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のん&林遣都、綿矢りさ「私をくいとめて」映画化で初共演

映画『私をくいとめて』で初共演するのん&林遣都
映画『私をくいとめて』で初共演するのん&林遣都

 女優ののんが、芥川賞作家・綿矢りさの小説に基づく映画『私をくいとめて』(今冬全国公開)で主演を務めることが22日、明らかになった。のんが演じるのは、脳内にいるもう一人の自分と対話しながら独身生活を謳歌する31歳の女性。恋の相手となる年下の男性に、ドラマ「おっさんずラブ」の牧凌太役が話題を呼び、のんと初共演となる林遣都。監督・脚本を、綿矢原作の2017年の映画『勝手にふるえてろ』がロングランヒットを記録した大九明子が務める。

【写真】菅田将暉、長谷川博己らと共演した2014年の映画

 本作は、「蹴りたい背中」で芥川賞を受賞した綿矢の2017年に刊行された同名小説を映画化するラブストーリー。人間関係や身の振り方に迷ったときに、もう一人の自分「A」に相談しながら平和な独身生活を送っていた黒田みつ子(のん)が、取引先の年下の営業マン・多田くん(林)への恋心に戸惑いながら成長していくさまを描く。

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私をくいとめて
ティザービジュアル(C)2020『私をくいとめて』製作委員会

 のんは初共演となる林に「林さんの役に対するアプローチも、とても魅力的だったので負けられない、と気合が入りました」と言い、林も「よーいスタートで目の色が変わり、極めて繊細な表情で相手を引き込む力がある方で、お芝居の中で驚かされた瞬間が沢山ありました」とのんに刺激を受けたようだ。

 大九監督は2人の演技について以下のように評している。「のんさんは怒りの表現が見事で、あんなに柔らかい空気を漂わせていながら、内側に高温のマグマみたいなものを持ってる人だと思います。のんさんはいっぱい質問してくれます。その対話の中でこの映画の核を再確認できたように思います。林遣都さんは以前からご一緒してみたかった方です。振り幅が素晴らしく、少し話すと芝居がどんどん変わるので、とても楽しかったです。急に変なことお願いしてもすぐに『はい』と言ってやって下さって素敵」

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 のん、林、大九監督、原作者・綿矢のコメント全文は以下の通り。(編集部・石井百合子)

<のん:みつ子役>
・林遣都との初共演について
 肌が白くて羨ましかったです。羨ましすぎて、いつも以上に念入りにお肌のお手入れをしてました。林さんの役に対するアプローチも、とても魅力的だったので負けられない、と気合が入りました。あと、林さん直々に並んで買ってきてくださったおすすめのクッキーサンドを現場で配っていらっしゃって、すごく優しい方なんだなと思いました。クッキーサンド、美味しかったです。

・脚本を読んだ感想
 面白かった。楽しいセリフが沢山で、シリアスなシーンでも皮肉なユーモアが滲んでいて、どうやって解釈しようか…と嬉しくてニヤニヤしながら読みました。一番胸を打たれたのは、この作品のテーマであり、みつ子が大切にしているおひとりさま。おひとりさまって、一つの生き方として結構普通になってきている気がします。脳内に相談役としてAの存在を作り出す事も、楽しく生きていけるならありだなって思える。世の中の幸せは多様化している、そんな風に感じました。触れられない相手と触れられる相手の間でどう揺れ動いていくか、演じていてとても楽しかったです。考えすぎて自分で行き詰まっていく不器用なみつ子が、とても愛おしい。早く皆さんに観ていただきたいです。

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<林遣都:多田くん役>
・のんとの初共演について
 お芝居をしてる時と普段のギャップが大きい方という印象でした。人との距離の縮め方がきっと自分に近く、短い撮影期間ではあまりお話することはできませんでしたが、お芝居をしている時は常に役を通してお互いの心を探り合い、心地良い会話をさせていただけたと思ってます。よーいスタートで目の色が変わり、極めて繊細な表情で相手を引き込む力がある方で、お芝居の中で驚かされた瞬間が沢山ありました。ご一緒できて楽しかったです。

・脚本を読んだ感想
綿矢りささん、大九監督お二人の世界観を演じることを楽しみにしていました。不器用な人間同士のピュアな心の模様を大九さんがどのような演出で繋げていくのか。あまり特徴が多いとは言えない自分の役どころにどのような膨らみが生まれるのか、楽しみな要素が沢山ありました。大九監督の人間の弱い部分に寄り添った心理描写、苦しいシーンもどこか温かく微笑ましい空間に変えてしまう演出をもっと味わいたいと思いながら気付いたら撮影を終えていました。完成を心待ちにしています。

<監督:大九明子>
・「私をくいとめて」実写化のきっかけ
 読んでみてびっくり。主人公がもうしっかりと脳内で会話してるじゃないですか! Aとか名付けちゃって! 「私をくいとめて」は、綿矢文学の醍醐味である切れ味のいい言葉たちの間を、さまざまな色が漂い、ある時はスパークする。色に溢れた読書体験を終えた時には、この色と言葉をどう映像で描こうか、と考え始めていました。私、これ撮らなくちゃ。とすぐシナリオにして、プロデューサーに売り込んだ次第です。

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・初タッグののん、林遣都の芝居について
 のんさんは怒りの表現が見事で、あんなに柔らかい空気を漂わせていながら、内側に高温のマグマみたいなものを持ってる人だと思います。のんさんはいっぱい質問してくれます。その対話の中でこの映画の核を再確認できたように思います。林遣都さんは以前からご一緒してみたかった方です。振り幅が素晴らしく、少し話すと芝居がどんどん変わるので、とても楽しかったです。急に変なことお願いしてもすぐに「はい」と言ってやって下さって素敵。

<原作:綿矢りさ>
・実写映画化の話を聞いた感想
 映画化のお話を伺ったときは、大九監督の魔法によって、どれだけキャラクターが生き生きとよみがえるんだろう、とまず最初に思いました。以前に自著を映画化していただいたとき、主人公だけでなく、物語上のすべてのキャラクターたちが、本当に実在するようにリアルで、それでいてコミカルに描かれていたのが、驚いて忘れられなかったからです。本作は想像力のたくましい女性が主人公の話で、彼女はたくさんの人と関わることを無意識に恐れています。映画化の台本を読むと、彼女の実は色鮮やかな内面が、イイ味出してる周囲の人たちとのふれあいにより、より濃く輝いてるなと感じました。現実ではさりげなく過ぎていくけど、実は心は激しく動いている。こんな場面を、のんさんと林遣都さんという、最高の方々に演じていただけると思うと、もう喜びを隠せません。お二方の過去の出演作品を見ながら「こんな素敵な方々が、あのけっこう地味な、いやかなり地味な、みつ子さんと多田くんになるなんて」と信じられない気持ちでいます。

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