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村上春樹作品に挑んだ道のり 松永大司監督明かす

『ハナレイ・ベイ』ハルキスト試写会にて。松永大司監督
『ハナレイ・ベイ』ハルキスト試写会にて。松永大司監督

 村上春樹の短編集「東京奇譚集」の一遍を映画化した『ハナレイ・ベイ』のPRイベントが12日都内で開催され、監督を務めた松永大司、村上小説のファン、通称“ハルキスト”の聖地とされるブックカフェ「6次元」の店主であり、「村上春樹語辞典」の著者ナカムラクニオ氏が登壇。“ハルキスト”のために実施された本イベントで、松永監督は「原作通りに撮るってことをするのであれば、映画を撮る必要がないと思ったんです」と胸の内を明かした。

【動画】村上春樹の短編を映画化『ハナレイ・ベイ』予告編

 本作は、ハワイのハナレイ・ベイで息子をサーフィン中の事故で亡くしたシングルマザー・サチを主人公にした物語。『トイレのピエタ』などで知られる松永大司がメガホンを取り、ヒロインのサチを吉田羊、亡き一人息子を GENERATIONS from EXILE TRIBE佐野玲於が演じている。

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ハナレイ・ベイ
ナカムラクニオと松永監督

 「ハルキスト試写会」と題したイベントには、大勢の村上ファンが詰めかけた。松永監督は、ナカムラ氏に短編の長編映画化における苦労を問われると、短いシナリオで長編が撮りたかったと振り返り「短編の方がちょうどよかったんです。足りないというよりも、テーマとしてもすごく普遍的だし、自分としても、いろいろな要素で挑戦のし甲斐があった」と述懐。「海外で撮るということ。もう一つは(原作が)村上春樹さんであるということ。あとは自然とどう自分が向き合うかということもあって、映像に向いている気がした」と続けた。

 観客から自身の作風が強く表れていることを指摘されると「誤解を恐れずに言うならば、自分のモノにしなければダメだと思いました」と回答。「映画にすることで、もっと何か別のことを生み出すことができるというチャレンジがない限り、原作というものにトライしちゃいけないんじゃないか」と持論を展開し、「褒めてもらった、嬉しいなという気持ちと、原作をやるってそういうことだなって、いま両方感じました」と笑顔を見せた。

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 松永監督は近藤龍人が撮影した映像にも触れ、「この映画は、どうしても映画館でしか感じられないものにしようと思っていて、引き画(え)でも大きなスクリーンだと、サチがただ座っているだけでも、ちゃんと伝わると信じていて。それを寄りで撮っていくことをしなくてもいいんじゃないかと」と意図を説明。「映画館で観てもらうと針を振り切って、近藤と一緒に撮りたいと思った」と劇場での鑑賞を前提にプランしたことを強調していた。(取材・文:岸豊)

映画『ハナレイ・ベイ』は10月19日より全国公開

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