舘ひろし流カッコいい男とは?ダンディズムの定義

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はにかみ笑顔もダンディー! - 写真:日吉永遠

 『終わった人』というドキッとするタイトルの映画に主演したのは、「ダンディー」という形容詞がピタリとはまる舘ひろしだ。定年退職した元銀行員というパブリックイメージと真逆の役に挑戦しているが、そのギャップすらも軽やかに飛び越えてしまった彼が、“カッコいい男”とは何かを語った。

【映像】情けない舘ひろし?ギャップがすごい『終わった人』特報

 舘ひろし=ダンディーというイメージが世に広まったのは、大ヒット作にして代表作の『あぶない刑事』シリーズからと言っていいだろう。スマートなスーツと黒のグラサンで横浜の街を闊歩する「ダンディー鷹山」に憧れた人は、男女問わず多い。いくつものテレビシリーズや映画が作られて30年近く続いた『あぶ刑事』は、日本における“カッコいい男”を象徴する作品の一つと言っても過言ではない。

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 もちろん、齢68にして舘ひろしはいまだテレビドラマや映画で活躍中の現役だ。「10代、20代の人に挫折したなんて言われると、『10年早い』って思います」とニヤリ。それでいて、「でも、若い人にはかなわないよね」と若さへの憧憬も素直に語るのは、人間的な器が大きいということだろう。

 そして舘自身も「カッコよく生きようと思っています」と断言し、さらに、「薄っぺらなカッコよさが好きです」と付け加えた。「見た目がカッコよければ。中身は何もないけどいいかなって。いろいろ考える必要はないよ」といたずらっ子のように笑いながら言ってのけるところに、大人の余裕を感じさせる。それこそが、にじみ出るインテリジェンスと色気であり、舘流のダンディズムの根本にあるものなのだろう。さらに「ダンディーとは、無駄を追求していくこと」と明言。「僕がダンディーかどうかはわからないけど、無駄なことは好き。どうでもいいことに命を懸ける。そういうところは、自分の中に少しあるかもしれない」と自らの流儀を語った。

 劇中、定年を迎えて意気消沈しつつ、まだまだ終わりたくないとあがく男を、真正面から真摯(しんし)に演じた舘。ダサい服とずり落ちたメガネ姿は、いつもの“舘ひろし=ダンディー”な姿を求める人には驚きかもしれない。だが、戸惑いながらも新たな一歩を踏み出す主人公の姿に、知らず知らずのうちにエールを送っているだろう。カッコ悪い男がただのカッコ悪い男ではなく、本当の意味でのカッコいい男に見えてくるのは、ダンディーの権化である舘だからこそ出せる説得力にほかならない。(取材・文:早川あゆみ)

映画『終わった人』は全国公開中

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