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話題のホラー『クワイエット・プレイス』監督、製作秘話を明かす

『クワイエット・プレイス』より、家族を必死に守る父親を演じたジョン・クラシンスキー
『クワイエット・プレイス』より、家族を必死に守る父親を演じたジョン・クラシンスキー - (C) 2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

 全米で大ヒットしたホラー映画『クワイエット・プレイス』(9月28日 日本公開)について、出演・脚本・監督・製作総指揮を務めたジョン・クラシンスキーが、フォーシーズンズホテル・ニューヨークでインタビューに応じた。

【動画】『クワイエット・プレイス』予告編

 本作は、音に反応して人間を襲う“何か”が潜む世界で、音を立てずに生き延びようとする一家を描いたホラー作品。リー(ジョン)&エヴリン(エミリー・ブラント)夫妻は、聴覚障害の娘リーガン(ミリセント・シモンズ)と活発な息子マーカス(ノア・ジュープ)らと共に、日々の生活では手話を用い、裸足で歩くなどして、決して音を立てないというルールを固く守りながら静寂を保って暮らしていた。しかし、エヴリンの胎内にまた新しい命が宿ったことで、一家は新たな危機にさらされていく。

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 今作を手掛けることが決まった後、ジョンはできる限りホラー映画を鑑賞し、B級映画から、『ぼくのエリ 200歳の少女』『ウィッチ』といったストーリー構成も素晴らしいホラー映画まで見尽くしたそうだ。「僕が育った頃の映画には、『13日の金曜日』のジェイソンや、『エルム街の悪夢』のフレディのように、(理由もなく)次から次へと観客を怖がらせるようなものがあった。一方『ジョーズ』には、怖さだけでなく、観客を惹きつけるさまざまな要素があって、そういうところをストーリーに反映させたいと思ったんだ」。

 また、テレビドラマ「ザ・オフィス」出演時に、同番組のクリエイターから受けたあるアドバイスが、今作を手掛ける上で重要なカギになったとジョンは語る。「それは、ほんのささいなアドバイスで、せりふは全て視聴者の解釈に委ねられるものだということなんだけど、僕が今作を手掛ける上で、重要なアドバイスになったんだ。あのアドバイスを受けていなかったら、僕は今作のようなホラー映画を製作していなかったと思うね。僕はホラー映画をどう手掛けてよいかわからなかったけれど、家族とつながっている感覚はあるから、親が子供を守ろうとするストーリーならば執筆できると思ったんだ」。加えて、妻で主演女優のエミリーとの間に、新たな子供を授かったことが、家族の絆を描いた今作を手掛ける上で大きな影響を与えたとも明かした。

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クワイエット・プレイス
主演のエミリー・ブラントはジョンの奥さま - (C) 2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

 ホラー映画が怖くて観られない人には、「今作には親になることの怖さを感じさせる大きなアイデアが含まれているんだ。だから、今作を鑑賞すると、怖いだけでなく、“別の要素”で満足してもらえると思っているよ。もちろん、ホラー映画の恐怖は取り除けないかもしれないけれど、鑑賞して良かったと思ってもらえるはずだ」とアドバイスし、本作への自信をのぞかせたジョン。

 その“別の要素”となるのが、普遍的な家族の絆であり、それを軸に描いていることが今作の魅力でもある。「僕が今作で気に入っているのは、キャラクターが皆、自身が抱える精神的なダメージに対応しているというところなんだ。それぞれが(未来の選択のために)異なった道をたどるけれど、お互いが完全に離れることもしない。また、家族の一人が耳が聞こえないことで、観客により家族の対応に興味を持ってもらえると思ったんだ」。

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 子役たちとは家族らしくなるために特別な準備をしたそうだ。「まず、子役と彼らの両親を僕らの家に招いて共に過ごしたんだ。ミリー(ミリセント)がどのように両親と接しているかを見たり、両親の子供への対応を見るだけで、僕とエミリーには勉強になったね。それから、現場で子役が憂鬱(ゆううつ)な気持ちにはならないように、今、どういう気持ちで演じているのか尋ねるようにしたんだ。するとノアは、シーンごとにどういう気持ちなのか(逆に)聞いてきたり、そんな感情を今は持っていないと指摘してきたりするようになったよ。ミリーの場合は、彼女が演じたキャラクターが耳が聞こえないことから、まるで家族の一員ではないように感じて、それを自ら指摘しながら演じてくれたんだ」。見事な演技を引き出された子役たちの熱演も見どころだ。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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