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ピクサー随一のリアル『カーズ』最新作が追い求めた品質

ブライアン・フィー監督(左)とケヴィン・レハー
ブライアン・フィー監督(左)とケヴィン・レハー

 監督自身が「他のピクサー映画と比べてもかなりリアルだと思う」と語るほど、よりリアルな描写を追求し続けたディズニー/ピクサー映画『カーズ/クロスロード』。なぜそこまでこだわり続けたのか。サンフランシスコのピクサースタジオでブライアン・フィー監督らに作品への思いを聞いた。

【映像】照り返しなどにも注目!『カーズ/クロスロード』予告編

 ピクサーの人気作として『カーズ』の3作目にして、真っ赤なボディーをトレードマークに華々しく活躍してきた天才レーサーの主人公マックィーンが、引退の岐路に立たされた本作。最新テクノロジーを追求した新たな世代のレーサーの台頭する中、マックイーンは女性トレーナーで新たな相棒クルーズらともに再起をかける。

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 そんなストーリーに込めた思いをフィー監督は「子供たちに、夢を追いかけること、挑戦すること、『自分たちは何でもできる』と信じてもらいたい。それを成し遂げるうえで、助けてくれる人たちを探すこともね」と話す。また、大人には「人生には指導者が必要であること。年をとったら自分が指導者になること、仕事での師弟関係、親や家族、友人としての形もあるが、それを若い世代につなげていくことも描きたかった」と付け加える。フィー監督にとっては、これがデビュー作。「僕は多くの映画を観て育ち、ストーリーを語るのが大好きだった。ストーリーは、世界や人間はどういうものかを考えさせることができる。僕はストーリーテリングのパワーを信じている」と熱く語り、そのための工夫を重ねたという。

 たとえば、キャラクター。クルーズは当初、男性のキャラクターの設定だったが、「もし女性で強くて頭のいいキャラクターだったら、ストーリーがもっとよいものになると気づいた」とのこと。

右の黄色い車がクルーズ

 プロデューサーのケヴィン・レハーも、クルーズやストームら、シリーズ初登場のキャラクターについて「それぞれ(バックストーリーとして)伝記のようなものを書く。そうして彼らに命を吹き込むことができる」と説明する。

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 またフィー監督が「ストーリーの感動的なことを語るために臨場感があるものにしたかった。他のピクサー映画と比べてもかなりリアルだと思う」と言うように、ビジュアル面のこだわりも強かった。

 反射などによる車のボディーの映り込みは「『カーズ』1作目では手でやらなければならなかったシステムだったけど、新しいシステムでは歯磨きの広告みたいにすべてが輝いて、少し抑えないといけないくらいだった」(レハー)。

クリエイティブ・ディレクターのジェイ・ウォード - (C) 2017 Disney/Pixar

 さらにクリエイティブ・ディレクターのジェイ・ウォードは言う。「僕たちは作品のクオリティーに責任を持っている。反射などのディテールにこだわらない見せかけの世界には、(観客は)なかなか共感できないが、リアリティーがあれば、その世界に入り込める。クオリティーが車の世界に連れていくんだ」。国を超えて通じる物語には、ストーリーテリングと映像の力が影響しているようだ。

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 取材では、好きな日本の作品を聞かれ、レハーが「(シーンが)とても美しい」と『千と千尋の神隠し』を、フィー監督は「空気の匂いがする感じが好き」と『となりのトトロ』のいずれもスタジオジブリ作品を挙げた。さらにウォードが『カーズ2』に登場した2台の車の名前が、「サツキ」と「メイ」だったことを明かし、「誰にちなんだか知っているよね?」と逆質問する一幕もあった。(取材・文:岩崎郁子)

『カーズ/クロスロード』MovieNEXは11月22日発売、デジタル配信中(税抜き価格:4,000円)

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