、両親を事故で失い、育ての親である姉のために復讐を遂げようとする主人公を演じた「RISKY」や、たった一つの不倫が思わぬ結末を招く「ただ離婚してないだけ」など、ハードなストーリーへの出演も続いた。狂気を感じさせる演技にも注目が高まっているが、萩原自身は「それぞれ撮っている時期はバラバラで、たまたま放送や公開の時期が近くて、気づいたらそう呼ばれるようになってしまった……という感じ(笑)」というのが本音だそう。

 それでも変化は少なからずあるという。「偶然でも世に出るタイミングがわかったときからは、見え方は気にするようになりました。例えば、同じ爆発のさせ方でも見せ方を意識しないと、いつも応援してくださっている方にも新しいものを見てもらえないので。見たことあるなとは思わせたくないし、今回も全然ちがう苦しみ方の役なので、それを伝えられるように意識していました」

萩原みのり

 そう力強く語る萩原だが、仕事をしているときに常に感じるのは、意外にも「不安や怖いという気持ち」だという。「ほかの人よりも大きいと思います。役者としての仕事も演じる役を大事に思っているからこそ不安なんだと思います。撮影の現場に行くのも『監督さんが思っていた役の演技と違ったらどうしよう』『下手だなと思われていないかな』とか、毎回そういうことをすごく思いながら。昔からビビりな性格で育ってきたのですが、仕事をしていると強そうに見られるようになって、よく意外だと言われることがずっと不思議です」と笑う。

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 「作品を褒めてくれる人や好きになってくれる人が増えることで、いろんなバランスを保ちながら進んでいけている感じです。もちろん、家に帰るときに消化不良で、出し切るはずの感情が残っている状態は絶対に嫌なので、その日その場でカメラの前で出し切るというのは思っています。そのうえで、舞台あいさつなどでお客さんが見てくださっている客席を見たり、書いていただいた感想を見たり、それでやっと終われるという感覚です。デビューしたときから不安との戦いです」

 そんな意外な素顔を明かす萩原の姿勢はデビューから変わらない。「オーディションを受け続けているときに、落ちたとしても爪痕だけは残すということは意識していて、何でもいいからとにかく印象に残すようにする。それは今でも思っているところです。落ちてもそこで終わりではなくて、どこかで繋がっていけばいいなと思っています」

 現在のブレイクについても本人は冷静だ。「いい作品に出ているね、と言われることがあるのですが、選んでそうなったわけではなくて、声を掛けてもらったものを全力でやっていた結果です。自分でも不思議だなと思います。むしろブレイクしている人が多すぎて、まったく足元にも及ばないなという感じで『あー! 恥ずかしい、恥ずかしい』という思いです(笑)。ただ、この先も見てくださる人がずっとおもしろがってくださればいいなというのは変わりません」と素直な言葉で語った。

萩原みのり主演『成れの果て』第2弾特報 » 動画の詳細
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