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アカデミー賞作品賞『グリーンブック』監督が初来日!賞レースを振り返る

『グリーンブック』を引っさげ来日したピーター・ファレリー監督
『グリーンブック』を引っさげ来日したピーター・ファレリー監督

 第91回アカデミー賞作品賞に輝いた映画『グリーンブック』(公開中)のピーター・ファレリー監督が来日し、3日にTOHOシネマズ日比谷で行われた来日記念舞台挨拶に出席した。アカデミー賞をはじめ、本年度の賞レースをにぎわせたことについて、ファレリー監督は「すごいとしか言いようがない経験だった」と振り返った。

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 本作は、人種差別が残る1962年のアメリカ南部でコンサートツアーを行った黒人ピアニストのドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)と、用心棒兼運転手として雇われたイタリア系のトニー(ヴィゴ・モーテンセン)が友情を育むさまを描いたロードムービー。第91回アカデミー賞では作品賞、助演男優賞(マハーシャラ)、脚本賞の3部門を獲得した。

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 ファレリー監督は、ステージに登場すると、上機嫌な様子で「コンニチハ! アリガトウ!」と日本語であいさつ。今回が初来日の監督は、2015年の「第8回したまちコメディ映画祭in台東」で来日経験がある弟のボビー・ファレリー監督から、「食べ物がめちゃくちゃ美味しいから食べ尽くせと言われたんだ。特に日本のウイスキーを試してくれとね」と来日前にアドバイスを受けていたことを明かした。

 そんなファレリー監督は、アカデミー賞をはじめとする本年度の賞レースについて「僕たちが今まで手がけてきたのはコメディー作品だったんで、賞レースに絡むという経験がなかった」と振り返る。「ここまで(作品が)受け入れられるということは予測がつかなかったし、起きたことはすべてサプライズだと思っているよ」と受賞の喜びをしみじみと語った。

 この日はゲストとして、ピアニストで女優の松下奈緒も登壇。松下は「本当に楽しい映画で、音楽も素晴らしく。心に響くものがあったし、車の中の会話もユーモアがあって。2時間ちょっと釘付けになりました」とすっかり作品に心奪われた様子。それを聞いたファレリー監督は「本当にうれしいね。二人の友情は旅の後も続いたんだ。ラストに希望があるからこそ、この映画を作りたいと思ったんだよ」と喜びをあらわにした。

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 イベントでは、アカデミー賞受賞を祝福するコール&レスポンスも行われたが、ファレリー監督は大好きな日本映画だという『万引き家族』の英題(Shoplifters)を叫んでしまうお茶目な一幕も。それでも、『グリーンブック』について「これから映画をご覧になる方は、公民権運動について知っていただきたい。そして今でも続いている闘いを知っていただけたらと思う。自分と違う人に心を開くきっかけになればいい。シンプルな言い方になるが、人はみんな同じ。話し合うことができれば、共通点を見つけることができて、人がつながることができると信じている。それが僕のメッセージです」と会場に呼びかけた。(取材・文:壬生智裕)

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