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北斎役・柳楽優弥、書家・紫舟に筆遣い称賛され「汗かいてきちゃった」

イベントに出席した紫舟、柳楽優弥、田中泯
イベントに出席した紫舟、柳楽優弥、田中泯

 俳優の柳楽優弥が13日、東京都江戸東京博物館で行われた映画『HOKUSAI』公開記念トークイベントに田中泯と共に出席、イベントに参加した書家・紫舟(ししゅう)より「筆遣いがきれい」と称賛されるひと幕があった。

『HOKUSAI』イベントフォトギャラリー

 本作は「富嶽三十六景」などで知られる浮世絵師・葛飾北斎の生涯を描く伝記ドラマ。北斎の青年期を柳楽が、老年期を田中がそれぞれ演じた。本来は2020年5月29日の劇場公開を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で延期に。約1年の延期を経て公開を迎えることに柳楽は「公開延期というのは今まで経験したことのないことでした。でもこの時代だからこそ、葛飾北斎の生き方だったり、北斎自身の強いエネルギーが映画を通して皆さんに伝わったらいいなと思います」とコメント。田中も「柳楽さんと全力以上の時間を過ごしてきました。今の日本のこの状況の中、どんなふうに受け止めていただけるのか、正直わかりませんが、作品全体に流れる強烈な情熱が伝わればいいなと思います」と続けた。

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 この日の会場となった江戸東京博物館では、北斎作品の展覧会を開催しているが、現在は休止中。イベント前に、作品を鑑賞する機会があったという柳楽は「圧倒されましたし、一つの作品を描く上にものすごいプロセスがあって。そういう傑作を目にして、エネルギーやパワーをもらいました」と感激の表情。「北斎は90歳まで生きて。(『冨嶽三十六景』を描いたと言われる)70歳を越えた時にも、まだ満足していなかった。そういうモチベーションで絵に向き合っていたのがカッコいいなと思いますし、泯さんも10代からずっと踊りを続けてきた方。ひとつのことに長く向き合っている大先輩を見ると、勇気をもらえます」と晴れやかに語った。

 トーク後には、紫舟がライブパフォーマンスで書を披露。「生き抜け」と記された作品を目の当たりにした柳楽は「本当に圧倒されます。『生き抜け』という言葉はこの時代に通じるメッセージ。北斎を通じて生命力を感じます」と感激。一方の紫舟は、映画について「制作意欲がわいたし、生きる力ももらった」と興奮した様子で語り、柳楽について「一番驚いたのが、もっとも難しい、筆の所作が美しかったこと」と絶賛。「プロになると、呼吸と筆の動きが合ってくる。柳楽さんの筆さばきはまさに呼吸をしているようで。本当に美しい筆の所作だなと思いました」という言葉に、柳楽は「汗かいてきちゃった」と照れた様子を見せていた。(取材・文:壬生智裕)

映画『HOKUSAI』は5月28日より全国公開

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